高橋真理子著、新潮社刊
アインシュタインが予言した重力波を、その100年後の2016年に検出した。本書は、人類の宇宙観、空間と時間の観念の変遷を交え、先人が切り開いた知の世界を概観しつつ、現代人が重力波を検知したという偉業に至るまでを解説している。該博な知識と整然とした論理で、難解な概念を分かり易く伝えている。特に、重力が空間のゆがみであるという説明の分かり易さに感銘を受けた。例えば重力により光が曲げられたという記述を読んで分かったような分からないような感じを受けていたが、そうではなく、質量が空間を歪め、光が歪んだ空間を通った結果として曲がるということが(もっと丁寧に、分かり易く)説明されている。また、光は、どの様な運動系でも早さが一定であると仮定する必然性とその結果生じる現象を思考実験することで、一般相対性理論の考え方を導く説明もあり、これも分かり易い。なにより、重力波の検出を巡る研究者達の苦闘を簡潔ながら臨場感豊かに述べている。
高度な内容をこれ程分かり易く描けるとは凄い。文章も読みやすく、しかも著者のお人柄が滲むもので素晴らしい。感動しました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki高橋真理子_(ジャーナリスト)
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評価は5です。
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アインシュタインが予言した重力波を、その100年後の2016年に検出した。本書は、人類の宇宙観、空間と時間の観念の変遷を交え、先人が切り開いた知の世界を概観しつつ、現代人が重力波を検知したという偉業に至るまでを解説している。該博な知識と整然とした論理で、難解な概念を分かり易く伝えている。特に、重力が空間のゆがみであるという説明の分かり易さに感銘を受けた。例えば重力により光が曲げられたという記述を読んで分かったような分からないような感じを受けていたが、そうではなく、質量が空間を歪め、光が歪んだ空間を通った結果として曲がるということが(もっと丁寧に、分かり易く)説明されている。また、光は、どの様な運動系でも早さが一定であると仮定する必然性とその結果生じる現象を思考実験することで、一般相対性理論の考え方を導く説明もあり、これも分かり易い。なにより、重力波の検出を巡る研究者達の苦闘を簡潔ながら臨場感豊かに述べている。
高度な内容をこれ程分かり易く描けるとは凄い。文章も読みやすく、しかも著者のお人柄が滲むもので素晴らしい。感動しました。
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