狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

続・教科書問題の住民監査請求

2012-04-09 06:57:58 | 八重山教科書採択問題

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八重山地区の月刊誌「月刊やいま」が「八重山教科書問題」を取り上げた。

現在発売中の4月号の「対論 教科書問題」。

対論とは言っても、編集部が用意した同じ質問に対し、元校長で八重山の論客鳩間昇さんとご存知「ゾンビの会」の共同代表仲山忠亮さんがそれぞれ別個に自論を述べるという形式。

質問に対する両者の見解で八重山教科書問題が浮き出る構成になっている。4ページに渡る全文を引用したいが、何分現在発売中の月刊誌ゆえ、残りは書店でお買い上げの上読んで頂きたい。 なお筆者は那覇市のパレット久茂地7Fの本屋さんで購入した。

以下一部抜粋で紹介。

■鳩間昇さん(74)八重山教育自治を守る会代表

選定をするのはあくまで協議会です。sかし竹富町が反対したからといって、県が介入して別の会を開いた。 そこで教育委員が全員揃ったから民主的だと圧力団体も民主主義の勝利だといって騒いだようですが、私はそれを違法だと思います。その理由は、石垣市の教育委員長には他の教育委員会の召集権限は無いからです。」

 

■仲山忠亮さん(79)子どもと教科書を考える八重山地区住民の会共同代表

育鵬社の教科書はまずいと思います。男女同権にしても、性差を説いてそれに従ううことが正しいように書く。平和の問題にしても、憲法9条には触れずに、自衛隊と日米安保が国を守っているという書き方。尖閣の問題にしても、こんちくしょう、やっつけてやれ、という気持ちを起こさせるような書き方ですよね。」

             ☆

教科書問題に関する住民監査請求の続きです。

前回のエントリーで「審査請求」と書いたが、「監査請求」が正しいようなので以後、監査請求と書く。

6日の監査請求は、県庁2階の監査委員会室で午後1時30分から途中15分の休憩を挟んで3時30分までの2時間にわたって行われた。

会場正面に4人の監査委員がこちらを向いて横並びに着席。

監査委員に向かって左側に監査請求人の2人が着席、右側には県(知事)の代理人6人が着席。 請求人の30分間の陳述から始まった。

子を持つ親でPTA役員も務めるという監査請求人のTさんは概略次のような陳述をした。

「私は子を持つ親として八重山地区で起きた教科書騒動に心を痛めながら見守ってきました。 結局竹富町は有償給付を寄付によってまかなうことになりましたが、同じようなことが生徒数の多い本島地区で起きたらと心配で他人事とは思えませんでした。 私の学校のPTA会で現役の教員が『戦争を賛美する育鵬社の教科書の採択は阻止せねばならぬ』と発言しています。 私たち保護者は教科書採択に口出しはしませんが、PTA会で教員がこのような発言をするのは、由々しき問題だと考えます。 しかし生徒を人質に取られた保護者は教員に反論は出来ません。この問題に関し適切な指導、助言をする立場の県教委は適切どころか違法な介入をし混乱を助長させました。 私は県教委の責任は重大と考え担当幹部職員の処分を要請いたします」

これに対し監査委員が次々と質問をし、陳述人がこれに答えた。

人間というのはその話す態度により自ずとその人となりが現れるもの。 

2番目の質問をした嘉陽監査院員はあたかも法廷で証人を反対尋問するように挑発的態度で陳述人に迫った。

あとでわかったが嘉陽監査委員は元バリバリの沖教組の教員出身で共産党の現職県議。

(以下各発言は要旨のみです)

嘉陽監査委員
「あなたは監査請求をするくらいだから、法律に詳しいのでしょう。 県教委の指導が違法だとして県職員に処分を要求しているが、これは裁判で損害賠償を請求することと同じ様なもの。 県教委が違法であるという蓋然性を示す法令を挙げ、その第何条がそれに相当するか答えて下さい」

これに対してTさんが敢然と反論した。

「私は法律の専門家でも何でもない普通の子を持つ一般住民です。 手元に六法全書の準備をしているわけでもなければ弁護士を伴っているわけでもありません。 従って貴方の言う違法の蓋然性を示す法令の何条かを指摘できません。 ただ県教委の八重山地区の指導は国会でも不当介入の疑いありと問題になり、文科省も調査すると答弁しています。 実際はそれから半年以上も混乱は続いているのです。県教委の指導に違法性があったと考えても不思議ではありません。」

嘉陽監査委員:
「貴方は育鵬社版と東京書籍版の教科書を読んでみましたか。そしてどちらの教科書を支持する立場なのですか」

T陳述人:
「教科書はどちらも読みました。 ですが前にも言いましたように、私たち保護者はどちらの教科書が良いといっているのではなく、県教委の指導が不適切で混乱を招いたと言っているのです」

