2012年公開のフランス映画です。主人公のモモンはロマ人であるが故に、幼少時にいじめに遭いますが、セルジュが助けてくれ、それ以来親友になります。そして成年に達した二人は、悪ふざけで、道端の桜桃を盗み、逮捕され禁固刑に処せられます。
やがて出所した主人公は、犯罪組織の一員となり金の強奪団に加わり、その後独り立ちしセルジュや仲間と、殺人を犯さない強奪を繰り返します。結局捕まってしまい、10年の禁固刑を . . . 本文を読む
NHK取材班編著、文藝春秋刊
何となく凄いなぁと思っていましたが、正直なところ「iPS細胞」なるものが良く理解出来ていませんでした。クローズアップ現代で立花隆さんと国谷さんが山中教授と対談した番組を見ましたが、立花さんが「細胞のタイムマシーン」という表現をしており、「???」でした。
またノーベル賞受賞を含むマスコミの熱狂的な報道の際にも、淡々と誠実に対応する山中教授の様子に、常人には無いある種の . . . 本文を読む
2006年公開のフランス映画です。パリ警察庁内で対立するBRIとBRBが、連続強盗犯を追ってしのぎを削りますが、それぞれのチームのリーダーは昔からのライバルで、互いに必死の捜索に取り組んでいる。主人公のレオ・ヴリンクスはBRIのリーダーで、ダニエル・オートゥイユが演じています。ピノキオのような容貌です。一方のBRBのリーダーであるドニ・クランをジェラール・ドパルデューが演じていますが、それぞれに素 . . . 本文を読む
スティーヴン・ハンター著、扶桑社ミステリー刊
ボブ・リー・スワガー シリーズの第5作目です。第6作目を先に読んでしまったため、本書のインパクトが弱まってしましました。しかし、本作は、かなり綿密なプロット構成が感じられます。そして老いたスワガーがどのように悪に対峙するのかが読む際の楽しみでした。特殊な武器と車が作品で重要な役割を果たしますが、作品化に当たっての入念な調査が感じられました。しかし、面白 . . . 本文を読む
2012年公開の日本映画です。首つりで自殺しようとして失敗した冴えない主人公の男が、人を殺した男と銭湯で偶然に巡り合います。石けんを踏んで転倒した殺人犯は意識を失い救急車で運ばれますが、それを見ていた主人公は、とっさに殺人犯と自分の銭湯の鍵を入れ替えて、男の金品などを盗んでしまいます。ついついやってしまった感じです。主人公は、男の豪華な車でに乗って男の家に行くと、何とも立派なマンションでびっくり。 . . . 本文を読む
小室直樹著、ダイヤモンド社刊
小室さんの著作は面白い。非常に分かり易い言葉で説き、明快な論旨で難しいことを教えてくれます。しかも、筋立てが良いため、理解しやすい。今まで読んだ本全部がそうでした。
さて、本書は近代経済学の黎明期から現代までの歴史を、経済学に貢献した巨匠を紹介しながら解説しています。本当に分かり易くてびっくりします。例えば、古典経済学とケインズ経済学との相違点、その違いを産むある法則 . . . 本文を読む
1968年(昭和43年)公開の日本映画です。1枚のDVDですが、フルバージョンの3時間16分の超大作です。キャスト、セット、演出とに力瘤が入り、俳優陣の演技も見事です。トンネル工事の山場である破砕帯での苦闘、開通の歓喜の表現など、土木工事に縁のある人でなくとも胸を熱くすると思います。
トンネル内での工事の場面は迫力満点で、セットとは信じられない位、出色の出来でした。日本映画で、これだけお金と手間を . . . 本文を読む
福岡伸一著、光文社新書371刊
