浦添市内の病院から退院した翁長雄志同県知事は、本年十二月の任期満了まで務めると宣言した.
だが、現実的に言えば膵臓癌の「ステージ2」で「二期目を目指した立候補」などできるはずはない。
これまで「オール沖縄」を支えてきた「金秀」も「かりゆし」も「泥舟」から逃げたのであり、もうこの時点で翁長氏の再出馬は絶望視されていたはずだ。
だが、沖タイら支援団体は、ここで翁長氏に「勇退」という白旗を掲げさせるわけのは行かない。
翁長氏が不出馬となれば、「腹6分腹8分」などの詭弁を弄して保守票を取り込む革新候補は見当たらないからだ。
沖タイは、社説で「がん患者に対し、死ぬまで働け」みたいなブラック企業の論理を突きつけている。
≪少しやつれた印象を受けたものの、淡々とした口調で病状を語り、「知事としての責任を全うしたい」との強い意志を示した。
膵臓(すいぞう)の腫瘍の摘出手術を受け入院していた翁長雄志知事が15日、退院し、約1カ月ぶりに登庁した。
会見では、「1日1日公務をしっかりこなしていく」と述べ、出馬に関する質問には答えなかった。≫
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≪今のところ与党や労組などでつくる知事選の調整会議は「翁長氏擁立」の姿勢を崩していない。
翁長氏を支持する企業や保守中道を中心とする県議、市町村議員らが新グループを結成する動きもあり、2期目を前提にした体制再構築も進む。≫
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≪ 翁長氏は、胃の全摘手術を受けた後、残りの人生を「沖縄県民の心を一つにする政治の実現」に尽くす決意をしたと自著に記している。
4年前の知事選で繰り返した「イデオロギーよりアイデンティティー」は、県民が心を一つにする「オール沖縄」体制構築の訴えでもあった。
翁長氏は政府・自民党から激しい批判や圧力を受けながらも、これまで基本姿勢がぶれることはなかった。
しかし新基地建設を巡る選挙公約の実現はまだ道半ばである。≫
問題は、この部分だ。
「翁長氏は政府・自民党から激しい批判や圧力を受けながらも、これまで基本姿勢がぶれることはなかった」
翁長氏がガンに耐えて知事選に立候補し、途中でドクターストップでピンチヒッターが事実上の「弔い合戦」で立候補したらどうなるか。
「安倍自民党政府の激しい圧力に耐えて辺野古反対を唱えた信念の人」という英雄的イメージが形成される。
沖縄2紙が、捏造記事で翁長氏を「第二のカメジロー」に仕立て上げることは造作も無いことだろう。
がん公表の翁長知事は、知事選に出馬すべきではない。
がん治療に専念し、公私共に休養し、長生きして欲しい。
結局、それが県民にとって一番の幸せになるから。
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- 公務復帰に意欲を示す知事に県政与党は安堵。出馬要請へ準備
- 野党は「激務を担うのは困難」とけん制。「休んでと言うべきだ」
- 「ここまできたら主張を貫くのでは」と政府は辺野古撤回を警戒
沖縄が日本へ復帰してから46年を迎えた15日、翁長雄志知事が退院し公務への「復帰」へ意欲を示した。予定より早い退院に県政与党からは安堵(あんど)の声が漏れ、野党は「知事の激務を担うのは困難だ」とけん制する。知事選への立候補は可能なのか、名護市辺野古の新基地建設阻止に向けた埋め立て承認撤回は実行するのか-。知事選と辺野古新基地問題という「二大局面」を見据え、与野党で思惑が交錯する。(政経部・大野亨恭、銘苅一哲、東京報道部・大城大輔)
「一日も早く公務に復帰し、私に与えられた知事の責任を全うしていきたい」
手術後、初めて公の場に姿を見せた知事は、県庁での会見でこう強調した。
この日退院した知事は約1カ月ぶりに県庁に足を踏み入れ、報道陣に「精いっぱい、仕事を責任を持って頑張っていきたい」と公務復帰へ決意を語った。
「翁長の代わりは翁長」
入院前よりもやせているが、県庁幹部は「歩きも会話も普段通り。食事療法で体重は落ちたが、本人は『おいしいものが食べたい』と言っている」と健在ぶりを説明する。会見後、知事の後援会関係者は「翁長さんは胃がんも乗り越えたタフな人間だ」と自分に言い聞かせるように語り、早期復帰に期待を寄せた。
知事の姿に、今秋予定の知事選で翁長氏擁立を決めている県政与党議員らは胸をなで下ろした。
与党関係者の一人は「翁長の代わりは翁長。代われる人はいない」と語り、再選へ向け準備を加速させる構えを見せる。与党幹部は経過観察が必要としつつ「次回の調整会議から出場要請に向けた詰めの作業に入る」と自信を見せる。
「休んでと言うべきだ」
一方、がん再発への懸念や抗がん剤治療と並行した公務継続への不安、そして2期目立候補の断念を予想する声も根強い。
「抗がん剤治療が必要なら知事は6月議会に出られないのではないか」。県政野党の重鎮はこう指摘する。与党内でも6月議会に出られなければ「公務をこなせないのに出馬の話はできない。先が見通せなくなる」と不安の声もある。
また、別の野党関係者は国立がん研究センターの統計で知事が診断された「ステージ2」の5年生存率が低いことに触れ「2期目出馬は絶望的だ。県政がレームダック(死に体)になったとしても早期に後継者に引き継ぐのが政治家としての責任だ」とけん制する。
さらに、批判の矛先は翁長氏擁立に動く与党にも向けられる。「出馬の可否を知事自身に判断させるのはあまりにも酷だ。健康を最優先に与党から休んでほしいと言うべきだろう」と指摘する。
辺野古新基地建設に反対する知事の目下の最重要課題は埋め立て承認撤回だ。この日の会見場には、外務省や沖縄防衛局の職員も姿を見せ知事の発言に耳を傾けた。政府内からは「かなりやせている。再選出馬はやはり厳しいのではないか」と驚きの声が上がる。
一方、知事の公約である撤回について政府関係者は「ここまできたら主張を貫くのでは」と警戒を強めた。