
夏川草介の新刊本(かな?)
2020.9.30発行
民俗学者 古屋神寺郎(ふるやかんじろう)と大学院生の藤崎千佳がフィールドワークと称して日本各地を旅し、その土地土地の民俗風景やできごとなどが短編となっている
短編は5話まであり、『寄り道』と『七色』は以前に読んでいる
神寺郎という名前にある文字が示唆しているように、古屋准教授の民俗学のテーマは日本人の神に対するとらえ方や考え方
そして現代はその神を失いつつある
日本人は古来から八百万の神と言って、宗教としての一神教ではなく、神を感じることによって複数多数のその存在を認めてきた
ワタシが買いそろえている『神様の御用人』が、神社に祀られている数えきれないくらいの神の存在の事を物語っているわけだ
夏川草介が古屋神寺郎に語らせているのは、大木や大きな岩や仰ぎ見る各地の山・・・これら自然のものに出会うとき、そこに神を見る日本人は自身を小さな存在として謙虚になる
神社にある、樹齢4・5百年の桜の古木が切られること・・・(灯火)
四国遍路道での、説明のできない出来事・・・(同行二人ーどうぎょうににんー)
信州にある大柊・・・屋久島の杉のように、人にとって神のような存在の大樹(始まりの木)
ここでいう神とは灯台のようなもの
迷った時、港を振り返るとそこに灯台の火がある
御神体である大木を切ってしまったり、、、都市化に伴って八百万の神を日本人は失いつつある
「神の力が削がれていく」と、御用人も言ってます。
