4月20日(土)、熊本市で「KUMAMOTO 2019 TOKYO GIRLS COLLECTION」(以下TGC熊本)が初開催される。イベントの企画制作にあたる「W TOKYO」は、2009年から地方開催にも力を入れており、熊本地震からちょうど3年を迎える今年は、当地での開催もベストなタイミングと言える。
「震災復興」や「地域活性化」が開催の大義になるとは言え、W TOKYOは震災の前から熊本市に開催を打診(営業)していたのは間違いない。筆者が付き合いのある地元ファッション関係者は昨年、ヒアリングした際に「平成29年の正月明けには地元メディアが報道したから、水面下ではかなり前から話が進んでいたと思うよ。復興や活性化は後付けの理由かもね。まさか地震が発生すると思わないし」と、語った。
平成29年の正月と言えば、熊本地震からわずか10カ月後だ。まだまだ仮設住宅も満足に整備されていない時期にイベント開催の報道が出るのは、震災前からお膳立てはできていたのを裏付ける。28年の10月9日に開催された「TGC北九州」では、「熊本地震の復興応援ステージ」が設けられ、観客向けのビデオメッセージで大西一史熊本市長は、「熊本でもTGCが開催できれば」と語っている。その報道を見た筆者は熊本開催も有り得るなと感じたが、今考えると自治体サイドではすでに既定事項だったようだ。
昨年8月には、主催の東京ガールズコレクション実行委員会と、共催の熊本市、TGC熊本推進委員会の間でイベント開催の正式な調印が結ばれ、開催概要が発表された。会場は熊本地震で被災した益城町のグランメッセ熊本。関連企画ではショーに出演する「一般モデルのオーディション」「地元の学生と連携したステージイベント」などもあり、計画は着々と進行していたことがうかがえる。
TGC熊本の推進委員長には、この4月に熊本商工会議所の会頭となった久我彰登鶴屋百貨店社長が就任している。協力団体には「熊本市中心商店街等連合協議会」が名を連ねたものの、地元のファッション事業者が特に関わるような部分はなく、関わったからと言って「商品のプロモーションになる」ということでもない。
筆者がアパレル時代から知るショップ経営者は、概要発表の直後に「ガールズコレクションはタレント見たさにお客が集まるだけだろ。モデルが身につけるファッションはどうでもいいとは言わないけど、服や靴そのものを見に来るものではないからね。ほとんどが東京なんかのSPAブランドでしかない。観客がショーの後にうちのようなショップの商品を買ってくれるわけでないし」と話し、冷めた見方をしていた。
実際、TGCはF1層を対象にした客寄せ興行だから、とにかく観客動員を図らないと、イベント自体の存続は危ぶまれる。大都市を中心に開催していれば、出演タレントを替えるだけではマンネリ化は否めない。そこでW TOKYOはローカルシフトを行うことで、地方でまだイベントを見たこともがない層から、ファン客の掘り起こしを狙っているのだ。
一都、二府の他、政令市をもつ県を除けば、まだまだ38もの県に開催の余地は残されている。ただ、ジャニーズのコンサートのように圧倒的なファンクラブ会員に支えらているわけでないため、どうしても自治体の協力=公共事業化=税金による支援や地元商工会などのバックアップが欠かせない。
そのためには開催の「大義」が必要になるが、主催者側は開催できればそんなものは何でもこじつければいいわけで、熊本場合は「震災復興」や「ファッションの街、復権」ということになる。また、総花的でやや陳腐化した「地域活性化」についても、1万人もの若者を集客できれば、 極めて不確かながら「にぎわいを創出した」「経済波及効果◯億円」という結果報告ができ、自治体としても公共事業化、公金利用の説明はつく。
一方で、TGC熊本は熊本商工会議所を中心とする推進委員会、推進委員長である鶴屋百貨店の久我社長が主導しているため、地元のファッション事業者には取り立てて協力してもらう必要もないのである。
