東京・新国立劇場で開かれた演劇講座「テレンス・ラティガンの世界」へ行って来ました。
上演中のラティガン作品「ウィンズロウ・ボーイ」と同じ舞台の劇セットにての講演でしたので、無料で参加できるのに大道具を見ることできるよい機会でした。
講師の広川先生は演劇/映画研究家だけあり、「ベネディクト・カンバーバッチは現在英国で1番の人気俳優です」「彼はBBC製作のラティガンのドキュメンタリーの進行役も務めました」「上映中の映画『イミテーション・ゲーム』にてアラン・チューリングを演じています」と、最新情報にも詳しく、またお話もユーモアがありとても楽しめました。
ラティガン作風とは、私の汚いメモにも書いてありますが、「もの言えぬ愛」を主題にしているとのこと。
そしてそれは、作家自身が、禁じられた時代に同性愛者であったことから、公にできない感情や関係の昇華であった、とのことです。(それで「イミテーション・ゲーム」に言及)
せっかくなのでパンフレットをブログに保存しておきます。写真はクリックで拡大になります。
最後のページに、ラティガン劇と同時代の劇の年譜が出ています。その下の方を見ると、1966年にはトム・ストッパードの「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」が出ていて、ラティガンはそれよりも後、1977年まで劇を書いていたのですね。そう考えると今まで前時代の劇作家というイメージを抱いていたのですが、ストッパードが現役であることで、ラティガンに親近感を持ちました。
再演でベネディクトが出演した「ダンスの後で」は、主人公がひとりの時と回りに人がいる時で、ピアノで弾く曲が変わるという演出だそうです。表向きの顔を明るいジャズの曲「ダイナ」で、内面をショパンの内向的な曲で表していると・・・本気で見たいなあ!
私が1番見たいと思ったのは、1番下欄外の2本です。
「ニジンスキー」(ニコラス・ライトがラティがンの未発表の映画脚本を舞台化)
「心の色を隠す術」ラティガンを主人公にした劇(ジャイルズ・コール作)
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