遅きに失す

７年前にガードレール設置要望＝小学生死傷現場―千葉・八街

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-210630X988

子供の頃。実家から小学校に向かう途中の、唯一の大きな道。国道。

そこには信号も、横断歩道すらなかった。

見通しのいい直線。減速しない車。荷物をたくさん積んだ大型のトラック。

「こわいね」「左右をちゃんと確認して、手を上げて渡るんだよ」、そう言われた。

そのルート上におうちのある、お友達の女の子と、一緒に下校することが多かった。

「また明日も一緒に帰ろうね」そう約束して別れた。

彼女は、翌朝にはもういなかった。

あの国道で、減速すらしなかったトラックに撥ねられたのだという。

道の反対側で事故を目の当たりにした当時六年生だった女の子は、看護師さんになったと聞いた。

それから間もなく、その国道には信号と、横断歩道が設置された。

苦くて悲しい、小学校一年生の記憶だ。

要望を出していたとしても、後回しにされていたそれが動くときは

いつも誰かが犠牲になった後だ。

結局何も変わっていない。時と場所は違えど、何も。

悲しみとともに、個人的にはどうしても虚しさを感じてしまう。