今回は本当は前回の有機野菜の料理教室の続きなのですが・・。いや、本当は書いたのですが、アップに失敗して記事の内容がすべて消えてしまいました。なので、今回は別のお話をします。
昨年、亡くなられた恩師が主催してくださっていた「なにわ旬菜語ろうの会」。主催者を無くした会がようやく再スタートしました。その名が「おおさか食研会」です。故人の思いでもあった大阪近郷のこだわりのある食材を守っていきたい、という願いを受けついた料理人による勉強会です。
食材や料理の手ほどきは上野修三先生が、そして浪速魚菜の会の笹井さんがこの会を取り仕切ってくれることになりました。参加者の方も前回からの参加者に加えて、今回の会場となったびわともさん、そして最近お付き合い頂いている伊万邑さん・このはさんのご主人にも参加していただきました。
今回の食材は赤舌平目と難波ねぎ・長芋・自然薯です。
舌鰈は薄く塩を振ったものをしばらく寝かせてお造りにする紙塩造りで頂きました。
一般的にお造りは、身が活かっていてコリコリとした歯ごたえが醍醐味ですよね。特に関西は、この歯ごたえを大切にします。しかし、旨みの点から言うと魚を絞めてからしばらく時間が経った方が身の中のアミノ酸の量が多いのです。そこで、塩を振ることにより身の芯の部分にはコリコリとした食感を残しつつ、魚の旨みを引き出すのです。目からうろこの発想で、確かに少しいつもよりも歯ごたえには劣るかもしれませんが、身の味はしっかりしていているように思われました。
自然薯と長芋はトロロにして食べ比べをしました。
やはり、香り・風味では自然薯の方が格段に良いです。というより、土の香りがするのです。なので、これが苦手と思う方は長芋の方が美味しく思われるかもしれませんね。また、この二つは用途の違いも明らかで、アク・粘りの少ない長芋は生食に、粘りの強い自然薯は揚げ物やとろろ汁、料理のつなぎなんかに最適ですね。
ちなみに、この自然薯は自然のものはアクもかなり強く、形もかなりいびつ。なので、天然の種をつかい、半栽培的に育てたものの方が美味しく頂けるのです。もちろん、だからといって農薬や化学肥料を使用するというのとは別ですが。
難波ねぎは、私も今回初めて食しました。ねぎを直焼きしたものにお味噌を添えたもの、刻んだねぎに三杯酢をかけ、花かつおをあしらったもの。直焼きのねぎはとても甘くて、風味が豊か。ねぎを焼くとこんなに美味しくなるとは・・、初めて知りました。いや、難波ねぎだからかもしれませんね。あと、三杯酢は本来は醤油と酢と砂糖なのですが、今回は砂糖の代わりに味醂を使用。シンプルだけど、ほっと和む味でした。
今回、新たな一歩を踏み出した「おおさか食研会」。この会を通じて、いろいろと学んでいき、それをまたいろいろな方に知って頂ける様に頑張りたいですね。