某廉価焼肉チェーンで起こった食中毒連鎖。
あれ以来、牛肉の生食、例えばユッケや生レバーが普通には食せ無くなりました。
しかし、こっそりと生肉をお出ししている店もあったかと聞いています。
「食文化を壊したくない」という店側の気持ちも解りますが、危険な賭けです。
そして、何が危険かと言って「肉そのもの」は当然ですが、もっと危険だな、と思ったのはお客様の言動です。
丁度その頃から盛んになってきたSNSで「あそこの店は厚意で生レバーを出してくれた」「シェフが知人なので内緒でユッケが出てきた」などと書いてしまう人が散見されました。
これでは「厚意」でも「こっそり」でもありません。
また出す側も「こっそり言って頂ければお出しします」的なことをアップしている人もいました。
「こっそりなら良いのか?」ということでもありません。
こういうことはバレるし、遺恨を残します。
さて、現在では「隠れ時短逃れ」がそれに繋がります。
「うちは財政上、時短できませんので営業します」と堂々と宣言しているお店はある意味、筋が通っています。
現状の補償では止むを得ない事とも承知しています。
しかし、「明かりを消して」「シャッターを下ろして」「こっそりと」「カード清算だけ20時までに済ませて」などを「厚意で」している店に行かれた方が結構な割合で「シェフの厚意で」「知人がお馴染みなので内緒で」と嬉々として書かれていますし、外でも話しているのです。
お店側の事情は私には判りませんし、それをヤイヤイいうつもりはありませんが、「こっそり」とか「シャッターを下ろして」とかしているのは協力金を申請するための措置だろうと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、そういう事がチェックに掛かる=バレると「時短協力金」が一切貰えなくなるのです。
つまりお客様は「厚意を仇で返した」ことになりますし、店は大きな損をする=負の連鎖に繋がります。
協力金を不正に得ることを助長するつもりはありませんが・・・・
難しい話です。
ただ・・・・・・・
そむりえ亭は「こっそりと」も「会計だけ先にして」も「ワインを先に沢山並べといて」もお受けしていません。
ご了承くださいまし。
樋口誠