第十三節
人を好きだっていう
どこにでもあるあたりまえの気持ち
それだけならみんなでいつまでも楽しいのに
ちょっとしたきっかけだけで
どうして「恋」なんて迷惑な気持ちが生まれてしまうの
「恋」は素晴らしいだなんてみんな言うけれど
なんだかそうは思えない
みんなをおしのけて
独り占めしたくなって
自分勝手になって
人のことなんか考えられなくなって
いつしか優しさまで失ってしまう
・・・いちばんやさしくしたいはずの
その「恋」の相手にまで・・・
誰もが経験する
そんな自分勝手な気持ちを
絶対な「恋」って言葉で美しく正当化してる
・・・私にはそう思えてしまう
・・・でもやっぱり
恋をしないと
人は大きくなれない
それは動かせない事実
人間ってほんとは自分のこと考えるので精一杯なんだ
だけどそれだけじゃあ楽しく生きていけない
いろんな人に恋するうちに
そのことがわかってくる
人と生きることの価値が見えてくる
そうして
本当の意味での優しさを
自分のために
学んでいく
最高に生きられる自分はどこにいるのかを
すこしずつ見つけていく
それは
ほんの小さいけれどとても大きなチャンス
あの恋たちがおわびに少しだけ見せてくれた
確かな道への道しるべ