高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

5月17日のつれづれ。

2015-05-17 | 日記
今日は久しぶりにまったりとした休日を過ごしております。

最近、昔言われていたことの意味がようやく分かるようになってきました。

料理に人柄が出るとか、無理に自分を出すなとか、
なにげないことを大切にしろとか、。。

若い時は自分の技術を上げることを一番に考えて修行に明け暮れました。
いずれ自分が独立するときに、今の経験以上のことは出来ない。
だから、与えられた仕事を全うするのは当たり前で、
それ以外でいかに自分が学び、成長出来るのかを。

お店で同じ時間働いていても、ただ職務を全うしようとするのと、
今日はこれをしよう、これを試してみよう、これを見習おうと思って
過ごすのとでは大違いです。

確かに飲食店の仕事は過酷です。
労働時間も長いし、とにかく人間力を求められます。
瞬時にいろいろなことを観察、判断、行動しないといけません。
自分のしないといけないこと、周りの動き、お客様のご希望などは
千変万化し、優先順位はコロコロと変わっていきます。
そんな時、問われるのが仕事への準備などの努力と思いです。

ここ最近、ようやく自分が追い求めていたレベルの料理を作れるような、
そんな手応えを感じることが出来る様になってきました。
ここ数年の試行錯誤がようやく、ほんとようやく少しずつ形になってきました。

その甲斐もあって、お料理をお褒め頂くことがとても増えました。
本当に、本当に有難い事です。
でも、この変化は大きなことを変えて起こった変化ではありません。

以前よりたくさんの時間をかけて料理を考え、丁寧に仕込みをし、
手間をかけて提供する。
そんな書けば当たり前のことを、丁寧にすること、正確にすることの大切さを
この歳になってようやく気づき、実行しようとしています。

なので、以前みたいに即興や思いつきや驚きで料理を
作ることが出来なくなってしまいました。
でも、今はこれで良いと思っています。


自分の出来ることが増えれば増えるほど、現実とのギャップは広がっています。
桜花というお店は、まだ料理人森田龍彦の作る料理に追いついておりません。
料理の技術は努力すればいくらでも伸びます。
自分自身はいくらでも成長させることが出来ます。
でも、店主という立場の私はそれだけでは足りないのです。
自分の含めてスタッフ皆が成長しないといけないのです。。
それには私の人間として生き方が問われます。


でも、人間性は本当になかなか成長してくれません。
なので、お客様にまだまだ本当の意味での幸せな時間を提供出来ないでいます。

でも、いずれその時間を提供出来る様に
毎日もがきながら頑張り続けることしか出来ません。。
もっと、もっと人としても成長出来るようになるまで、
どうぞ寛大なお心で見守ってやって下さい。





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5月13日のつれづれ。

2015-05-13 | 日記
女将さん事件です。。。
桜花の屋号変更がYAHOO!!JAPANで取り上げられております!!
いつの間にか超有名店になっておりました!!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150513-00000000-minkei-l27

というわけではなくて、船場経済新聞に取り上げて頂いたのです。
とても光栄なことです。
龍旗信松原氏寄贈の看板もばっちり決まっておりますね!!
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5月11日のつれづれ。

2015-05-11 | 日記
GWの連休気分の先週で終了。。

今週は全体的にお席に余裕がある日が多いです。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

お店の方もいろいろと立て込んでいた仕事なども一旦終了。
ここからは怒涛の2か月間で経験したことを検証する大切な時間です。

そして、そんな昨日の休日は妻と二人で展覧会へ。
一つは「川喜田半泥子物語^その芸術的生涯」
そしてもう一つは「大坂―考古学が語る近世都市―」

偶然にも共に戦前から戦後にかけての器を中心とした
展示物が多くありました。

半泥子氏は本当に多彩な才に常識に囚われない美意識。
近世の大阪には想像以上にいろいろな器が集まっていて、
今でも十二分に使用出来る素晴らしい器が展示されていました。

いつも、私は人は進歩していたいと思っています。
ですが、このような昔の素晴らしい作品などを見るたびに、
現在の美意識などが本当に洗練されているのかと疑問に思います。

明らかに文明は発展していると思いますが、
温故知新という言葉があるように、もっと学ばないといけないことも
多々あるように思います。
今、生きている私たちが築く文化は、
経済至上主義に頼っていけないということなのではないでしょうか。。。

まだまだ未熟者の私にはとても難解な問いかけを頂いたようにな一日でした。
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5月9日のつれづれ。

2015-05-09 | 日記
先日は京丹後から、ブログを読んで下さっている方が
わざわざお越し下さいました。
そして昨夜はアメリカ在住の方が、
お帰りの際にこのワインを託して下さいました。

「このワインは5年、10年は寝かせることが出来ます。
それまでにまた来たいと思います。
もし機会があれば、もちろん飲んでもらって結構ですよ。
また、会えること楽しみにしています」
初来店のお客様がここまで言って下さる。
本当に感無量です。

どの仕事も同じかもしれませんが、
日々の仕事は本当に地味なことの積み重ねです。

ですが、それに真摯に向き合うことで、
いろいろな大小の奇跡に立ち会うことが出来ます。

人にも自分にも厳しくなってしまうけれど、
めげずに今日も頑張ることが出来のだろうと思います。

そして、いずれは人を包み込むことが出来るような
大きな心を得たいと思います。
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5月8日のつれづれ。

2015-05-08 | 日記
今日、明日とお席に余裕ございます。

今週から皐月のおまかせがスタートしております。
今回も恒例になりつつある(苦笑)、壮絶な生みの苦しみ。。
新緑ー端午の節句ーにちなんだ内容になっておりますが、
今回も今までにないお料理の流れに挑戦しております。

先日のお休みに大地に横たわりながら見上げた、この風景。
そんな情感をお伝え出来ればと思っています。

どうぞ今月もよろしくお願い致します。
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