志賀勝栄著、講談社選書メチエ刊孤高のパン職人である志賀勝栄さん自ら、パンとは何かから始まり、その歴史、パンのお国事情など、一通り説明しています。著者は長らくパン職人として第一線で活躍され、自分独自のパン作りを目指して自立し「シニフィアン シニフィエ」というお店を開店し、一年365日、前人未踏のパン作りの世界を切り開いている。(休む日が無いようです!)本書では、その手法を用いる理由や、素材の選択、組 . . . 本文を読む
2021年公開のアメリカのアクション映画です。工場で経理の仕事をしていると思しき主人公は、妻と子供を持つ家庭人だ。毎日決まり切った生活を繰り返す主人公の生活は、何の起伏も無く波乱も無い。ただ、ジョギングと筋トレらしき事をしていることと、ゴミ回収日にのゴミ出しが決まって後れてしまう。身体を鍛えているが駄目な感じがする初老の男、という感じです。
ある時、自宅に二人連れの強盗が押し入ったが、幸い被害が . . . 本文を読む
文春ジブリ文庫刊渋谷陽一さんがインタビューし、宮崎さんが答える形式の書籍です。我が子が通う保育園の盆踊りで、延々と繰り返されていた「となりのトトロ」の主題歌を初めて耳にするまで、その作品を知りませんでした。その後、本作を含め、VHSビデオで子供達を一緒に「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」、「魔女の宅急便」、「紅の豚」を見て、すっかりジブリのファンになりました。とても良い思い出です。映画館で . . . 本文を読む
マーサ達が扱う案件が益々難しさを増して、同僚同士で検察側と弁護側に分かれて対峙する。他の弁護士が検察側の仕事を選んでも、マーサは相変わらず弁護に徹し、被告の無罪を勝ち取って行く。一方、ビリーはガンが発見され経過が思わしくないようだ。そんな中、事務所の所長アランが昇進することになり、空席を巡って、マーサを含む3人の弁護士が競うことになった。事務所内の複雑な事情が絡んで、争いも厳しい状況になるが、マー . . . 本文を読む
馬場悠男著、講談社ブルーバックス刊「顔」の話しをするために、第1章では「動物の顔の進化」と題して、様々な生物の顔と思しき部分の成立過程と構造、その働きを解説している。「第2章 顔の人類学」では、顔の部品の由来と構造、その性質を解き明かしつつ、様々な齟齬が生じている原因を示している。「第3章 ヒトの顔はどう進化したか」、「第5章 日本人の顔」は、タイトルどおりの内容。顔に興味があったので手に取ったが . . . 本文を読む
アマゾンプライムで見た、イギリスのテレビドラマです。シーズン1でシルクになった主人公のマーサは、今まで以上に困難な案件を担当します。おまけに、シーズン1から登場している「ミッキー」なる恐ろしげな人物が、ビリーを通じて仕事を依頼してきます。これがシーズン2の一つの柱です、
この作品の素晴らしさは、被告を演じる俳優の演技の見事さだと思います。マーサが扱う案件は、被告人が置かれた環境や事情の困難なこと . . . 本文を読む
野田敬生著、ちくま新書刊世の人々は、それぞれに独自の考え方や意見を持つ一方で、マスコミの報道などの影響で、かなり共通した認識を共有していることもあると感じます。社会生活を通じて様々な人に出会いますが、何故そのような言動を成すのか理解出来ない人がいます。私の場合、何十年も接して居ながら最後まで理解出来にくい、あるいは、理解するのが困難と感じた人物は二人です。二人は全く違ったキャラクタの持ち主ですが、 . . . 本文を読む
アマゾンプライムで見た、イギリスのテレビドラマです。ある法律事務所の弁護士マーサという女性が主人公です。依頼を受けた弁護士事務所が、担当弁護士を指名すると同時に訴訟資料を渡し、場合によっては当日裁判が開かれる。その際、同じ事務所の弁護士が、検察側と被告側の弁護を受けることもある。また、被告が複数いる場合には、それぞれに弁護人が付く。案件を依頼された弁護士は、直ちに、被告あるいは検察の担当者と面会し . . . 本文を読む
小室直樹著、講談社+α文庫刊小室さんの著作は独特の文体で、空の高みから「訓垂れる」感じですが、論旨が明快で、却ってさわやかさえ感じます。最初に読んだ著作を忘れましたが、近年では「日本人のための資本主義原論」、「硫黄島 栗林忠通大将の教訓」、「経済思想ゼミナール 経済学をめぐる巨匠たち」、「日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか」を読みました。
本書では、日本が戦っ . . . 本文を読む
2021年日本公開のアメリカのアクション映画です。主演のジェシカ・チャステインは、本作の為か、しっかりしたトレーニングを積んでアクション向きの身体を作り上げて臨んだように思います。彼女の主演作は、「ゼロ・ダーク・サーティ」、「女神の見えざる手」、「モリーズ・ゲーム」の3作を見ましたが、見応えのある作品で、的確な演技だと感じました。本作は、単純なアクション映画では無いので、主人公の悩みと苦しみを上手 . . . 本文を読む
前間孝則著、新潮文庫刊前間さんの著作は何冊か読みましたが、困難な開発に挑む技術者達の苦闘が主要なテーマでした。本書でも、ホンダジェットの開発に。30年に亘って全身全霊を尽くした開発者の物語が主になっています。その一方で、日本の航空機開発を巡る環境の変遷と世界の趨勢、ホンダの企業精神、開発者同士の軋轢など、立体的に描いており、重厚かつ濃厚な物語です。
時折見掛けるホンダジェットの報道で、そのあらま . . . 本文を読む
同名エッセイを基にした、テレビ東京のテレビドラマです。主演は吉田羊さんで、國村隼さんが父親役で出演しています。原作のジェーン・スーさんが主人公と思われますが、現実と乖離があるのかどうかは分かりません。
個性的であくの強い父親と家族に尽くす美しい母親の3人家族。奔放な父親の言動に振り回される母親と主人公。しかし、母親が病を得て亡くなった後、自立した主人公は、人生の半ばで生活の基盤を築き、エッセイス . . . 本文を読む