Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

今さら「ゴーン・ガール」

2022-02-07 20:29:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


枝龍さんちのブログで「パーフェクト・ケア」の記事を読み、見たかったことを思い出しました。しかしその前に、同じく主演ロザムンド・パイクが強烈なヒロインを演じる「ゴーン・ガール」もまだ見てなかったことも思い出し、見ました!

数年前にも冒頭だけ見て退屈してしまい放ってしまったのですが、そこを乗り越えたらすっかりpage tuner本のようにガッツリ引き込まれ、最後まで面白かったです。

まず、私はロザムンド・パイクが面長ということだけで親近感を持って好きなのです。ですので最初から最後まで彼女の演じたエイミー視点で見ました。2014年の映画なので「きれいな奥さんがあんな女だとわかって・・・」とヒロインに否定的な意見が多いらしいのは知ってましたがそれ以上は知らずに。

失踪した奥さんが実は計算高い利己主義な女で夫をはめようという芝居を打ってたとわかった時はなるほど、それが嫌われた原因か。。。とふむふむそれで、と見進めましたが、見ても見ても彼女の言い分は正当に思えるのでした!エイミーと夫は結婚5周年(子供なし)でしたが、さすが結婚21周年(子あり)の私ではないでしょうか?!

うちの夫も、せっかくイギリスで幸せに暮らしていたのに日本に戻ったっきりテコでも動かなくなるし、失職したり(しかも何度も)で、今や私名義で家も借りています。「ゴーン・ガール」でもエイミーは「結婚した時は幸せだったのに、その後役割放棄しやがってお金もなく私をこんな田舎に連れてきて」と恨み言を言った時には『それな!!』と食いついてしまいました。もともとベン・アフレックが好みの俳優でないこともあり「出会った時にはロマンチックな演出しやがって騙された」気持ちがようわかって・・・!

それと、客観的に映画を見ても、私は「報道される事件の裏に怪奇あり」ストーリーにとても興味があります。ただ妻の失踪が報道されただけでなく、報道合戦と登場人物の現実の関係が絡んで変化するところもさらにこの映画は面白かったです。

また主観的な感想に戻り、「結婚生活とは役割演技」というテーマについてですが、日本でもそれはあると思うのですが、映画の舞台アメリカなどの欧米だと、社会も夫婦単位が基準になるので愛し合う役割感がさらに必要とされると思いました。日本だったら恋愛感情が消えても空気のような関係あうんの呼吸がヨシとされる風潮ですが、それが許されないのがマイダーリン、チュッ、な文化ではないかと。そういう単純な日常をこなすには愛してなくてもスイートハートとかダーリンとか言葉にすることがもう演技になるのではないかなあ。

でも私はこのテーマを突きつけられてもそれほどショックではなくて、なぜかと言いますと、昔フランス映画見てた時に、恋愛至上文化なので「愛は創造するもの」と何かで読んだんですね。創造するもの=アートじゃないですか。努力しないとできないこともあるし努力してもできないこともある。一つ一つ形が違う。エイミーが夫のもとに戻ったのは「まだこの男と何かを形作って行こう」と決めたからで、あれでも愛だと私は思うのです。

映画ゴーン・ガールは誇張してるので高校時代の元彼とのことなんてほぼスプラッタコメディーとしか思えないですけどね。

ところでゴーン=Gone、単純なタイトルの意味は「失踪した女」ですけど、辞書で意味を調べると「過ぎ去った/見込みのない/盛りを過ぎた/はまっている/(異性に)夢中の」などの意味がありどれも当てはまってるような気がしてくるし、そしてイギリス口語では「妊娠している」という時にも使うとありすごいタイトルだなあと。。。