原作が「インファナル・アフェア」で、2012年に放送されたスペシャルテレビドラマです。ヤクザの手先で警察組織に紛れ込んだ男を香川照之さんが、潜入捜査官を西島秀俊さんが演じています。
原作に忠実な部分と脚色している部分とがありますが、主人公の苦悩をより掘り下げた点は、ハリウッド作品を含めて一番良かったと思います。香川さんの演技も大きかった。特に音楽が効果的で、「バットマン ダークナイト」に通じるもの . . . 本文を読む
大田垣晴子著、角川書店刊
野生時代の2010年6月号から2012年5月号まで連載されたものを書籍化したもののようです。山菜やタマネギなどの野菜14種とタイ、エビなどの魚介類10種類を取り上げています。それぞれの食物の種類、旬の時期やウンチク、更に調理の仕方を紹介しています。ほとんどがイラスト(漫画)で気軽に読めますが、密度は結構高い。また、調理の仕方はご自身の体験に根差したもので、家庭で作れるレシ . . . 本文を読む
2010年の日本映画です。不幸な生い立ち故の恵まれない境遇から抜けきれない男が主人公です。ドンズマリになってしまい、自殺しようとしますがうまくゆきません。腐っていると、小さな男の子が主人公の車の中に潜り込んでいます。家出だとのこと。主人公は、刑務所にいた頃に先輩受刑者から聞いた絶対成功する誘拐の方法を思い出し、男の子には内緒で、誘拐の脅迫電話をしますが・・・。
冴えない主人公を格好良い高橋克典さん . . . 本文を読む
北村淳編著、並木書房刊
沖縄にオスプレイが配備される際にマスコミが報道した内容を見て感じたのは、配備されると困る組織や国があるのではないかということです。絶対安全な乗り物がないことは当然で、オスプレイの安全性を冷静に報道する姿勢がマスコミに無いことも非常に奇異に感じました。
本書は、そうした私の疑問に技術的な面で答えてくれました。また、「水陸両用戦力」という聞き慣れない概念を取り上げ、オスプレイが . . . 本文を読む
宇都宮市の宇都宮美術館で開催中の展覧会です。以前、何かの雑誌で、昆虫を撮影する様子が紹介されており、それが今展覧会の今森光彦さんではないかと思います。たまたま、ネットで見掛けて餃子を食しながら、と考えて出掛けました。土日は高速道路も半額なので、それ程交通費も掛かりませんでした。
さて、本展は、昆虫が嫌いで写真を見るのも好まない妻が、絶句するほど感動しました。思うに、今森さんは本当に昆虫が好きなのだ . . . 本文を読む
1992年公開のフランス映画です。1930年代のヴェトナムが舞台で、ヴェトナムは、当時フランスの植民地でした。主人公は、老いた父親と農園を経営している中年女性で、カトリーヌ・ドヌーヴが演じています。公開当時は49歳です。私は高校生の時分に、彼女の魅力が全く理解出来ないで友人と美人か否かで議論しました。本作では、既に中年に達した彼女は体つきがしっかりおばさんになっていましたが、顔の造作は骨格が更にし . . . 本文を読む
今泉礼右(れいすけ)著、中央法規出版刊
福祉全般につきて知りたいと思い手に取りました。本書は
第1章:社会福祉の意義と目的
第2章:社会福祉を取り巻く環境の変化
第3章:現代社会の社会福祉理論と思想
第4章:社会福祉の史的展開
第5章:社会福祉の組織と体系
第6章:社会福祉の分野---社会福祉六法を中心として
第7章:社会福祉の関連領域---保健医療制度改革と社会福祉
第8章:社会福祉従事者
第9 . . . 本文を読む
1987年公開のアメリカ映画です。小さい頃、テレビで同じ題名のドラマを見ていた記憶があります。禁酒法故にギャングが利益を得て勢力を拡大する。それを是正するため、財務省からシカゴに送り込まれた主人公が、買収されている警官達に邪魔をされますが、やがて信頼できる仲間を集めて、ギャングの親玉であるアル・カポネを追い詰める話です。