先のファッション関係者は、「鶴屋の社長がTGC熊本の推進委員長を受けたのは、商工会議所の次期会頭と言われていたこともあると思うよ。それでなくても、地方の百貨店は厳しい経営状態におかれているからね。イベントをきっかけにブランドリーシングを狙っているのかも。伊勢丹や阪急がTGC系のコーナーを作ってヤングを集客できただろ。鶴屋もそれをやりたいんじゃないの」と、鶴屋がTGC熊本に前のめりになるのは地方百貨店の苦境を表しているとみる。(鶴屋は2018年の売上げが前年比で0.93%増だったが、苦戦に変わりない)
「地元の学生と連携」した関連企画では、熊本大学文学部の学生たちが昨年9月から「ファッションによる地域の活性活性化」を目指す企画立案、実現に向けて準備を開始している。10月にはプレゼンが行われ、久我推進委員長、W TOKYOの辻本優一地方創生プロジェクト管掌役員らが審査に当たっている。めでたくプレゼンに勝った企画は、「不用品や廃材をリサイクルし、付加価値をつけた製品を生み出すアップサイクルのファッションコンテスト」とか。
TGCはあえて「リアルクローズ」の祭典ということわりを設けており、デザイナーをはじめ、ファッション専門学校の学生が創るようなクリエーションは、端から蚊帳の外におかれている。だが、彼らよりはるかに偏差値が高い国立大生の企画と言っても、所詮ファッションや服飾製造についてはずぶの素人だ。
しかも、素材研究なんかを行っている工学部ならともかく、糸へんなど全く無学な文学部の学生である。不用品や廃材のリサイクル素材への転用はもちろん、デザイン技術どころか服や雑貨を作る造形力、ハンドメイドの技もなければ、まして製造の知識や委託先の情報など皆無のはずだ。自分らはもの作りの詳細を知らないのに、それを人に作らせてコンテストするというのも、あまりにバカにしたような感じだ。
昨年の10月のプレゼン時点では、「実現化できるかどうかを検討していく」とのことだったようだが、イベントまで20日を切った今、どんなアイテム、製品を作らせたのだろうか。
ただ、イベントがショーを中心とした客寄せ興行であるので、リサイクルプロジェクトのような堅めの企画がステージに馴染むとは思えない。リサイクル製品は素材や形をじっくり見ないと、背景にある考え方やエコに対する啓蒙が見る人には伝わらない。ランウェイ上でたった数十秒のウォーキング中に、観客にそれをわかれと言ってもどだい無理な話なのだ。
まあ、イベントの初めから終わりまで、キャストがウォーキング、観客がスタンディングで、ずっとテンションマックスというわけにはいかない。それに間延びしがちなイベントの尺を埋めるため、どこかにインターバルを設けてスポンサーを紹介したり、こうしたプロジェクトのお披露目をするコーナーはあるはずだ。会場の一角にもリサイクル製品を展示し、来場者が投票するという試みもあり得るが、それにしてもタレント見たさの観客にどこまで国大生の企画が伝わるかは疑問だ。本体なら、違う場所でやるべき企画なのである。
TGCの開催では、自治体や推進委員会が開催・運営に協力し、地域活性化という大義のもとに公金拠出による支援を行うことから、「地元色出す何らかの企画が不可欠」なことはわからないでもない。ただ、客寄せ興行というイベントと、リサイクルプロジェクトは目的も次元も違う。それを無理矢理はめ込もうとするところに、イベントを地域活性として正当化=継続しようという主催者側の思惑が見え隠れする。
今回、「後援」というかたちで支援する熊本県は、震災復興や地域活性だけでは不十分と見たのか、別の大義も加えているという。
知り合いのショップ経営者は、「県庁にいる友人は熊本県はTGCを開催する目的に若者・女性が活躍する社会創出で、街づくり<、人づくり、仕事づくりも掲げていると言ってた。観光客が熊本にやってきてカネを落としてくれれば、多少の活性化にはつながるかしれないけど。1日限りのガールズコレクションで人づくり、仕事づくりなんかができるのかって、職員ですら失笑してたよ」と、話してくれた。
