この映画を見て何と感じるかというとビミョーです。ストーリー自体は、ケンカに明け暮れるやんちゃな岸和田の少年達を描いており、その時代にヒットした流行歌をバックで流しています。出演者は主演のナインティナインの他、お笑い芸人が多数出演していますが、皆さんは立派な演技をしています。そもそも芸人は、常日頃、虚構の世界を作り上げているので、演じることのプロではないかと感じました。
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湯浅赳男著、新評論刊
以前読んだ「黄金の世界史」に感銘を受けましたが、その著者がインスパイアされたとしている本書を読みました。貨幣が文明の中で、原始貨幣から進化し、長い歴史を経て、金や銀に裏打ちされた兌換紙幣から不換紙幣となまでの長い歴史を、世界の文明の消長と共に跡付けています。
本書で明らかなことは、富の源泉は、基本的に生産物の輸出にあることでした。また、今までの歴史の過程で、金や銀が文明間の貿 . . . 本文を読む
本作は2008年公開のアメリカのアニメ映画です。大変優れたアニメーション映画でした。CGなのですが、都会や自然の景色が見事に写実的でありながら、同時に、ジブリの絵画的な美しさが感じられます。一方、登場する動物達(犬、猫、ハムスター、鳩など)は、いかにものアニメ調です。それらが全く違和感なく解け合って素晴らしい映像世界を作り上げています。
そして、本作の脚本は、アメリカ映画にありがちで、少し気恥ずか . . . 本文を読む
熊井英水(ひでみ)著、日本経済新聞社刊
何年か前に、何処かの大学がマグロの養殖に成功したというマスコミ報道を読んだ記憶があります。本書は、その養殖を成功させた近畿大学の熊井教授が、幾多の困難を乗り越えて成功した、クロマグロの完全養殖成功への、永く険しい物語です。現代では、ハマチなどの多くの魚が養殖されていますが、クロマグロの完全養殖は大変に難しく、その達成に五十年もの年月が必要であったとのことです . . . 本文を読む
「禁じられた遊び」で著名なルネ・クレマン監督の映画です。1946年(昭和21年)公開の作品です。優れた作品であると聞いたので見ましたが、初めは、現代の映画に比べてしまって何となくあらが目立ちました。しかし次第に、引き込まれて行き、結構ハラハラドキドキの展開で楽しめました。
ドイツ占領下でのフランス人レジスタンスの活躍を描いた作品です。当時の輸送の生命線である鉄道での、ナチスの輸送を妨害するレジスタ . . . 本文を読む
大久保隆弘著、東洋経済新報社刊
技術モノが好きなので、本書をパラパラと覘いて、主にリチウムイオン電池に関する技術解説書籍と思って手にしました。しかし、内容は全く異なります。リチウムイオンを主にした、今後の技術開発のキーデバイスを巡る経済・技術環境から語り初めています。そして、太陽光パネルや液晶で日本が韓国などに敗北した原因を探り、リチウムイオン電池に代表される、今後の先端技術の育成と世界制覇に向け . . . 本文を読む
日本では2010年に公開されたメキシコとアメリカの合作映画です。アメリカで不法移民として働き、別な家族を成した父親が、帰国して娘と共に列車に乗り、メキシコ経由でアメリカへの不法入国を目指します。一方、メキシコのギャング団に入っている少年が、ふとしたことから、愛し合った恋人を殺され、組織への忠誠を疑われるに至ります。
この二人が、不法移民を目指して、列車の屋根に鈴なりとなっている無賃乗車の人々に混じ . . . 本文を読む
松任谷正隆著、二玄社刊
今から四十年位前のこと。同級生のT君が嘆息してこう言いました。「人間の価値は、経験や苦労に裏打ちされた人格にあると思っていたが、K君を知って考えが変わった。彼の家は裕福で、両親ともインテリで苦労も知らないで育ってきた。だから、脳天気の坊っちゃんかと思っていたが、性格が良くて真面目で明るくて、全く欠点がない。植物で言えば竹だ。俺が好んでいた盆栽の松は、色々な経験の挙げ句、立派 . . . 本文を読む
同名小説の映画化作品です。2006年公開で、幾多の賞を受賞しています。原作は読んでいませんが、下記URLによれば、全体のストーリーは原作に忠実のようです。
物語は、厳格な家庭に育った主人公の松子が、病弱な妹に向きがちな父親の愛情故に、少し、偏向した性格を持つ様になりますが、両親の期待に添ってがんばり学校の教師になります。しかし、ふとしたことから教師を辞める羽目になり、それから転落の人生を歩み、結局 . . . 本文を読む
桜庭一樹著、文藝春秋刊
何とも舌触りの悪い、それでいて透明な印象を受ける不可思議な作品でした。捉え方により、何とでも解釈出来ると思います。虐待を受けた少女の悲劇。呪われた血と育ち故の悲劇。身体に囚われながら、深い交わりを求めた魂の物語。そうした重層的な物語性を秘めた希有な作品だと思います。
作品構成が巧で、物語が過去にさかのぼって行き、語り手が変わる。かなりプロットを練り上げた上での執筆かと思いま . . . 本文を読む
住井すゑ
「橋のない川」で著名な住井すゑさんの講演会を収録したカセットテープを聴きました。1992年10月31日に大阪府立体育館で行われた、第24回大阪同和教育研究会の記念講演から収録したもので、当時90歳になられていたそうです。本カセットと合わせて、それよりも10歳若い時の講演会の収録カセットも聞きましたが、語り口の力強さに代わりは感じられませんでした。
住井さんは差別に関する著作「橋のない . . . 本文を読む
太田垣晴子著、ソフトバンク クリエイティブ刊
太田垣さんの本は面白い。イラストと文章が渾然一体となっており、独特の視点を感じます。飲兵衛なのも良い。本書は、そんな太田垣さんが「Web版キリンビール大学食学部」で、2001年7月~2006年6月の期間掲載されたものに修正を加えたものだそうです。
内容は
●前期講座[必修] => 枝豆、ウナギ、ドイツ料理などのビールと賞味したい食物を16取り上げていま . . . 本文を読む
大きなビルの受付に老人が爆弾と拳銃を手ににして現れる。そして、ビルの内部の人々を人質にし、ある大企業の重役との面会を要求します。その後、フラッシュバックで、この老人の行動の理由を説明しています。結末は、「不可解」です。ネットでも二つの説がありますが、私は、両方ありなんだろうと思います。老人の精神状態に原因を求めるとすると、老人が拳銃を持っていることが説明出来ません。とはいえ、もう一つの解釈を採用す . . . 本文を読む
村松伸著、増田彰久写真、河出書房新社刊
今年は上海旅行を企てたのですが、諸般の事情で中止に相成ってしまいました。それで、来年は行きたいと思っていますが、実は、上海がどの辺にあるのかが良く分かっていない。歴史も余り知らない。それで、本書を手に取りました。
本書は1998年の出版で、上海が西欧列強の租界として摂取され、次第にエリアを広げて行く様を跡付け、同時に、そこで繰り広げられた蹂躙の歴史も紹介して . . . 本文を読む
講師の中島重夫さんは、都市ガス会社の技術系の職に就かれ、定年の少し前から、「イギリスと音楽」をテーマとした勉強をしてきたとのことです。私が聞いた講演会とは別に、下記URLの「NPO法人雑学大学」での講義概要記録を読んでいただければ分かるりますが、イギリスの歴史や文化を多面的に捕らえて、その上で、イギリス音楽の歴史を解説しています。
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