Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

映画 サンローラン

2015-12-08 21:25:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


やっぱり大好きサンローランの世界・・・!
去年9月に日本公開された方の映画の感想とYSLへの愛はこちら→

こちらのイヴ役はギャスパー・ウリエルでした。ピエール・ニネも美青年でしたが、ギャスパーは私が彼の映画を初めて見るので本人かと思ってしまうほどイヴの香りを漂わせていました。ピエールの方が優等生的で、ギャスパーの方が危険度が高い感じともうしましょうか。

パンフレットにも書いてありましたが、去年のはイヴがまだディオールのアシスタントをしていてベルジェ氏と出会った時代から描いていていますが、こちらは既に人気者となった1967年以降の、スターデザイナーとしてのイヴの世界を描いていました。

スターデザイナーの世界とは、ただ忙しいだけでなく、年に4回もコレクションを発表しなくてはならない、つまり定期的に次から次へと新しい美を生み出さねばならない過酷な世界です。1回のコレクションで何10点ものコーディネートを見せるためには、その分のデザイン画を書いて、生地や装飾の素材を決め、1点1点の仮縫いを何度もしてやっと服ができる。アーティストとしてと職人としての技量が求められるのです。

公私のパートナーであるベルジェ氏は、イヴの生活を母親のように面倒みながら父親のように支配して、彼のビジネス王国の財源であるイヴをその過酷な仕事に向かわせていました。この辺の描き方は公認の方よりも手厳しかった。おかげでイヴが、愛人やドラッグの官能へ逃げ出したくなる心境がよくわかった。(ここ重要!)

その愛人、ジャックですが、まあ、彼の家のエロチックなこと、部屋の真ん中に分娩台のようなイスがあってもうビックリ・・・!カール・ラガーフェルドの愛人でもあったのですが、単なる三角関係でなく、何人もの男がゴージャスな一部屋で絡み合って、お金と審美眼を持ったゲイの官能の館。この時、80年代のエイズ出現の1歩手前で、現実にこの世界の住人は数年後にエイズでこの世を去ったのです。ですから官能の時代の最後の徒花だったのですね。

そうそう、久しぶりにビックリしたことがもうひとつ・・・
これだけ官能的な映画なのに「ぼかし」が入っていたんです!
美しい身体の線を持ったギャスパー・ウリエルの真ん中に!
えー?!
子供も見てるかも知れないお茶の間ならわかるけど、映画館なのに。
なんかすごく変だったなー。エロスを描いてるんだからいいんじゃないの?