被災地では「創造的復興」という言葉が躍っている。しかし、フォーマットが決まった客寄せ興行くらいで、創造があるはずもない。自治体が数々の目的を掲げるのは、「予算執行」の根拠が必要だからだ。熊本地震から丸3年を迎えるのに、未だに仮設住宅で生活している人々は、県内に1万8000人いる。自治体にとっては「税金はそうした人々の生活再建に使うべき」という批判をかわすためにも大義は必要なのである。なおさら縦割り行政なので、 イベントに若者・女性が活躍する社会創出という目的にこじつけ、予算を使い切りたいということだ。
人づくり、仕事づくりの話では、大分市の職員が言っていた「あること」を思い出した。2002年のサッカーワールドカップで、市は大分スポーツ公園に専用グランドを整備した。Jリーグ加盟の地元プロチーム大分トリニータのホームにもなっているが、芝の管理費に年間で3億円もかかるという。
「Smapがコンサートを開いてくれると、機材の設置で芝が傷むのだけど、利用収入が格段にあがる。年に4回ぐらいコンサートを開いてくれないだろうか」
Jリーグでは年間の試合数が50足らずだから、とても管理費用は賄えない。そのため、スタジアムは2006年からネーミングライツを募集し、これまで九州石油、大分銀行が年間7000万円以上で契約している。だが、次の応募企業がなかったことから、19年3月からは5000万円に値引きされて昭和電工が契約したが、管理費にはとても足りないのが実情だ。つまり、利用収入が得られれば、何でもいいのである。
これをTGC熊本に置き換えると、「毎月、ガールズコレクションが開催されれば、地元には会場使用料、ステージ設置、音響照明などの仕事が転がり込むし、地元の人々がショーに出られてギャラがもらえるかもしれない」となる。人づくり、仕事づくりは、そこまでやって可能になるのだ。
まあ、TGC熊本を2〜3回リピートしたくらいでは、人材育成も雇用促進もどだい無理なのは確か。結局、儲かるのは主催者側とタレント事務所、一部の地元メディアであるのは間違いない。次週も熊本のファッション関係者からヒアリングした内容をもとに、裏事情についてもっと突っ込んだ内容に触れてみたい。
「震災復興」や「地域活性化」が開催の大義になるとは言え、W TOKYOは震災の前から熊本市に開催を打診(営業)していたのは間違いない。筆者が付き合いのある地元ファッション関係者は昨年、ヒアリングした際に「平成29年の正月明けには地元メディアが報道したから、水面下ではかなり前から話が進んでいたと思うよ。復興や活性化は後付けの理由かもね。まさか地震が発生すると思わないし」と、語った。
平成29年の正月と言えば、熊本地震からわずか10カ月後だ。まだまだ仮設住宅も満足に整備されていない時期にイベント開催の報道が出るのは、震災前からお膳立てはできていたのを裏付ける。28年の10月9日に開催された「TGC北九州」では、「熊本地震の復興応援ステージ」が設けられ、観客向けのビデオメッセージで大西一史熊本市長は、「熊本でもTGCが開催できれば」と語っている。その報道を見た筆者は熊本開催も有り得るなと感じたが、今考えると自治体サイドではすでに既定事項だったようだ。
昨年8月には、主催の東京ガールズコレクション実行委員会と、共催の熊本市、TGC熊本推進委員会の間でイベント開催の正式な調印が結ばれ、開催概要が発表された。会場は熊本地震で被災した益城町のグランメッセ熊本。関連企画ではショーに出演する「一般モデルのオーディション」「地元の学生と連携したステージイベント」などもあり、計画は着々と進行していたことがうかがえる。
TGC熊本の推進委員長には、この4月に熊本商工会議所の会頭となった久我彰登鶴屋百貨店社長が就任している。協力団体には「熊本市中心商店街等連合協議会」が名を連ねたものの、地元のファッション事業者が特に関わるような部分はなく、関わったからと言って「商品のプロモーションになる」ということでもない。
