高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

こだわり金ゴマとささゆりの里訪問記

2006-03-19 | 農業・食育・食文化について

 今年最初のまんでい会の集まりがありました。それぞれ、仕込みなどの都合があるので、朝の九時からスタート。

 まずは、ニューオオタニ オオサカで行われているミシュラン2つ星シェフを招いてのレクレィエールフェアに同行されてきた、フランス人のコンサルタントの方からのご挨拶。「今のフランスは美味しいもの・たくさん食べることを求めすぎ。今回の訪日で、日本の食材や微妙な味付けを学びたい」とおっしゃってました。

 その後に、和田萬の和田大象さんから胡麻についてのお話がありました。

 和田萬さんは、創業100年を超える胡麻の専門店。専務の大象さんが7つの問題を通じて、いろいろと胡麻について教えてくださった。まず、一番驚いたのが胡麻の99.9%が輸入品だったこと。年間消費16万トンの内、国産は僅か160kg。その半量が油して消費されているそうです。和田萬さんでは国内の15エリアで契約栽培を行っていて、国産の50%以上を確保しているそうです。流石にそれだけではまかなえないので、金胡麻はトルコで無農薬で栽培を行っているそうです。

060317_1012  胡麻の種類は金・白・黒胡麻の3種類。特に栄養価の違いがあるわけではないそうですが、金胡麻の油分が一番多いそうです。(金胡麻の胡麻油を試食させて頂きましたが、くどさが全然無くて風味は豊かです。これを胡麻和えに少し加えるだけでかなり美味しくなりそうです。)特徴としては、金胡麻のコク・黒胡麻は風味・白胡麻は後口の余韻、という感じですかね。 また、胡麻は健康食。抗酸化作用や悪酔い防止・解毒作用などなど。アンチエイジングにとても良さそうですね。(画像はどっちの料理ショーにも取り上げられた発芽胡麻ペースト。)

 なにせ、和田大象さんはかなりパワフル。そして、本当に胡麻のことが大好きなのが、バンバン伝わってきました。試食させて頂いた商品もかなり良質で、美味なものが多かった。今度、一度お店に直接お伺いさせて、いろいろと勉強させて頂こうと思っています。

 まんでい会終了後、こんぶ土居さんへ。先日、土居さんにお伺いしたばかりだったのですが、丁度おいしいおぼろ昆布が欲しかったのでグットタイミング。 ちなみにとろろ昆布とおぼろ昆布の違い、知っていますか。 昆布の表面を薄く削ったものがおぼろ昆布・昆布を重ねてその側面を削ったものがとろろ昆布になります。なので、とろろ昆布を良く見ると繊維の層で出来ているのがわかります。(市販のものは酢の味が効き過ぎていて、折角の昆布の味がほとんどしませんよね。)

 土居さんを後のして、いざ高槻はささゆりの里へ。

 今回はゴールデンウイーク明けからの献立の試食とミーティング。今年は寒波も厳しく、野菜の発育が全体的に遅れていて端境期が例年よりも長いので、献立作りにも苦心します。しかも、生産者さんから直接届く食材しか使わないので、かなり制約があります。(でも、これが本来の姿なのかもしれませんね。) 

 今回の献立の主菜は、貝塚早生玉葱と地鶏の陶板焼きです。玉葱の甘みと地鶏の旨み、旬の葉物野菜を自家製のお味噌で和えて食べていただこうと思っています。他にも、泉州の蛸を旨煮にしたり、亀岡から有機栽培の味の濃い菊菜が入荷しているので、これを炊き込みご飯にした若菜ご飯でお客様に喜んでもらおうと思っています。

 良いお客が良い料理人を育てると言われますが、ささゆりの里の試食でも浪速魚菜の代表の笹井さんを始め、現場のスタッフからいろいろと意見や提案が出てきます。時には作り手の意図が伝わらなくてがっかりすることもありますが、自分では思いつかなかったことや見落としていたことを再発見することも多々あります。特に、私がいつも在中してる訳では無いので現場で頑張ってくれているスタッフの意見はとても貴重だし、しっかりとコミュニケーションをとって少しでもお客様に喜んで頂けるような料理をスタッフ全員で提案していきたいと強く思っています。

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