高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

如月の茶道

2008-02-26 | 茶道

 今月から茶道では、立礼のお稽古が始まりました。

 始めた当初の目的がひとつ達成しましたよー。 先生からも立礼の点前は現代では非常に応用範囲の広い点前ですので、折に触れて稽古致しましょう。と言われていたので、ようやくです。  

 今月のお菓子のご紹介。

Jpg   最初が麦ふみ。    畑に霜が降りると根と土の密着性が悪くなります。  土と麦を踏みつける事により、茎葉の成長を一時的に止め、根の成長を促進する効果もあるそうです。

 また、しっかりと根を土につけてやることも大切なんですね。  何の作物にも共通する事ですが、良い物を作るには土の中の根が健康 で、より多くの栄養分を吸い上げる力が大切なのですね。  しかし、ほんとお菓子にぴったりな風景ですね。

Photo   2つめは、末黒野。  末黒野(すぐろの)は俳句の春の季語です。野焼きの後に、焼けて黒 くなった大地に新芽が芽吹き始めた草原のことをいいます。  お茶は季節感もとても大切にするのですが、  まるで自然観察の授業のような感じでもあります。昔の生活では、自然との対話が普通にできていたのですね。改めて日本語、漢字の表現力の素晴らしさを感じました。。  

 都会の生活の中では、なかなか四季や季節の移ろいを  感じることは少ないですが、少しずつ感じることができる感覚を大切にしながら、それを料理の中ですこしでも表現出来たら、と思っています。

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うぐいす餅

2008-01-27 | 茶道

 今週から平常のお稽古。
今回は残念ながら、あまり時間がなくて見学のみとなりました。

Photo  先生のご配慮で、短い時間ながらもお茶だけは頂きました。お菓子はうぐいす餅。流石にこんなに寒いとピンッ、と来ないですよね。

 でも、実は稽古の次の日は、初天神。 天満宮といえば、梅。梅といえば、うぐいす。 うん、納得。(私は花札の絵柄から思いついたのですが、なにか。。)

 おもてなしは、ちゃんと節気に合わせて行うことも大切ですが、相手に合わせて相手の分かるようにおもてなしするのも大切なことと、ご指導がありました。まだまだ、学ぶことはたくさんです。

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初釜

2008-01-23 | 茶道

 今週の今年最初のお茶のお稽古、初釜でした。    

 先生自らお手前を披露してくださり、濃茶と薄茶を頂きました。 そして主菓子は「花びら餅」。    お菓子一つ取っても、いろいろと蘊蓄があります。うーん、日本の文化の奥深さを感じます。  

 お床の扇には裏千家御家元が若宗匠の時書かれた『萬物生光輝』でした。全てが命をもち光り輝いているの意。 万の神が宿るという古代からの日本の思想から導かれたものでしょうか。命や資源を粗末にしたり、軽視することがない、そしてお互いを思い、敬うことの大切さを感じておりました。 

 私が特にお茶のお稽古で学びたいと思うことは、おもてなしの心です。  でも、これが簡単そうで、実はとても深く、難しいです。  もてなす側の心配り、お客側はそれを受け止めて、更に それをベースに楽しむ。例え初めての方とのお茶席であっても、一期一会。見栄にとらわれず、本質を見定めた人の縁がそこには生まれます。確かに、去年は沢山の方と出会うことが出来ましたが、不思議と社や業界のトップの方や高い志をもつ方達は、若輩の私に対してもとても丁寧に受け答えを して下さいました。こだわりや誇りと、謙虚な気持ちがとても バランスが取れている。誰に対しても揺らがない姿勢は、是非見習いたいと思いました。  

 今年はお茶のお稽古からどのような発見があるのか、とても楽しみです。

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冬籠りと薄氷

2007-12-20 | 茶道

 先週末に、長男のクリスマスのプレゼントを内緒で買いました。
 小1の彼は、まだサンタさんからのプレゼントの信じているようです。 この間、サンタさんに渡す手紙を書いていました。「こんど、サンタさんのおうちにつれていってください。」 本当のことをどう伝ええるか、どう対応するか、親としての悩みは、第二段階に突入したようです。

Photo  先日のお茶のお稽古の主菓子の画像です。
 私は冬籠りと名づけ、先生は薄氷と銘をつけました。薄氷は、残念ながらハクヒョウと読みません。 うすらいと読みます。

 最近特に茶道をならって、良かったと思います。
 茶道の指導書を読みながら日本料理に欠かせない歳時のことはもちろん、和敬清寂という言葉をはじめ、いろいろな教えが自分の至らないところや目指す姿を考えさせてくれます。 また、茶道の先人の教えは、いろいろと考える機会を与えてくださいます。

 点前には 弱みをすてて ただ強く されど風俗 いやしきを去れ

 いろいろな迷いをもったまま、物事に接しても良い結果につながりません。しっかりとした信念を持ちながらも、決して傲慢にならず、また周りの風評にも流されない。そのためにも、毎日の精進や心がけが特に大切になってくるのでしょうね。
 
Photo_2  毎日農業記録賞の盾と表彰状が届きました。 思ったより立派で、少しびっくりしました。 また、来年から始まる連載の第一回目の原稿を書き終えました。 今回は河内長野を取材しました。いろいろと書くために調べたり、勉強したりが必要となるので、大変ですが充実しています。

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炉開き

2007-11-09 | 茶道

 11月は茶道の世界ではお正月。
 11月はその年の新茶の入った茶つぼの封を切り、客に初めてふるまう「口切り」という茶事を行ないます。(春の新茶を寝かせて、一番美味しくなる11月に封を切る、先人の偉大な知恵ですね。) お稽古も10月までの風炉から炉のお稽古へと変わります。
Photo
  先日のお稽古の茶菓子は亥の子餅でした。
携帯の画像で分かりにくいですが、お餅の天辺に焼印が3本ほど入っていて、うりぼうの背中の模様に模しています。

 一見ただのぎゅうひのお菓子なのですが、少しの工夫で季節や歳時を表現するのは日本人独特の和の感覚。ほんと、大切にしたいですねー。 最近、茶道のお手前はなかなか上達しませんが、お茶を立てる事や茶道でももてなしの精神や器の扱い、マナーやエチケットと違いなんかは先生のおかげでしっかりと学べているような気がします。

 もてなす側はいろいろとお客に喜んで貰えるように趣向を凝らし、正客はそれを受け入れて、楽しむ。次客以降は例えそれが間違っていても正客にならってその趣向を楽しむ。 礼には礼で応える。とても快い関係がそこにはあります。

 利休百首の中に次のような句があります。
○点前には 弱みをすてて ただ強く されど風俗 いやしきを去れ

 物事に取り組む時には、自分を信じること。しかし、傲慢な態度にならないように、周りの余計なことに振り回されないように。 最近、よくこの句を自分自身に投掛けています。

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