Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

キングスマン ゴールデン・サークル

2018-01-05 15:50:00 | その他の映画・ドラマ・舞台

公式ページスタンプより

公開日にお仕事の休みを入れて見てきました、「キングスマン」第2作。

その映画館では、土地柄がオシャレでトレンディーではないためなのか、初日の朝という本気のオーディエンス、男性度が高くて意外でした。しかし世の中的にはアクション映画は男性向け的な存在でしたね、すっかり忘れていました。

実際、カーチェイス、スパイ、カウボーイ、銃撃戦、乱闘、美人のお姉さん、と20世紀までは男性的なものの宝箱のような映画でしたが、

もうマニアックで最高に楽しめるこだわりかつゴージャスな悪趣味であることは間違いありませんsymbol4

パンフレットの町山智浩さんの解説に、監督マシュー・ヴォーンの生まれが「労働者階級のイギリス人母と俳優のアメリカ人父の婚外子として育ったが、実の父親はイギリス貴族。」とあり、

キングスマン前作ではイギリス労働者階級チャヴのエグジーとジェントルマンのハリーが描かれたけど、2作目でイギリス的なものとアメリカ的なものが並べて提示されたのには、彼のバックグラウンドがそれぞれの世界にあったからなのかと激しく納得したのでした。

しかも父だと思ってた人はアメリカのスパイドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の主役だというのですから、スパイへの憧れは離れて育った父への憧れがあったのだな、と、まるでGotGのスター・ロードのような人生が彼の現実なのかと、

改めて監督さんのような人が映画作ってくれて観客はラッキーだなと思いました。

こうなるとエグジーがスウェーデン王女とうまくいってしまうのも、最初は監督お得意のヤクザな童話の世界と思っていたのですが、監督の奥様がスーパーモデルのクラウディア・シファーだということ似ていて、彼にとっては童話ではなく現実なのだし、とまた納得してしまうのです。

今回はイギリスvsアメリカな話とはいえ、前作の負け組チャーリーがパワーアップして復活し、冒頭で「お前がジェントルマンでオレが平民とはな」としつこく喧嘩を売ってくるのには、前作からの続きをしっかりと感じて嬉しくなります。

つながりという点では、そのチャーリーとの車中での奮闘に靴のつま先から出るナイフが役に立ったり、警察から逃げてハイドパークの池に窓ガラスの割れた車で入らなくてはならなかった時、マーリンから「息を止めるのは得意だろ」と言われたりとオマージュが散りばめられています。

あとキングスマンを見るとパグ愛が燃え上がります。JB可愛い。

パグ以外にのsymbol1ポイントとしては、

エグジーがハリーにテーブルマナーを教わったシーンだけがテンポが特出して遅かったこと。全体の流れが止まるほどだった。

エグジーのスーツのジャケットの胴回りがパンパンだったこと。サビルロー仕立ての体に沿った作りだからこそ。あのアクションで破れないのでしょうか。衣装係のお仕事したい。

グラストンベリー・フェスが出てきたこと。ブリット・ポップ・カルチャー好きの好物網羅。そこにちゃんとエグジーもゴム長靴履いていってた、日本ではエーグルが有名だけどそこはキングスマン、英国ブランドHunter。

エグジーの王子様姿!元チャヴなのに、そこまでやるのね!

サー・エルトン・ジョンが楽しそうに自身の役を演じていたこと。

残念だったのは、1作目ほど愛すべきキャラクターがいなかったこと。それは基本的にカウボーイに魅力を感じないからステイツマンの人たちに愛着が持てなかった。ポピーランドはドーナツ屋さんが可愛かったけど。


そして、私が個人的にアガったのは、エグジーが子供の時にハリーからもらったネックレスを使う時が来たのが、ロンドンの老舗ワイン店の地下室だったことです!

そのお店は実在する有名店で、現実にもキングスマン・ショップが店舗の一部に現在作られてグッズが販売されているのですが、私の夫のロンドンでの勤務先でもあったのです。もう、びっくりです。

ステイツマンのお酒が入った金庫のある地下室も実際にあり、とても古くて店そのものよりも広いのです。お店のお得意様などは案内されて見せてもらうこともありますが、正式には店舗部分ではないので、どんなに金払いのいいお客でも、地下室の存在をどこからか聞いて偉そうに「下を見せろ」と言っても店員は入れてくれません。

とはいえ、お店主催のワイン・テイスティングや講座(日本語のも以前はありました)に参加すると、その地下室で行われますし、食事をケータリングしてワインはもちろん自店の製品を味わえるディナーパーティーなども開催されているので、そういう名目で地下に行くことも可能なんです。

テーブルのある部屋だけでなく、倉庫やオフィスもあり、セント・ジェームズ・ストリート3番が店の住所ですが、その通りの先はセント・ジェームズ宮殿ですから、実は宮殿とつながっているとの噂まであります。とてもスパイ映画ぽいですよね?!

監督もそういう店の背景を知っていて、サヴィル・ローの店が爆破されたのちの新店舗のロケーションにナンバー3(お店内部のこの店の呼び名です)を思いついたのかもしれません。



サヴィル・ローはテイラーで有名な場所ですが、この通りも紳士のための帽子屋や靴屋、グルーミング洋品店などが立ち並び、キングスマン前作の悪者ヴァレンタインにハリーが勧めた帽子屋もすぐ近くです。