嘉陽監査委員:
「そうですか。私は読んでいませんが、沖縄の地図が表紙に載っていない育鵬社の教科書は問題あり、と思いますがね」

驚いた。

公平であるべき立場の監査委員が沖教組や発狂新聞と同じ立場だと平気で発言しているのだ。 これでは県教委と同様に監査委員会も極悪複合体のメンバーだと疑われても仕方が無い。

嘉陽監査委員の質問の「県教委の違法性の蓋然性を示す法令」について参考になる記事が冒頭に引用した「月刊やいま」の「対論教科書」の中にあるので、次に引用する。

記事中、仲原ゾンビ氏は8月27日に竹富町が東京書籍版を採択したことに対し法的になんら瑕疵がないとした上、次のような発言をしている。

「しかし、教科書無償措置法の13条の4は、一つの採択地域において異なった教科書を採択した場合はその教育委員会は協議して種目ごとに同一のものにしなければならないとなっています。すると当然のことながら、3市町は協議して一つのものに決めなければならず、それをきめる場所が9月8日であったわけである。」

確かに無償措置法13条の4には次のように書かれている。

 第1項の場合において、採択地区が2以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。≫

ところが、採択の再協議をするには石垣市、竹富町、与那国町の3教育委員会がそれぞれ再協議に合意することが前提である、と文科省通達を出している。

無償措置法13条の4の運用に関して文科省の山中初等中等教育局長は義家弘介参議院議員の質問に答えて次のような「確認書」を示している。

       教科書採択における文部科学省との確認事項

                         参議院議員 義家弘介

昨日から連続して、文部科学省初等中等教育局の山中局長をはじめとする文
部科学省担当者と、八重山地区における教科書採択についての重要事項を確認
しました。確認事項は、以下の通りです。

① 石垣、与那国、竹富の三市町合意の上で設置され、選定教科書を協議して
きた八重山地区採択協議会の議論、および結論は、『義務教育諸学校の教科用
図書の無償措置に関する法律』の第十三条四項における、「同一の教科用図書
を採択」するための「協議」において出された結論に該当する。

 ② 『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』の第二十三条および第二十
三条六項に明記されている、教育委員会の教科書採択の管理、執行は、原則
として『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』に基づく
「協議」の結果として出された「答申に基づいて」行われるべきものである。

③ ただし、『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』の、採択
地区内の市町村の教育委員会における「協議」には明確な定義はない。八重
山地区採択協議会で行われた「協議」が当然、これに該当するが、三市町の
教育委員会が、それぞれ、「新たな協議の場」を設置することに「合意」する
なら、別の「協議の場」を設定し、議論することもあり得る。
 
④ しかし、石垣、与那国は、採択協議会の協議の結論に基づいてすでに採択
しており、沖縄県教委が本日提案している会議を、『義務教育諸学校の教科用
図書の無償措置に関する法律』第十三条四項にある「協議」の場とするには、
三市町教育委員会がそれぞれ委員会で、そのことに「合意」することを前提
とする。

⑤  県教委の法律に基づいた権限は、各教育委員会への「指導・助言・援助」
であり、「新たな協議の場を作ることを促す」ことは出来ても、主体的に「協
議の場を設置する」ことは出来ない。あくまでも「協議の場の設置」主体は、
石垣、与那国、竹富の教育委員会である。
 八重山地区採択協議会には、竹富町からも参加しており、そこで出された結
論には法律的に整合性がある

             ☆

 つまり仲山ゾンビ氏らが金科玉条のように主張する無償措置法13条4による再協議には上記確認書③④が言うように、「3市町の教育委員会がそれぞれの教委で、合意することを前提とする」ということになる。

周知の通り、石垣市教委と与那国町教委はそれぞれ再協議に合意していない。

これは発狂新聞が決して伝えない「不都合な真実」だが、産経新聞が次のように報道している。

育鵬社不採択「無効」 文科省 3教委で合意なし
2011.9.13 01:30
 <
 文科省に対して県教委側は改めて手続きの正当性を強調。しかし、文科省は(1)県教委の権限は各教委への指導、助言にとどまる(2)あくまで「協議の場」を設置する主体は県教委ではなく3教委(3)その当事者2教委から無効を訴える文書がある以上、県教委の説明で「3教委に合意がある」とするのは無理があると判断。「逆転不採択」を有効とは判断しない方針だ。

文科省は県教委に対し、3教委の教育委員全員の協議が行われた8日以前に、「3市町の教育委員会がそれぞれの教委で、合意することを前提とする」よう通知していた。しかし、県教委は文科省通知を無視する形で8日の協議を進め、「不採択」としていた。

 育鵬社の教科書を選定した八重山採択地区協議会での採択経緯に法的な問題はなく、現時点では同協議会での決定事項のみが有効となる見通しだ。>

               ☆

>県教委は文科省通知を無視する形で8日の協議を進め、「不採択」としていた。

これだけでも県教委の違法性の蓋然性は限りなく高いのではないですか、嘉陽監査員さん。

15分の休憩の後今度は県(知事)の代理人の陳述及び監査委員による質疑が開始された。

前述したように法律に詳しい?と思われる総務課長以下3人の総務課職員と2人の義務教育課職員の計6人がそれぞれ両手に紙袋に資料と思しき分厚い大量のファイル類を下げて会場入りしたときは、まるで引越し騒ぎの様相であった。

