今年、4冊目の中脇初枝さんです。
前に読んだ「みなそこ」では散々な低評価だったのですが、この小説は最高の出来でした。
三月に捨てられていたから弥生と名付けられたヒロインは、施設から出た後、准看護師として周りの顔色をうかがいながらひっそりと生きていました。
そこへ、新しい師長が転勤してきて、その行いを見ているうちに、少しずつ変わっていきます。
ずっと不幸であった自分が、ほんとうは如何に恵まれていたかに気が付くのです。
そして、真の意味で、自分自身の力で生きていける女性へと成長し物語の幕を閉じるのでした。
特に女性へお勧めの一冊です。