原田康子著、横浜録音図書発行
原田さんの作品中2番目に聞いた朗読カセットです。縁あって結婚した夫婦はやがて2児を設けます。平凡な生活が続いたある日、夫の晴夫は、妻の親族の言葉によって、長女が自分の子ではないかもしれないと疑いを持つようになります。
その疑いは次第にふくらんで行き、晴夫の生活が乱れますが、妻も夫の疑いを察したのか、却って夫に遠慮がちになります。思い返せば、疑いを裏付ける妻の行動もあり . . . 本文を読む
寺田隆信著、中公新書刊
中国の歴史は、代々の王朝の名前を覚えるだけで大変です。中学生の頃「殷、周、秦、漢、隋、唐、栄、元、明、清・・」などと覚えたのですが、実際には三国志の時代など、数多の国々の複雑な歴史である、と何となく感じていました。それぞれの時代の事柄は断片的に来たり見たりしていましたが、まとまった歴史のイメージは描けませんでした。
そこで、本書を手にしました。本書は司馬遷の「史記」の記述か . . . 本文を読む
川上弘美作、横浜録音図書発行
平成8年上半期の芥川賞受賞作品です。下記のURLを見ると、選考委員の間で評価が分かれたようです。私は川上さんがSFから出発しているので、この作品の基盤が一般的な他の小説とは異なると考えると、理解しやすいように感じます。
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URL => http://uraaozora.jp . . . 本文を読む
小田空著、創美社刊
本書は、著者の小田さんが中国で生活する中で気付いた、日本人から見て、目が点になるような体験や出来事を漫画で紹介しています。下記のURLによれば、小田さんは、1959年生まれの漫画家です。私と5歳しか違わない!ビックリしました。本書は2008年に出版されたとのこですから、50歳前後の体験だと思おうのですが、作中の「オダ」がお下げの可愛い女の子だから、ということもありますが、非常に . . . 本文を読む
かつての笠間焼きは、梅干しを漬けるツボなどの野暮ったい生活の容器でした。しかし、近年では、様々な作家が笠間周辺で、実に多彩な作品を作っており、表現方法が多彩です。本展覧会は、その笠間焼きのルーツと歴史を紹介しています。
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URL => http:/ . . . 本文を読む
マット・デイモンが主演だということで見に行きました。激しい戦闘シーンと音楽、それにカメラワークでめまいがする程の作品でした。恐らく単純はアクション映画であったら、と残念でなりません。脚本、映像、音楽が何ともミスマッチでした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/ . . . 本文を読む
東京映像社制作
新潟県の野島厚次さんの手仕事の紹介です。煙管は下記のURLに見るごとく、吸口と雁首が金属で、その間が竹などで作られた「羅宇きせる」と、前部が金属製のものがあります。
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URL => http://item.rakuten.co.jp/kituengu/c/000000 . . . 本文を読む
村松伸著、河出書房新社刊
中国の歴史の中で、取り分け北京が果たした役割は大きいようです。本書は北京の歴史的な成立の過程を細かく示しています。ただ、このシリーズの割に、写真や図を生かした分かり易い解説ではありません。何となく歴史の教科書を読んでいるような気がしました。
お勧めの書籍ではありません。
評価は3です。
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東京映像社制作
青森県の佐々木郁さんの細やかな手仕事の紹介です。元々「こぎん」は、弘前市付近の農村で発生した技術で、200余年の伝統をもった刺繍なのだそうです。かつては、農民が麻製の労働着を長持ちさせるために刺繍を施したのだそうで、一時期衰退した後、民芸運動で、その美しさが見直されて蘇ったのだそうです。基本的なパターンがあって、それを様々に組み合わせて複雑で多様な文様を作り上げて行くのだそうですが . . . 本文を読む
蓮見太郎著、宝島社刊
たった一人で、とてつもないコトに挑んだ30人を紹介しています。日本人も多く登場しますが、飛び抜けて凄い能力を持っている人々ではなく、動機は様々なですが、思いついたことにひたすら取り組んで行く執念が凄い。また、その結果は、他人から見て何の意味もない物や、多くの人々に福音を与える物など実に様々です。
役に立つか立たないか、ではなく自分がやりたいからやる、という実にシンプルな原理原 . . . 本文を読む
東京映像社制作
青森県の中野敬造さんの手仕事の紹介です。中野さんは大工を生業としていましたが、故あって津軽凧の制作に転向したのだそうです。下絵らしきおおざっぱな線の上に和紙を広げて、丁寧ながら、ごく無造作に筆を運び始めます。その墨の線が次第に書き加えられ、次いで、淡い色が塗られ始めます。色の数は限られており、その色の濃さを増しながら次第に鮮やかな姿が現れてきました。その作品の色遣いは、下記のURL . . . 本文を読む
嵐山光三郎著、講談社文庫刊
私の大好きな嵐山さんの「素人包丁記」シリーズです。今回も、嵐山さんの与太った話のオンパレード。「下品の品格」など16の話が続きます。筒井康隆さんのように、リアルな話から少しずつずれて行く。気付いた時にはすっかり術中にはまってしまっています。もっとも、料理好きの嵐山さんですから、本当に美味しく参考になりそうなものもあります。
と思うと、第7話目の「空腹と想像」などは、最初 . . . 本文を読む
赤瀬川隼著、横浜録音図書発行
赤瀬川さんは、下記のURLにあるように直木賞を63歳で受賞されており、作品が少ないようです。本作は代表作品に載っていませんが、中々に興味深い作品でした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/赤瀬川隼
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陳真(ちん しん)著、里文出版刊
本書の序文によれば、本書の著者は、1933年(昭和8年)に東京で生まれ、日本軍国主義に対する批判の視点を育み、14歳(昭和22年)で台湾に帰り、小説で解放後初の台湾文学賞を受賞。その後国民党に追われて地下に潜行し、台湾脱出を経て北京にたどり着き、北京放送局日本部の創設にたずさわり、以来半世紀、日本へ向けての「北京の声」となった人であるとの事です。
本作は、その著者 . . . 本文を読む
東京映像社制作
埼玉県の京極寿喜松さんの手仕事を紹介しています。人物を描いた布を袋状に縫って綿を詰め、羽子板に貼り付ける、という言葉で言えば簡単な作業ですが、これが実に用意周到な手順で進められます。
まず、下絵を描き、それを布に転写して、縫い代取りながら切り取り、顔などの絵を描いて行きます。これが実に手が込んでいて凄いのです。薄い色を塗り重ねながら、次第にはっきりした線を書き加える事により、顔など . . . 本文を読む