筆者がアパレル時代から知るショップ経営者は、概要発表の直後に「ガールズコレクションはタレント見たさにお客が集まるだけだろ。モデルが身につけるファッションはどうでもいいとは言わないけど、服や靴そのものを見に来るものではないからね。ほとんどが東京なんかのSPAブランドでしかない。観客がショーの後にうちのようなショップの商品を買ってくれるわけでないし」と話し、冷めた見方をしていた。
実際、TGCはF1層を対象にした客寄せ興行だから、とにかく観客動員を図らないと、イベント自体の存続は危ぶまれる。大都市を中心に開催していれば、出演タレントを替えるだけではマンネリ化は否めない。そこでW TOKYOはローカルシフトを行うことで、地方でまだイベントを見たこともがない層から、ファン客の掘り起こしを狙っているのだ。
一都、二府の他、政令市をもつ県を除けば、まだまだ38もの県に開催の余地は残されている。ただ、ジャニーズのコンサートのように圧倒的なファンクラブ会員に支えらているわけでないため、どうしても自治体の協力=公共事業化=税金による支援や地元商工会などのバックアップが欠かせない。
そのためには開催の「大義」が必要になるが、主催者側は開催できればそんなものは何でもこじつければいいわけで、熊本場合は「震災復興」や「ファッションの街、復権」ということになる。また、総花的でやや陳腐化した「地域活性化」についても、1万人もの若者を集客できれば、 極めて不確かながら「にぎわいを創出した」「経済波及効果◯億円」という結果報告ができ、自治体としても公共事業化、公金利用の説明はつく。
一方で、TGC熊本は熊本商工会議所を中心とする推進委員会、推進委員長である鶴屋百貨店の久我社長が主導しているため、地元のファッション事業者には取り立てて協力してもらう必要もないのである。
先のファッション関係者は、「鶴屋の社長がTGC熊本の推進委員長を受けたのは、商工会議所の次期会頭と言われていたこともあると思うよ。それでなくても、地方の百貨店は厳しい経営状態におかれているからね。イベントをきっかけにブランドリーシングを狙っているのかも。伊勢丹や阪急がTGC系のコーナーを作ってヤングを集客できただろ。鶴屋もそれをやりたいんじゃないの」と、鶴屋がTGC熊本に前のめりになるのは地方百貨店の苦境を表しているとみる。(鶴屋は2018年の売上げが前年比で0.93%増だったが、苦戦に変わりない)
「地元の学生と連携」した関連企画では、熊本大学文学部の学生たちが昨年9月から「ファッションによる地域の活性活性化」を目指す企画立案、実現に向けて準備を開始している。10月にはプレゼンが行われ、久我推進委員長、W TOKYOの辻本優一地方創生プロジェクト管掌役員らが審査に当たっている。めでたくプレゼンに勝った企画は、「不用品や廃材をリサイクルし、付加価値をつけた製品を生み出すアップサイクルのファッションコンテスト」とか。
TGCはあえて「リアルクローズ」の祭典ということわりを設けており、デザイナーをはじめ、ファッション専門学校の学生が創るようなクリエーションは、端から蚊帳の外におかれている。だが、彼らよりはるかに偏差値が高い国立大生の企画と言っても、所詮ファッションや服飾製造についてはずぶの素人だ。
しかも、素材研究なんかを行っている工学部ならともかく、糸へんなど全く無学な文学部の学生である。不用品や廃材のリサイクル素材への転用はもちろん、デザイン技術どころか服や雑貨を作る造形力、ハンドメイドの技もなければ、まして製造の知識や委託先の情報など皆無のはずだ。自分らはもの作りの詳細を知らないのに、それを人に作らせてコンテストするというのも、あまりにバカにしたような感じだ。
昨年の10月のプレゼン時点では、「実現化できるかどうかを検討していく」とのことだったようだが、イベントまで20日を切った今、どんなアイテム、製品を作らせたのだろうか。
