『屍者の帝国』に続く≪
Project Itoh ≫第2弾。
『
<harmony/> 』
舞台は2032年、近未来の日本。
かつて高校時代に自殺未遂を引き起こし、現在は上級螺旋監察官として任務にあたる主人公・トァンは
送還された日本で同じく高校時代の友人・キアンを含む同時自殺多発事件を目の当たりにする。
世界中で同時刻に起こったそれは、6582人。
トァンの目の前で自殺したキアンの遺した言葉は「ごめんね、ミァハ」。
それはトァンが高校時代に共に死のうとした、そしてたった独り逝ってしまったはずの親友の名前だった。
全編に於いてトァンのモノローグ。
これ、よくここまで見事なほど破綻せずに貫いたものだと思わず感嘆。
沢城さんホントにすごいなー・・・。
そして全編に於いて 百合 。
ただね。
中学高校って、男子たちのつるみ方と女子のそれは明らかに様相を異にしてたのは私の記憶にも確かに在って。
境界が曖昧というか。
うん。あの感じ。
そして私は
あの途方もない孤独と怒りを抱えたミァハの在り方にとても近いものを抱えている自覚もあるので。
劇中にて複数回用いられる重要なキーワードである「大災禍(ザ・メイルストロム)」
これは本来であれば第2弾として公開される予定だった『虐殺器官』の舞台とのことなので
本来の順で公開がなされなかったことが残念で仕方がない。
先日制作継続のアナウンスがあったので、公開が待ち遠しいところ。
観終えて所用で市ヶ谷に向かう電車の中で、パリのテロの詳細情報を見る。
一報自体は朝には見てたんだけど。
あの「ユートピアを模したディストピア」よりも
現実(リアル)の方が、はるかに、凄惨で、残酷。