Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

最後の砦ローズ・タイラー

2014-07-18 19:33:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
(今日の日記は本当にごめんなさいって言うくらい個人的な内容です・・・・)

日本での一般的なイギリスのイメージというと、ロンドンオリンピックの開会式でダニー・ボイルが提示した労働者階級の文化ではなく、未だに彼が払拭したかった上流階級のものでしょう。

仕方ないと思う。私だって、21世紀になって、東京からロンドンに引っ越して住む所を探した時、できればヴィクトリアンやエドワーディアンの建物の、暖炉なんてあったりする、いかにもイギリスって家に住みたいと思ったもの。年代物の家にモダンなインテリアを置いたりしたかった。

しかし誰もがそう思うので、古い家は人気があり家賃も高いです。それはフラットでも同じ。では、そんなに家賃が払えない場合どこに住むかというと、ロンドン中心部なら、4階建て以上の公団か、道に沿って何10軒も連なったテラスド・ハウスが庶民の家。

ありとあらゆる物件を見た結果、「これだけは避けたい」と思ったのが、日本風に言うと大規模な公団で、大体そういう家は付近一帯がガラがよろしくありません。労働者階級のイギリス人か移民ばかりで、道とか建物のまわりは子供やティーネイジャーがたむろして、ゴミが散らかり、壁にはラクガキ。そう、21世紀のドクター・フーの最初のコンパニオン、ローズ・タイラーが母と住むところみたいな!



この写真はまだキレイな方

しかし背に腹は代えられず、ロンドン滞在6年間で短期滞在も含めると6カ所のフラットに住んだうち、3カ所はそんな感じでした。それでも住めばご近所さんとも話をするし、子供が幼稚園に入ればママ&パパ友ができる。移民だとこっちもそうなのですぐに打ち解ける。イギリス人もお金のあるなしではなく、教養がある(と自分で思っている)人は移民にもフレンドリーだ。あとお年寄りもけっこうフレンドリー。

1番接点ないのが教養のない労働者階級のイギリス白人で、彼らの見かけはローズ・タイラーとそのママなんです。ドラマでもローズはchav/チャブと呼ばれていたけど、2000年代に現れた男も女もフードつきのスエットを着てダボっとしたジーンズを腰履きして自己主張する労働者階級の若者のこと。おしゃれに敏感なので、ローズがドクターと出会った職場が高級デパート(ボンド・ストリートのFenwickがモデルだと思う)なのも説得力があった。スエットやベロアのスーツもすごく流行ってたけど、ローズのママが着てますね。

だからローズを最初見た時、私の貧乏ロンドンの象徴が現れた気がしてビクッとしました。それでも物語が進むにつれ、彼女のちょっと舌ったらずなコックニーも可愛いと思えた時、私のロンドンの最後の砦が崩れたような気がしました。

ベネディクトの「シャーロック」で、単なる日常だった現代のロンドンもドラマチックたりえるんだ、と目からウロコが落ちたけど、まだまだシャーロックはポッシュだった。今度は「ドクター・フー」のローズが困難に立ち向かうのを諦めたママやボーイフレンドに「ドクターならLet's try!って言うわ!」って叫んで、私も胸が熱くなって感情移入した時、チャブの子も同じ人間なんだ!と思えたのです。

ドラマ製作側にしてみれば、ローズをイギリスで一番人口の多い庶民の代表として登場させ、古の長寿番組の新シリーズとして新しい視聴者をガッチリ掴みたい、というような意図だったのかどうか知りませんけど、とにかく極東に住む私の目からウロコを落とそうだなんて思っていないことだけは確かです。向こうにしてみれば極東の人間も同じなんだ、ってびっくりでしょう・・・



Electric Cinema: How to Behave

2014-07-15 20:46:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
実はBurlesque Fairytalesの方に書こうと思っていたのが、懐かしいこの映像でした。



現在も稼働している映画館でロンドン最古のElectric Cinemaのマナームービーで、その名も「How To Behave(2012)」です。ハンフリー・ボガート役のベネディクトとローレン・バコール役のナタリー・ドマーが主役で。こちらも少し昔の映画館の客席が舞台となっているので、Burlesque Fairytalesと記憶が混じりがちだったのですよねえ・・・。

