つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

武士の家計簿

2011年01月15日 | 映画
娘と「武士の家計簿」を観に行った。

観客の年齢の高さにちょっと驚いた。
どう割り引いてみても、70代ではなかろうかという年配のご夫婦や
お友達どおしの方が会場を埋めていた。
うちの娘が大分平均年齢を引き下げているなあと感じた。
いいことだ。年配の人が映画館に足を運びたくなる映画もあるということだ。

堺雅人が素晴らしかった。
草笛光子、松坂慶子も秀逸だった。

堺雅人と仲間由紀恵の婚礼の様子が、決してきらびやかであったり、華やかであるわけではないのに、
お雛様を見るようだった。ひな人形のあの様子は「宴」の様子なんだなあと、
この年になって初めて雛祭りの楽しさ幸福感を思った。

そろばん侍と呼ばれた下級武士の生活。
それでも「おさむらいさん」の生活はやはり尊敬するに値するものあったのだろうと感じた。
今で言ったら小学校に上がるか上がらないかの子どもに、家の家計簿をつけさせて、やりくりを任せるなど
わが子育てを振り返っても、この親の腹の据わり方は尋常ではない。
子どもが死んでも仕方がないというぎりぎりのしつけをしている。圧巻だ。
死ぬほど怖い思いをした子どもは簡単には死なないのかもしれない。
今、いじめや不登校で悩む子どもたちに考えることは「死んではいけない」ということだ。
そこまでに至るまでに腹くくって子どもと向き合うことをすべきなのかもしれない。

そろばんで身を立てることに疑問を持つ子どもが祖父にその胸の内を話す場面がる。
順序立てて話される、このころの「家を継ぐ」ということの考え方がずしんと身にしみた。
生計を立てること。家を守ること。
今、私たちはそういうしがらみに縛られなくなってきたが、本当にそれでよかったのか。
あの身分制度の時代にはいろいろ問題があったけれど、今、私たちが手にしているこういう生き方も、
負けないくらい問題が多い。きっともう少し方向が違っていたのだろうなあと感じた。

この映画、もう一度観たいと思う。
そういう繰り返しの鑑賞に堪える作品だろう。
コメント
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