井上孝司著、毎日コミュニケーションズ刊
2005年出版なので14年前の情報ですが、当時、既にアメリカ軍のIT化が急速に進んでいたことが分かりました。武器の誘導や探知能力の向上、軍事偵察衛星の活用、兵站物資の電子タグによる管理、ドローンの遠隔操作による監視や攻撃など、個別の技術の進展は知っていました。しかし陸海空の全軍に亘る情報の共有、効率的な作戦遂行と攻撃の効率化と、驚異的な進化を遂げつつあること . . . 本文を読む
2018年公開のアメリカのSF映画です。平凡なブルーカラーと思しき主人公は、この所悪夢に悩まされ、仕事も家庭も上手く行きません。リアルで恐ろしい夢が繰り返し訪れる。とうとう病院に行くことにすると・・・。
あっと驚く展開です。SFである故に成立するミステリーで、しかもSFで幾度も問われてきた問題が提起されています。気に入りました。
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佐々木毅著、岩波新書刊
政治学の本は難しい、面倒くさい、という印象があり、分かり易い本を探していましたが、本書は啓蒙書なので、大分ハードルが低い。それでも、半ばまでは学問的な考え方を述べていて、ちょっと面倒くさかった。中盤からは、現実の政治状況を踏まえた議論に移り興味を持って読めた。特に戦後の日本の政治の様相を概括し、小泉政権誕生からの現象を学問的に解釈した部分以降からはぐいぐい引き込まれました。 . . . 本文を読む
オーストラリアのSF映画です。ロボットが起動され作業を始めます。保管されていた胎児を1つ選び出し機械に入れ、24時間で新生児が誕生。その子を育て情緒面を含め教育を施し、聡明な少女に成長する。やがて少女は外界に関心を持ち始めるが、育てているロボットのマザーは、言を左右にして許さない。そんなある日・・・。
ど真ん中のSF作品ですが、ミステリー仕立てで謎解きの要素が大きい。そして登場する人間はたったの二 . . . 本文を読む
アマゾンのプライム会員で動画も楽しんでいますが、好みの作品が余り見つからないので「Hulu」と「NETFLIX」を試しました。いずれもHDの解像度で1ヶ月1,000円ちょっと。お試し期間は「Hulu」が2週間で「NETFLIX」が1ヶ月です。ネットの情報によると「Hulu」は作品数が多そうで、「NETFLIX」はオリジナル作品が多く面白そう。始めにやや安価な「Hulu」を視聴しましたが、何となくア . . . 本文を読む
2019年からNetflixで配信している映画です。主人公は定年を間近に控えた暗殺者。過去の記憶に苛まれ悪夢を見る生活から解放される日を間近にして、ある殺しの依頼を受けます。断りますが止む無く引き受けた。しかし、逆に自分が標的になっていることを知る。何かがおかしい。
サスペンス、ミステリーの要素が混じったダークなアクション映画と思いますが、こうした映画では、主人公が格好良く、敵役が憎らしいことが大 . . . 本文を読む
米原万里著、文春文庫刊
様々な媒体に掲載されたエッセイを料理のフルコースに見立てて再構成しています。だから内容も様々です。特に、最後の「デザート」、「コーヒー」、「食後酒」は、著者の来し方の核となる体験と博覧強記の源泉と思われる事情が述べられていて興味深い。強力な食欲、飽くことのない好奇心、果てしない度量の深さ、そして凄まじいバイタリティといった「強烈」なお人柄で生涯を駆け抜けた著者の様々な語り口 . . . 本文を読む
2018年公開のアメリカのSF映画です。悪化した地球環境と経済格差の拡大によって生じた社会の中で、多くの人が苦しい日常生活を逃れてバーチャル世界(「オアシス」)での生活にのめり込んでいる。その「オアシス」の運営会社は、創業者の意向に反する利益中心の経営を進めている。両親を亡くした主人公も同様に、毎日バーチャル世界を楽しんでいるが、そこでは、その世界を作り上げた創業者が残した3つのクエストをクリアす . . . 本文を読む
伊東道風著、講談社選書メチエ
文房具の専門店の伊東屋で万年筆に関係する業務に携わるメンバーが作り上げた架空の著者「伊東道風」氏が、万年筆の構造、特性、製作工程、インク、老舗などを紹介した書籍です。万年筆はアナログな製品ながら、書き味を良くする為の技術、重心の位置の決定など、細やかな工夫が随所に必要とのこと。また、定期的に常温の水によってインクの通り道をきれいに保つことが大切なことなど、随所に知恵が . . . 本文を読む
2019年公開のアメリカ、スウェーデン、イギリス、カナダ、ドイツの合作映画です。小説ミレニアムの4作目を原作とした作品です。以前、映画化されたミレニアムシリーズは、2種類の作品がありましたが、ノオミ・ラパスが主演した作品の方が、作品のイメージに近く好きでしたが、本作は両方の中間と行った感じのイメージです。
今回の作品は、アクションに傾いた脚本で、作品のダークな感じが薄れています。また若干ご都合主義 . . . 本文を読む
高橋真理子著、新潮社刊
アインシュタインが予言した重力波を、その100年後の2016年に検出した。本書は、人類の宇宙観、空間と時間の観念の変遷を交え、先人が切り開いた知の世界を概観しつつ、現代人が重力波を検知したという偉業に至るまでを解説している。該博な知識と整然とした論理で、難解な概念を分かり易く伝えている。特に、重力が空間のゆがみであるという説明の分かり易さに感銘を受けた。例えば重力により光が . . . 本文を読む
ボディガードを生業とし腕の良い女性が、ある時、富豪の莫大な遺産を相続した娘のボディガードを引き受け、契約通り任務は終わるが、娘の依頼で一晩延長した。深夜、厳重なガードシステムが乗っ取られ・・・。
主人公のボディーガードと富豪の娘の屈折した人生・悩みを交え、単なるアクション映画ではなく、見応えがありました。特にミレニアムシリーズを主演したノオミ・ラパスがいい感じでした。
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早見和馬著、小説新潮連載
小説新潮2018年9月号まで連載された作品です。以前連載された作品の続編です。主人公の来栖秘書が、かつての社長の息子と共に、様々な人々と夢を追って行く姿を描いています。静かな展開ながら、レースの場面の描写は臨場感豊かです。
著者の経歴を見ると高校野球を経験した作品から出発したとのことで、競馬に深く関わたことはないようですが、今時の作家は調べあげて物語を作り上げる力が凄いと . . . 本文を読む
相場英雄さんの同名小説を原作とするWOWOWで放送されたテレビドラマです。消費者に安いくて良い製品を提供することを社是とする企業と、手段を選ばず安全に問題のある製品を作り続ける悪徳業者が絡み合い、あることから事件が起こります。その事件を掘り起こす刑事と関係する人々が織りなす人間ドラマで大変に見応えがありました。
原作を読んでいませんが、しっかりした脚本と役者の熱演が光ります。特に小林薫さんが出色の . . . 本文を読む