自分が東京の映画館に行って、「ノーモア映画泥棒」と言われるたびに、「どうせならHow To Behaveみたいないいもの見せろノーモアカメラ男!」と心の中で叫んでいたんです。

でも、ロンドンでも、このノッティン・ヒルにあるElectric Cinemaでだけ、すべての公開映画の前にこの映像が流れるとのこと。劇場のように美しい映画館で、粋な計らい・・・ぜひ一度そこで映画を見てみたい。カシミアの毛布にくるまってゴージャスなソファでドーナツもぐもぐしながら・・・とサイトを見てみましたら、

7/27にベン・ウィショーのLiltingを上映すると-!


おばちゃん、その役かわって~!!美少女や美青年でなくてもウィショー君と踊れるなんて、私も女優を目差せばよかった~~

7/17追記 おばちゃんなどと気安く声かけちゃいましたが、Queen of Asia CinemaとよばれるCheng Pei-peiさんだそうで・・・美少女か美青年か女王じゃないとウィショー君と踊れないのか。


Burlesque Fairytales

2014-07-14 21:10:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
カンバーコレクティブの看板は下げておりませんよ。最近、ファンも増え、プレスもお金になると知ったようで、自ら探しに行かなくてもネットに漕ぎ出せばベネディクト情報&萌えが溢れ、なんとなくそれを眺める日々でした。

Burlesque Fairytalesは、写真や予告編で、暗闇に浮かぶシャンデリアとベネディクト、ドレスアップした人々、幻想的な日本の舞踏シーンなどがステキだなと思っていました。オンラインレンタルで視聴可能になりましたが、そのうちDVDが出たり劇場公開もあるのでは、と思って数ヶ月。

まゆみさんに「ベネディクトが普通のお父さんを上手に演じています」とのコメントをいただきました。ああ!正直言って忘れていました・・・・ベネディクトの作品は見るもの見ちゃった、と過信していたコレクティブの襟を正してレンタルしました。まゆみさん、わざわざどうもありがとうございます。情報も楽しいけれど、演技を見ることが何よりのコレクティブの幸せです。


Burlesque Fairytales(2009)IMBbによると、 低予算のインディー映画。2010年にUS、カナダ、UK、ヨーロッパのフィルム・フェスティバルにて上映されたとのこと。タイトルですが、Burlesque=シェイクスピアなどの正当劇のパロディや茶番、Fairytales=おとぎ話、童話、という意味です。

24時間オンラインレンタルはコチラ
支払いはクレカまたはペイパルでUS7ドル
字幕なし

IMBb掲載程度の紹介:

舞台は1930年代のロンドン、Chapel Theatreに集まった20人程度の人達。なぜかどうやってそこに集まったのか皆はっきりと覚えていないが、これから何かを鑑賞するのだとは知っている。ベネディクトは3人の子供のパパです。出し物が始まり司会者が舞台に。あら、カーソンさん!・・・いえ失礼、ジム・カーターさんではないですか。ダウントンの館の執事の。この方に案内していただき、オムニバス形式の短編ファンタジーのお芝居やダンスを見ながら、休憩時間には観客の現実の会話を見てどういう人達なのかをかいま見ていきます・・・



ベネディクトは、まゆみさんのコメントどおり「お父さん」役で、服装や話し方、物腰、態度から察すると上流か中上流の、真面目で家族思いの男性に見えました。台詞もそれほど多くないけれど、不意の出来事に対処しながら子供達を守る素敵なお父さんでした。



“低予算のインディー映画”から連想する、日常っぽさや、手作り感覚はまったくなく、むしろ劇場の内装も登場人物の服装もクラシックでおしゃれ、ファンタジー部分の映像もロケや舞台美術が美しく、大勢のエキストラや大規模セットを使わなくても、低予算と言われなければそんなこと全く気づかない仕上がりだと思いました。

