おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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第十七節

2005年12月18日 22時51分24秒 | 詩集『まわる世界の先駆者たち』
  第十七節


 本当に大切なこと
 みんな判っているはずなのに
 つい目先の結果を追い求め
 見失ってしまう

 みんな始めは必ずあるって信じていたはずなのに
 手に入れる前に傷つき
 疲れ果て
 そのうちに彼は言う
「そんなもの始めからなかったのだ」と。

 その日から
 大きな流れに飲み込まれ
 そして
 負けてしまう

 しかし彼に敗北感はない
 彼にとって
 自分の負けてしまった相手は
 もう存在しないのだから

 もはや これからの彼にとって
 それまでの彼は
 全く意味のないもの

 そして 昨日を忘れずに
 人は生きていけなくなる

 そしていつしか
 今を失わないため
 それだけのために
 人は
 生きていくようになる



「今を生きる」
 その言葉の
 もうひとつの
 悲しい意味