大変に注意深く組み立てられた内容です。アダムからイブが作られてのでは無く、実は逆なのである、ということを示すために、顕微鏡による観察の歴史、染色体の研究とX,Y染色体の発見、受精後の男女への分化の機序、人類の起源と世界への伝播の後付けなどなど、様々な観点から論じています。興味が尽きないし、何より著者の繊細な感性に魅了されました。独特な風貌と語り口ですが、知性と教養を . . . 本文を読む
1992年の同名映画のリメイク作品です。原作はクリント・イーストウッド監督、主演でアカデミー作品賞を受賞しています。本作は、主演が渡辺謙さんで、かなり原作に沿って制作していますが、結末は異なります。日本人の価値観に沿って改変したのでしょうか。
他にも柄本明さん、國村隼さん、佐藤浩市さんらベテラン陣は相変わらず立派な演技でしたが、賞金稼ぎの若者を演じた柳楽優弥さんが特に目を引きました。映像、音楽、美 . . . 本文を読む
2012年公開のアメリカ映画です。元海兵隊兵士であった主人公の女性スパイが、陰謀に陥れられ、その罠から脱出して復讐する話です。結構凝った脚本で、出演陣も揃っていますが、本作の売りは主演を演じたジーナ・カラーノです。美人であるけれども、非常に骨太でたくましい。そして声が異様にハスキーです。(私はハスキーな声が好みですが、彼女は桁外れです)で、調べたら本物の格闘家でした。アメリカでは、プロのスポーツマ . . . 本文を読む
桐山昇、栗原浩英、根本敬著、有斐閣アルマ刊
東南アジアの歴史に関するものとして選んだ2冊目の書籍です。前の書籍は東南アジア各国の歴史に重心がありましたが、本作は、世界史の中で東南アジアが辿った歴史を描いています。特に、古代世界において海のシルクロードと呼ばれた海運での要衝として栄えたこと。やがて、東南アジアが、その地域の以東と以西との貿易の中継基地として栄え富を集積したこと。そして、繁栄を迎えた大 . . . 本文を読む
2012年のアメリカのアクション映画です。運び屋として一流の主人公は、凶悪犯に60時間以内に荷物を届けるよう依頼されます。届け先を探し出す能力も一流で、わずかな手がかりを基にして探し始めますが、関わった人が次々と殺されて行き、次第に謎が深まって行きます。ミステリーと考えた方が良いと思います。
脚本はまぁまぁです。というのも、作中である女性とわりない仲にになる場面に必然性を感じられなかったので。出演 . . . 本文を読む
スティーヴン・ハンター著、扶桑社ミステリー刊
ボブ・リー・スワガーシリーズを久し振りに発見し夢中で読みました。その前の「四十七人目の男」を読んで以来です。正直その作品は頑張りすぎた感がありましたが、本作も、上巻の半ばまでは少し甘いのでは、との危惧を覚えましたが、練達の著者はしっかりとしたプロットで話を進めています。過剰気味なサービスとも採れる場面もありますが。
登場人物が、今までのシリーズでは最も . . . 本文を読む
2012年公開のフィンランド、ドイツ、オーストラリアの合作映画です。アメリカの女性大統領が、再選を目指し、黒人を月の裏側に送り込みます。着陸は見事成功しますが、なんとそこにはナチスの秘密基地が。乗組員の黒人である主人公はナチスに捕らえられてしまいます。時あたかも、ナチスは神の黄昏号の完成を待って地球への侵功を予定していたタイミングであったので、スパイではないかと黒人宇宙飛行士を尋問します。そして・ . . . 本文を読む
桜井由躬雄、石澤良昭、桐山昇著、朝日新聞社刊
学校の世界史で東南アジアは、ほんの少し触れられていたように記憶しています。ヨーロッパや中国、そして、後にアメリカが台頭してくる流れでぼんやりと理解していました。しかし、古代ローマ帝国時代の海のシルクロードや、後の大航海時代のヨーロッパの観点から見た世界的な物流や、金を巡る世界の歴史を見ると、世界史の中でヨーロッパと中国を結ぶ海上交通の要衝として東南アジ . . . 本文を読む