山崎豊子著、新潮社CD発行
橋爪功さんの巧みな朗読によるCDです。山崎さんの著作は読んだことがなく、本作品が最初です。(「華麗なる一族」は映画で見ましたが)
下記URLによれば、本作は、1959年(昭和34年)の作品だそうです。大阪で材木商として成功した男を主人公としていますが、その『しぶちん』振りが実に見事です。こういう人は居るに違いない、と思わせ、そのしぶちん振りが滑稽で可笑しい。中々に味わい . . . 本文を読む
五十嵐幸子著、小学区間101新書
宇都宮の餃子が美味しいことは、娘から聞いていましたが、市を挙げて餃子によるまちおこしをしたことは知りませんでした。
本書によれば、平成2年に、宇都宮市役所で職員の行政課題研究が行われた。その時、総務庁による「家計調査」で、『宇都宮市が『餃子の1世帯あたりの年間購入量が全国1位』であることを知り、「餃子による町おこし」を検討したことがきっかけとなって始まったとのこと . . . 本文を読む
墨丸/朗読:池田昌子
山本周五郎著、東京エーヴィセンター発行
山本周五郎さんの作品は読んでいて胸が苦しくなるものがあります。どうしてなのか、という思いが胸に迫ります。多くは自己犠牲や見返りを求めない献身の物語です。
さて、本作の主人公は、比較的裕福な家柄に生まれた武士の跡取りと、その家に、故あって引き取られた少女の物語です。小さくて細く色が黒い少女は、賢そうであっても見栄えがしなくて、主人公の少年 . . . 本文を読む
ピーター・ラヴゼイ著、ハヤカワ文庫刊
本作はイギリスの作家の作品らしく、実に丹念なストーリー展開で、正直、少し飽きながら読んでいました。もっとも、私は推理小説よりも、冒険小説の方が好きなので、本格的な推理小説である本書は、私の好みにぴったりではないからなのでしょう。冒険小説でも、当然ミステリーの要素があるわけで、冒険小説の要素が7で、ミステリーの要素3位が好みです。
さて、本書は、作者の「ピーター . . . 本文を読む
山本周五郎著、新潮社カセットブック刊
人が気高く生きることは難しい。だから、気高く生きている人を描くことも難しいと思います。当たり前に描いたのでは絵空事になってしまい、心に響くことはないと思います。山本さんの作品は、そうした生き方をした人を描いた作品がいくつかありますが、本書もその一つです。
これ程に人は、他者に温かい眼差しを注ぐことが出来るのだろうか?と思わせる本作の主人公高林喜兵衛は、良家から . . . 本文を読む
いそうせいこう著、新潮社刊
伊藤さんの作品は「ノーライフキング」と「見仏記」に続き、本作で3作目です。最初が小説、次の2作品がルポものです。それぞれが、非常にユニークな作品で、いとうさんの不思議さが現れています。坊っちゃん刈りのような髪型で、顔立ちも人に勝った感じもしない。それでいて、様々な分野で才能を発揮している、正しく才能の多面体のような人です。下記のURLは、そんな伊藤さんの経歴の一部を紹介 . . . 本文を読む
新潮社カセットブック刊
高校生の頃、O・ヘンリーの短編集をたまたま読んで感激した記憶があります。「最後の一葉」が印象的でした。下記のURLによれば、かなり独特な人生を歩んだようです。恐らく多感で、計画性のないお人柄であったのではないかと思います。
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URL => http://ja.wikip . . . 本文を読む
宇田川一美著、池田書店刊
現代の日本文化の、かなり大きな領域を女性が担っていると思います。かつての清少納言などのように、中国からの輸入文化ではなく、日本に独自の文化を創り出したことと似た現象が、今の日本に生じているのではないか。東南アジアで日本の芸能人が人気なのは、女性アイドルの独特の雰囲気にも大きな理由があるのではないか。
さて本書は、雑貨デザイナー、イラストレーターの肩書きを持つ著者が、気に入 . . . 本文を読む
TBS制作
てっきりNHKが制作したのか、と思うほど、しっかりした作りです。かつて、職場で京都旅行をした折、観光タクシーの運転手が、民放の取材のいい加減で、NHKの丁寧な作り方と、いかに差があるかを熱心に語っていました。もう15年程前でした。当時はそれ程には思いませんでしたが、民放の番組の低俗化と迎合化は目を覆うほどで、見るのが苦痛になるほどです。かつてのニュースステーションがまだましに思える程で . . . 本文を読む
くらじ たかし著、文春文庫刊
小学一年生の頃、「モスラ対ゴジラ」を映画館で観ました。二人の姉と見に行ったのですが、貧しい時代で、よく映画に行かせてもらえたものだと、今では不思議でなりません。いわゆる特撮で、ゴジラが口から火炎をはきながら、歩き回ってビルなどを踏みつぶしてゆきます。幼かったとはいえ、着ぐるみであることは理解していたのですが、結構迫力がありました。ザ・ピーナッツ(懐かしいなぁー)が『モ . . . 本文を読む
私の少年時代は、漫画と共にありました。少年サンデー、少年マガジンが主な週刊誌でした。エイトマンや鉄人28号など。「ハリスの旋風」、「巨人の星」、「あしたのジョー」などはもう少し成長して、床屋さんで夢中で読んだものでした。散髪は嫌いでしたが、行けば漫画が読めたので、行ったのでした。
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URL . . . 本文を読む
石川文洋著、岩波新書刊
著者は1938年(昭和14年)に沖縄で生まれ、5歳で大阪府に転居し、その後も東京都、千葉県と転居し、苦学して高校を卒業後、カメラマンとして活躍したとのこと。いくつか賞も受賞しているようです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/石川文洋
. . . 本文を読む
J.K.ローリング著、インディペンデントレーベル発行
さて、本作は「ハリー・ポッターと賢者の石」に次ぐシリーズの2作目を朗読したものです。一作目を映画化したものを見たので、主な登場人物を思い浮かべながら楽しく聞きました。
作品は、マグル(人間)世界で虐げられているポッターが、魔法界で大活躍します。作品のあちらこちらに伏線が張られていて、作品が進むにつれ、伏線となったエピソードが見事に浮かび上がって . . . 本文を読む
樋口昭雄著、角川春樹事務所刊
たまたま手に取り、粗筋を読んで購入した本です。冒険小説の王道を示す典型的な作品です。そして、人が生きて行く悲しみを深く感じさせる佳作です。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/樋口明雄
http://www1.odn.ne.jp . . . 本文を読む
神山祐右(ゆうすけ)著、講談社文庫刊
「カタコンベ」とは、地下の墓場のことだそうです。作中、大学教授が、調査のために潜り込んだ洞窟の中で「石灰岩は、太古の昔に生きていた海の生物の遺骸が積み重なって出来たものだから、いわば墓場だ。」と語ります。それで、「カタコンベ」なのか、と思っていたらもっと別の意味が・・・。種明かしになってしむので・・・。
作中「ケイバー」や「ケイビング」という言葉が出て来ます。 . . . 本文を読む