つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

インドの友達

2014年01月08日 | 徒然に、

亡くなった姉には長い付き合いの友人が何人かいた。

その中の一人に変わり種がいる。

38年前、姉は友人とインド旅行に出かけた。1週間か十日ほど、パックツアーで行ったはずだと記憶している。

お決まりの観光地を回り、お決まりの食堂に入り、お決まりの土産物屋に行って・・・・という旅行だったはず。

その土産物屋の売り子をしていたインドの青年と住所を交換してきた。

そのあまりよくない方のインドのイメージから、始めはおっかなびっくりだった。

そのうち日本人では考えられない行動をその相手がとった。

何しろ貧しかったらしい。手紙を出すのに切手代も事欠くような状況だったようだ。

ところが彼はあきらめなかった。店に来た客と仲良くなり相手が日本人とわかると、

その人に姉宛ての手紙を言づけたのだ。

手紙だから間に入った日本人も気軽に引き受けてくれて、

日本のいろいろな消印を付けた彼からの手紙が届くようになった。

少したってお金に余裕ができると、今度は贈り物が届くようになった。

今度も方法は同じ。相手は学生さんだったり、スチュワーデスさんだったり、

届かなかったものもあったようだが、

8割方の人は土産物屋のインド人の頼みごとをかなえてくださった。

彼はその後本当に頑張ったのだと思う。まっとうな商売をして、家族を養うまでになり、

来日も何度かするような仕事をしている。

何度めかの来日の時、通訳代わりにまたどこかで知り合った日本人を連れて東京の家にやってきたように思う。

細いけれど長い長い日印友好関係が、姉と彼との間にはあった。

姉が遺したものの中には、箱いっぱいになったその彼からの手紙があった。

本当はほっておこうかと迷ったが、迷ったうえで、お知らせした。

そして、長い返事が届いた。

英語と日本語と、ありったけの思いが伝わってきた。

彼曰く 「人は何も持たずに生まれてきて、死ぬ時も何も持たずにアラーのところにいきます。

アラーはあたたかく迎えてくれます」

そして、最後に私のことを妹と呼んでくれています。なんかくすぐったい不思議な思いがわいてきました。

ありがとう。

 

コメント (2)
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