
今野敏著、小説新潮連載
小説新潮2021年9月号まで連載された、隠蔽捜査シリーズの第9作目です。
前シリーズで、神奈川県警刑事部長に栄転した竜崎は、神奈川県警管内で発生した殺人事件の捜査に直面する。
相変わらず、原理原則に従って、周囲の困惑を余所に、次々と果断に判断を下す。
立場が変わったが故に、部下への配慮の在り方に戸惑いながらも、時節に固執せず、最善の判断を下すことに努める。
この判断が、周囲の「常識」とズレて波紋を呼びながら、少しずつ周囲の人々を変えてゆく力となっている所が本作の魅力です。
今回は、事件の底が少し浅いような気がしますが、事件の解明よりも、竜崎の生き方を楽しむ方にシフトした方が良いのかも知れません。
また、終盤に竜崎を陥れようとするキャリアの先輩の動きを制する手法が、竜崎からすると合理的でありながら、意表を突く方法です。
竜崎の今後の行動パターンの変化を示すものなのでしょうか。
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○今野敏
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評価は4です。
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