脚本は類型的で無理が感じられますが、不思議に落ち着いて見られました。本作でア . . . 本文を読む
月村了衛著、早川書房刊
シリーズ第二弾です。今回は、竜騎兵バンシーの乗り手であるライザ・ラードナー警部が主役です。息苦しい程の悲しい成り行きに、しばし本書を伏せました。シリーズもので、登場人物の過去を少しずつ明らかにする手法が作品世界の奥行きを増しています。また沖津部長の思わせ振りな描き方も、臭くなる寸前で絶妙の加減です。様々な要素を矛盾無く高度なレベルで融合させた完成度の高い作品です。
3作目の . . . 本文を読む
五月の連休の事でした。田植えの時期で、水田に水が張られており、空は五月晴れの天晴れな休日でした。車から見ていると親子と思しき人影が釣をしているような(写真A)。また畑で野良の女性(写真C)、一輪車でなにやら運んでいる人(写真F)、更に絵を描いている人が(写真G)。帰りに車を止めて確認すると、それらはすべて手作りの人形(?)でした。誠にリアルです。草刈りの人形は、遠景(写真I)ではどう見ても人のよう . . . 本文を読む
佐藤雅彦、竹中平蔵 対談、日本経済新聞社刊
本書は2000年に発行された対談本です。竹中さんが小泉内閣の経済財政政策担当大臣としてデビューする前です。経済学では素人の佐藤さんとの対談で、佐藤さんが、専門家の竹中さんに素朴な疑問を呈して、経済学から見た世の諸相を解説してもらっています。さすがに厳しい広告業界で成功を収めただけに、素朴な質問とは言っても経済学の本質的な質問を繰り出しています。また竹中さ . . . 本文を読む
庭の立木の剪定は面倒です。狭い庭ですが父が植えた高木が何本かあり、中でもモチノキは10本程度で、高さもあることから、刈り取る時にはなるべく短くし、2年に一度位の頻度で済むように心がけていますが。
以前は剪定ばさみで刈り取っていましたが、せいぜい年に一度の作業なので、上半身の筋肉が数日間は痛いこと請け合いです。そこで何年か前に電動トリマーを購入したのですが、これで大分楽になりました。また、三年前には . . . 本文を読む
野口悠紀雄著、ダイヤモンド社刊
昨年の一月に出版された著作です。署名は大変分かり易いのですが、内容は予定されている消費税の増税だけで今後の社会保障費をまかなえず、三割程度まで増税しなければならない事、そもそも消費増税が社会保障費の財源に馴染まない事、現行の消費税制度にインボイスがないことが致命的な欠陥である事が述べられています。
また、国際消費のメカニズムを解説し、一般に流布されている解釈が正しく . . . 本文を読む
2008年公開の日本映画です。離婚して高校生の娘と生活しているガテン系の男が、父親の遺産を相続し、勘違いから時代錯誤の純喫茶を開店します。仕方なく娘が手伝いますが、そこにアルバイトに来た、ちょっとヨサゲな若い女性に父親が夢中になります。何とも展開の読めない、まったりとした普通のような普通でないような日常が過ぎて、気が付けば・・・。
出演者の演技が面白い。監督の注文によるものと思いますが、いかにもな . . . 本文を読む
曲亭馬琴作、小池藤五郎校訂、岩波書店刊。
全10巻の内の7巻です。本編では、第六編で登場した犬江新兵衛が大活躍します。妖力を持つ謎の尼僧の企みにより、里見氏に疎んじ遠ざけられていた新兵衛が、許しを得て、残りの七犬士を探しに行きます。そしてとうとう八犬士が揃います。そこで、義実は八犬士の姓を、里見家の忠臣金碗(かなもり)の姓にすべく、新兵衛に都まで上り将軍家の許しを得るよう命じます・・・。まだまだ物 . . . 本文を読む