運天総務課長の陳述は一言で言って傍聴人には不意親切で意味不明。 

代理人が読み上げる陳述書が意味不明な理由は、頻繁に出てくる関連法令の名を「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」などと一々フルネームで読むせいだが、これでは傍聴人はたまったものではない。

何とか推測すると、概略「県教委の指導は関連法令に則って適切に指導・助言したのであり、請求人の言うような違法行為は無いので処分請求には当たらない」ということらしい。

嘉陽監査委員は県代理人に対してはこれといった印象に残る質問は無かったが、又吉監査委員が県の県の代理人に対し教育委員会の持つ構造的問題に関わる質問をした。

前回のエントリーから再現する。

(又吉監査委員の質問に)代理人たちは返答に詰まり、動揺したが、実はこれが八重山教育騒動の原因になったとも言える重要な質問であり、これだけでも昨日の住民審査会は意義があったと考える。

質問「県教育長を処分する権限は誰にあるか」

県運天総務課長「知事にあります」

質問「それはわかっています。私が言うのは事実上誰が処分の決済をするのかということ」

補佐人たちは即答できず、しばらく鳩首協議。

・・・じばら熟慮の結果

運天課長「県教育委員長です」

これが実は教育行政の重要問題を浮き彫りさせたことになる。

県教育長の建前上の上司は県知事である。 ところが県知事は「教育への行政の不介入」を盾に、今回の教科書騒動でも半年以上にも及ぶ混乱を目の当たりにしながら一言も発言をしていない。

県教育委員会は県の組織の中で事実上独立した存在になっている。 

大城県教育長の上司は県教育委員長であるが、素人が教育委員になるという建前で、現在の県教育委員長も現職の医師で教育行政の素人である。 そこで教育行政の専門家という立場で事務方のトップを務めるのが教育長という立場である。

大城教育長は建前上は上司である県教育長に頭を下げるが、事務方のトップとして隠然たる権力を手中に握っているのは県教育長である。

県(知事)の代理人の運天総務課長が、又吉監査委員の質問の返答に詰まり、仲間と相談の結果「県教育委員長です」と答えた意味は、素人の教育委員長は、実際は実力者の県教育長を処分は出来ないということである。

大城県教育長は県の最高権力者にも、直接の上司の県教育委員長にも実際は処分されな独裁者のような立場にあるということになる。

その結果文科相の指導にも逆らって、極悪複合体が支持する教科書を採択させるため不当介入を続けている。

大城県教育長が恐れるのは知事でもなければ、県教育委員長長でもないオ。 自分の支持母体である沖教組と沖縄2氏の顔色を伺う事だけが怖いのである。

独裁者大城県教育長の部下の狩俣課長が「採択協議」と認めた「9・8井戸端会議」を盾にごり押しを続ける慶田盛竹富町教育長が「沖縄のヒトラー」と呼ばれるのもむべなるかな、である。

 

【追記】

請求人は6日の住民監査請求で言いたいことがあれば4月10日までに文書で申し出るように、との事。

土日を挟んで僅か4日で文書を出せとは、事実上の拒否のようなもの。一般住民に対してはせめて2週間くらい猶予を与えるのが親切ではないか。

 

 

■■沖縄県祖国復帰40周年記念大会についてお知らせ■■

 

政府や沖縄県は特定の限られた人々で復帰40周年の式典を行う予定です。

当然の事ながら、祖国復帰40周年は、県民あげ、国民をあげて祝うべきものと思います。

私共は、以下のように県内外の有志により、祝賀行事の実行委員会を立ち上げ記念行事を企画致しましたので、多くの方々の参加をお願い申し上げます。

◆日の丸パレード (自由参加)

5月12日(土)11時30分普天間宮集合 同45分出発⇒徒歩20分⇒宜野湾市民会館着

*小旗を用意しております。国旗の持参は大歓迎*300人程度の参加を予定しております。

 

◆記念大会 

5月12日(土)会場:宜野湾市民会館 

入場料:500円 会場1200席

オープニングセレモニー:13時30分 

県内外の有識者挨拶

特別提言:ペマ・ギャルポ桐蔭横浜大教授「我が祖国チベットと沖縄」

基調講演:津川雅彦(俳優)
       「日本人の誇り―沖縄県祖国復帰40周年を迎えて」

琉球・国まつり太鼓 若手30人による演舞

閉会16時

 

◆祝賀レセプション

16時15分より

会場:ジュビランス(宜野湾市民会館向い)

会費:4,000円(検討中)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

主催:沖縄県祖国復帰40周年記念大会実行委員会

連絡先:波の上宮内 090-6831―0989 坂本まで

          Fax098(868)4219

 

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