煉瓦造りで公園に面している部分はカフェという、とってもイギリスちっくな図書館が気に入っています。
公園のベンチもいい感じ、ここは日本〜ってことを一瞬忘れます。
実は、調べてみたら、約100年前に建てられた目的は軍部の倉庫、つまりは武器庫・・・集中権力あるところに文化は残る・・・というわけですね。
カフェでランチをするために来たのですが、せっかくなので本体の図書館も見学したら、ドナルド・キーンの年表やら蔵書コーナーやらやたらに目に付くので何なんだろう?と私でも名前くらいは知ってるが・・・と展示を読んで訳がわかりました。
ドナルドはドナルドでもアヒルではなく日本文学の第一人者であり、日本に帰化し、2018年に亡くなるまで近くにお住まいだったので、この図書館に故郷のNYはブルックリンの家からも蔵書を取り寄せ寄贈されたとのことでした。しかも本人の意向で仕舞い込むのではなく区民が手に取って読める開架式で展示されています。いい人だったのですね〜!
同じ町内にそんな尊い人が住んでいたと知り、少し調べたら、なんと!先月薔薇を見に行った「旧古河庭園」が大好きでそこに住みたいとその庭園の緑を見下ろすマンションにお住まいだったと・・・そして私が引っ越して初めて歩いた時「下町は下町でも今まで住んでた所よりディープだ・・・」と夫と感慨に耽った地元のレトロ商店街にもよく買い物にいらしていたと・・・
ドナルド先生は「下町だけど美味しい洋菓子店が2軒もある」と文京区からここに引っ越すことを反対した周りの人に言及したらしいのですが、多分1軒は私もお気に入りのあの店かもしれないと思いあたったけど、もう1軒は見当がつかずそれが気になって仕方ありません!
日本に住み着く元外国人というと、日本人と結婚しているというイメージがあったのですが、ドナルドさんは生涯独身だったそうで、現在キーンの名を継いでいるのは養子縁組された日本人男性とのこと。そういうこと・・・。
今までは教科書に出てくる文部科学省推薦、NHK、みたいなイメージすぎて思い切りスルーしていたのですけど、急に身近に感じて著書の1冊でも読まねばなるまい・・・とイギリスの煉瓦から始まり日本文学で終わった1日でした。
ほんと、なんて素敵な図書館なんでしょう。同じ「カフェ併設」でもイマドキの「ツタヤ図書館」とはえらい違い、これが真の「文化」ってヤツですね。うらやましい。
>「下町だけど美味しい洋菓子店が2軒もある」
それはめちゃくちゃ気になりますね。どうか残る一軒も見つかりますように!
この方は3.11をきっかけに日本国籍を取られましたね。そして、そういうことです。
日本文化に触れた最初が源氏物語だそうです。スーパーイケメンを巡る宮廷小説のイメージですが、想像ではなく実際その宮廷に身を置いている人がリアルタイムで描いているので周囲の人は(天皇を含めて)続きが読みたくて仕事が手につかなかったと思います笑 とんでもなくすごい作品です。
この方が三島由紀夫に対して負った後悔?の気持ちも日本を離れがたくしたのかなと想像します。
遠いのでなかなか足を伸ばすことがないですがこういう施設があることを知って良かったです。書道の検定試験で数回そっち方面に行ったかも…
>>イマドキの「ツタヤ図書館」
わからず調べてみたら「貸出よりも滞在時間」に重点をおいたサービスと出てきて、当日の私かい?!って思っちゃいました。次回はドナルド先生の著作を借ります借ります!
>>残る一軒
当面の人生の目標に掲げます!
ドナルド・キーン先生をご存知だったのですね、著名な方ですから知らなかった私の方がダメすぎですけど・・
>>三島由紀夫に対して負った後悔
助けられなかったと思っているのでしょうか。三島に関する著作もあるみたいですね。
源氏物語は、今で言ったら英国王室ドラマ「ザ・クラウン」の元祖みたいなものかもw やんごとなき世界は面白すぎです。