そしたら、The Bath Chronicleの記事を見つけて納得です♪

この作品によって脚本/監督デビューしたSusan Lucianiさんは、新聞やラジオで俳優や監督を取材する仕事を経て、「ナルニア国物語」でヴィジュアル・エフェクツ(視覚効果)コーディネーター、「ダヴィンチ・コード」「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」「銀河ヒッチハイク・ガイド」などでQ出し(いわゆるカチンコ)や撮影セット部門で働いていた人です。「大作は、巨額の予算なしにはなし得ない仕事でもあり得るけれど、Burlesque Fairytalesは映画を作るのはお金ではなく人間だということを証明しました。」とのことですよ!(経歴は私が調べて付け足した部分もありです)







さて、
以下ネタばれにつき小さく書いておきます。読みたい方だけ拡大してください。あっ、スマホの方は下に行かないでね。
もうこの映画を見た人は、ついでですのでお読みください。



 
                ↓







カーソンさんに見せてもらうパフォーマンスは全部で5つ。ひとつ終わると、それぞれに感情的になってしまう観客が出ます。それもそのはず、最後にわかるのですが、この劇場に招待されたのは戦争ですでに亡くなった人達の魂。この劇場は生前の罪を償う煉獄(れんごく:ローマカトリックにおいて、死んだ時に苦行を受けるための場所)、パフォーマンスは各自に神から与えられたメッセージだったのですね。各自の罪の購いの最後のチャンスだったというわけです。煉獄なんて難しい単語を私が知っていたはずがありません。こちらのサイトで知りました。
・・・・じゃあ、カーソンさんは天使なんですね♪



またまたベイカリー

2014-07-12 19:50:00 | たべもの
またまたMornington Crescentの時々ベイカリーに行って来ました!
昨日もStaceyさんのビスケットやパイをもぐもぐしていたというのに、それはそれ、これはこれですから。(笑)それと言うのも、毎日じゃなくて「時々」しかやってないと思うと「この日を逃すと次はいつ食べられるか」というハングリー精神が沸き起こってきてしまうんですよね・・・



しかし今回は、近くの聖心インターナショナルスクールにてのバザーが先に始まったので、その後タクシーでベイカリーに行ってみたら・・・・12時頃、お店の外まで列が出来て・・・?!先週の木曜日NHK「グレーテルのかまど」にStaceyさんとレモンパイが出た影響もあるのかなぁ。しかし、庶民のくせに広尾から麻布までタクシーで乗り付けちゃったんだから、もう後には引けまい。

「ケーキが全部なくなったらどうしよう~?!」の不安と暑さの中待つ事1時間半、買えたのが上の5種類です。

小さくて丸いのがフェアリーケーキ レモンカードとバタークリームのトッピング
その右 コーヒーと胡桃のケーキ
その下 キャロットケーキ
ホワイトチョコレートのトッピングはアプリコットとペカンナッツのマフィン
チョコレートのトッピングはレーズンと胡桃のマフィン

(フェアリーケーキはもっと美人さんだったのが、ケーキを持って渋谷を歩き回って地下鉄の強風にも吹かれたら、頑張って水平を保ったつもりだったけどやっぱり潰れてしまいました(涙))

お店のディスプレイに解説がついてました。

『アメリカからカップケーキが来るまでイギリスではフェアリーケーキというこの小さなケーキがメジャーでした。子供が初めてのベイキングをするのも、このフェアリーケーキです。』

うん、今でもスーパーのケーキの棚には、色とりどりのフェアリーケーキが箱入りで売られていて、子供に人気のキャラクターの写真や絵がケーキにのせてあったりします。uk密林でベネディクト・カンバーバッチのファエリーケーキ用デコパーツを売ってたりするのにはそんな背景があったりするのです。そんなこと知っていても何の役にも立ちませんが・・・


これね、食べられるんですよぅ!!!



ところで今日聞いたのですけど、Staceyさんはこのブログを読んでくださったみたいで・・・なんとお恥ずかしい!!
ベネディクトのシールを貼ったりしなければ恥ずかしくないのに、やはりコレクティブとしてはただでは終われないのが謎の使命感。(どうして私のブログだとわかったのかしら・・・)