日々のこと

可もなく不可もなく

『君が夏を走らせる』-瀬尾まいこ-

2022-04-10 20:50:13 | 映画DVD&本


16歳の高校2年生、太田(俺)
小学校時代から、授業をまともに受けず髪を染め教師に反抗・・・・
中学校ではどうしようもない奴に

転機になったのが、中学3年のとき駅伝のメンバーに入ったこと
そこで走ることが好きな自分に気付き、駅伝の練習に夢中になる

その勢いで高校の受験勉強にも取り組んだが、やはり入学できた高校はできの悪い不良ばかりを引き受ける高校
陸上部に入って頑張ろうとしたが、部員は数人いたらしいが誰も出てこない

そしてまた、遅刻早退を繰り返し、ゲームや喧嘩のワルに


そんな高校2年の夏休み、ワル仲間の先輩(俺より3歳上)にアルバイトをやらないかと呼び出される
これが先輩の子供のベビーシッターを引き受けることだった

先輩は駆け落ち同然に結婚していて、2人目の赤ちゃんを出産するために奥さんが急遽入院することになった
それも1カ月間
1歳10カ月になる鈴香の面倒を見るために、翌日から先輩の家へ通う事になった


元々しっかりした人間性を持ち合わせていただろう太田に、思いもしなかった貴重な体験をすることに
俺は、鈴香と関わるうちに、鈴香がかけがえのない存在となる
幼児食を作ったり、おもちゃや絵本を買ってきたり、鈴鹿が日々成長している事によろこぶ俺

ベビーシッターの1ヶ月が終わる最後の日、さよならをして先輩の家を出て 歩く俺の背に、窓から先輩と一緒に『ばんばってー』となんども叫ぶ鈴香の声


記憶のどこにも残っちゃいないけれど、俺にも鈴香と同じように、すべてが光り輝いて見えたときがあったのだ。もちろん、今だってすべてが光を失っているわけじゃない。こんなふうに俺に「がんばってー」と言葉を送ってくれるやつがいるのだから。俺はまだ16歳だ。
・・・・・
「じゃあな。鈴香」
俺はもう一度手を振ると、勢いをつけて一歩足を踏み出した。



無垢な子供の心はスゴイ力を持っているのですね
ちょっと大人のお伽噺のような気がしないでもない^^;
読後感良いです!!


コメント