久しぶりに合同展示会「Gold Rush」を覗いてみた。地場メーカーが中心になり、
数年前から中州のグラナダコートで開催されている。IFFやフロンティアと違って
会場がパーティ用のスペースだけにゆっくり商品をみることができるのがいい。
反面、小売りの売上げ不振でバイヤーは売れ線狙いやシーズン仕入れに傾いてい
るせいか、客足は芳しくない。業界紙の報道では「結構、盛況だ」そうだが、会場
を見る限りではにわかに信じ難い。最近は東京や関西のメーカーも参加し規模は大
きくなっているものの、ブースを訪れるバイヤーがなく手持ち無沙汰の営業スタッ
フを見ると、かわいそうに思えてくる。
自分から見て「コレはいい」と思う商品が結構多いのに、バイヤーの立場で見る
と、「クセのあるデザイン」は万人向けせずやはり売りにくいのだろう。メーカー
や卸しにとっては全く受難な時代になってきた。
営業の現場がそうだから、企画やデザイナーにとってはもっと大変だ。千駄ヶ谷
のマンションメーカーでバイトしていた時は、2ヶ月に1度くらい全国の専門店か
らバイヤーが事務所の一室に集まり、社長と営業と企画が車座になって生地サンプ
ルとスタイル画を見せながら「こんな商品どう」と言うと、「いいねえ~」「お洒
落じゃん」というやり取りがあった。企画スタッフやデザイナーの目は輝いていた
し、営業スタッフも受注がとれると生き生きしていた。
バイヤーも「コレって思う商品」は惜しみなく付けていたし、リスクを踏んで売
り切る自信をもっていた。それはお客さんにも服に対するこだわりがあったからだ。
だから、今より少ない回数の展示会でもメーカーが思い思いの商品を企画し、ある
いはデザイナーが自由に発想したサンプルをド~ン集め、「どんなもんだ」という
ような展示会が開けていた。
ところが、今は小売りは在庫リスクを恐れて思い切って付けないし、メーカーも
売れ筋中心の企画で、期中オーダーや追加フォローの営業スタイルに変わってきて
いる。これでは中々デザイナーがクリエーションを発揮しようにも、チャンスさえ
少なくなっているように思う。
逆にデザインの勉強など全くせずに、ファッションが好きと言う理由で業界に入
り、企画にまわるとヘタウマのスタイル画でメーカーにサンプルを作らせ、それを
短期で生産する商品の方が売れて行く。生地の質感や着心地なんかどうでもいい。
見た目で「カワイイ~」く、ブランドロゴさえ入っていれば、売れるのだ。
最近はネットの卸サイトも増えてきているので、そのうちコストと時間に制約さ
れる「展示会」なんて必要ないという意見が出始めるかもしれない。その割にチー
プなアジア生産の服を二流のタレントやB級モデルに着せたファッションショーは
花盛りだ。これがマーケットの現状と言えばそれまでだが、あまりにさみしい。
数年前から中州のグラナダコートで開催されている。IFFやフロンティアと違って
会場がパーティ用のスペースだけにゆっくり商品をみることができるのがいい。
反面、小売りの売上げ不振でバイヤーは売れ線狙いやシーズン仕入れに傾いてい
るせいか、客足は芳しくない。業界紙の報道では「結構、盛況だ」そうだが、会場
を見る限りではにわかに信じ難い。最近は東京や関西のメーカーも参加し規模は大
きくなっているものの、ブースを訪れるバイヤーがなく手持ち無沙汰の営業スタッ
フを見ると、かわいそうに思えてくる。
自分から見て「コレはいい」と思う商品が結構多いのに、バイヤーの立場で見る
と、「クセのあるデザイン」は万人向けせずやはり売りにくいのだろう。メーカー
や卸しにとっては全く受難な時代になってきた。
営業の現場がそうだから、企画やデザイナーにとってはもっと大変だ。千駄ヶ谷
のマンションメーカーでバイトしていた時は、2ヶ月に1度くらい全国の専門店か
らバイヤーが事務所の一室に集まり、社長と営業と企画が車座になって生地サンプ
ルとスタイル画を見せながら「こんな商品どう」と言うと、「いいねえ~」「お洒
落じゃん」というやり取りがあった。企画スタッフやデザイナーの目は輝いていた
し、営業スタッフも受注がとれると生き生きしていた。
バイヤーも「コレって思う商品」は惜しみなく付けていたし、リスクを踏んで売
り切る自信をもっていた。それはお客さんにも服に対するこだわりがあったからだ。
だから、今より少ない回数の展示会でもメーカーが思い思いの商品を企画し、ある
いはデザイナーが自由に発想したサンプルをド~ン集め、「どんなもんだ」という
ような展示会が開けていた。
ところが、今は小売りは在庫リスクを恐れて思い切って付けないし、メーカーも
売れ筋中心の企画で、期中オーダーや追加フォローの営業スタイルに変わってきて
いる。これでは中々デザイナーがクリエーションを発揮しようにも、チャンスさえ
少なくなっているように思う。
逆にデザインの勉強など全くせずに、ファッションが好きと言う理由で業界に入
り、企画にまわるとヘタウマのスタイル画でメーカーにサンプルを作らせ、それを
短期で生産する商品の方が売れて行く。生地の質感や着心地なんかどうでもいい。
見た目で「カワイイ~」く、ブランドロゴさえ入っていれば、売れるのだ。
最近はネットの卸サイトも増えてきているので、そのうちコストと時間に制約さ
れる「展示会」なんて必要ないという意見が出始めるかもしれない。その割にチー
プなアジア生産の服を二流のタレントやB級モデルに着せたファッションショーは
花盛りだ。これがマーケットの現状と言えばそれまでだが、あまりにさみしい。