ただ、イベントがショーを中心とした客寄せ興行であるので、リサイクルプロジェクトのような堅めの企画がステージに馴染むとは思えない。リサイクル製品は素材や形をじっくり見ないと、背景にある考え方やエコに対する啓蒙が見る人には伝わらない。ランウェイ上でたった数十秒のウォーキング中に、観客にそれをわかれと言ってもどだい無理な話なのだ。
まあ、イベントの初めから終わりまで、キャストがウォーキング、観客がスタンディングで、ずっとテンションマックスというわけにはいかない。それに間延びしがちなイベントの尺を埋めるため、どこかにインターバルを設けてスポンサーを紹介したり、こうしたプロジェクトのお披露目をするコーナーはあるはずだ。会場の一角にもリサイクル製品を展示し、来場者が投票するという試みもあり得るが、それにしてもタレント見たさの観客にどこまで国大生の企画が伝わるかは疑問だ。本体なら、違う場所でやるべき企画なのである。
TGCの開催では、自治体や推進委員会が開催・運営に協力し、地域活性化という大義のもとに公金拠出による支援を行うことから、「地元色出す何らかの企画が不可欠」なことはわからないでもない。ただ、客寄せ興行というイベントと、リサイクルプロジェクトは目的も次元も違う。それを無理矢理はめ込もうとするところに、イベントを地域活性として正当化=継続しようという主催者側の思惑が見え隠れする。
今回、「後援」というかたちで支援する熊本県は、震災復興や地域活性だけでは不十分と見たのか、別の大義も加えているという。
知り合いのショップ経営者は、「県庁にいる友人は熊本県はTGCを開催する目的に若者・女性が活躍する社会創出で、街づくり<、人づくり、仕事づくりも掲げていると言ってた。観光客が熊本にやってきてカネを落としてくれれば、多少の活性化にはつながるかしれないけど。1日限りのガールズコレクションで人づくり、仕事づくりなんかができるのかって、職員ですら失笑してたよ」と、話してくれた。
被災地では「創造的復興」という言葉が躍っている。しかし、フォーマットが決まった客寄せ興行くらいで、創造があるはずもない。自治体が数々の目的を掲げるのは、「予算執行」の根拠が必要だからだ。熊本地震から丸3年を迎えるのに、未だに仮設住宅で生活している人々は、県内に1万8000人いる。自治体にとっては「税金はそうした人々の生活再建に使うべき」という批判をかわすためにも大義は必要なのである。なおさら縦割り行政なので、 イベントに若者・女性が活躍する社会創出という目的にこじつけ、予算を使い切りたいということだ。
人づくり、仕事づくりの話では、大分市の職員が言っていた「あること」を思い出した。2002年のサッカーワールドカップで、市は大分スポーツ公園に専用グランドを整備した。Jリーグ加盟の地元プロチーム大分トリニータのホームにもなっているが、芝の管理費に年間で3億円もかかるという。
「Smapがコンサートを開いてくれると、機材の設置で芝が傷むのだけど、利用収入が格段にあがる。年に4回ぐらいコンサートを開いてくれないだろうか」
Jリーグでは年間の試合数が50足らずだから、とても管理費用は賄えない。そのため、スタジアムは2006年からネーミングライツを募集し、これまで九州石油、大分銀行が年間7000万円以上で契約している。だが、次の応募企業がなかったことから、19年3月からは5000万円に値引きされて昭和電工が契約したが、管理費にはとても足りないのが実情だ。つまり、利用収入が得られれば、何でもいいのである。
これをTGC熊本に置き換えると、「毎月、ガールズコレクションが開催されれば、地元には会場使用料、ステージ設置、音響照明などの仕事が転がり込むし、地元の人々がショーに出られてギャラがもらえるかもしれない」となる。人づくり、仕事づくりは、そこまでやって可能になるのだ。
まあ、TGC熊本を2〜3回リピートしたくらいでは、人材育成も雇用促進もどだい無理なのは確か。結局、儲かるのは主催者側とタレント事務所、一部の地元メディアであるのは間違いない。次週も熊本のファッション関係者からヒアリングした内容をもとに、裏事情についてもっと突っ込んだ内容に触れてみたい。