身長154センチ、体重41キログラムの女性パイロット、ハンナ・ライチュの自伝です。
小柄で華奢な彼女が、鍛え上げられたゲルマン民族の男たちに混じって、テストパイロットとして第二次世界大戦を駆け巡る、漫画にもならないような奇想天外な記録となっています。
飛行に魅せられ、グライダーにのって空飛ぶ医師を目指した彼女ですが、やがて空を飛ぶことを専門とすることになります。飛行機黎明期のころですので、周りは屈強な命知らずの男たちばかり。しかし、命知らずと言う点では、彼女の方が一枚上手だったようです。
数々のグライダーの新記録を打ち立てていきます。
戦争がはじまると、彼女はテストパイロットとして活躍。
史上初のロケット戦闘機Me163、ジェット戦闘機Me262、有人爆弾V1など、当時、世界最先端の飛行機に乗り込み大空を駆けまわります。
それどころか、陥落寸前のベルリンに降り立ち、自殺を覚悟したヒトラーと面会、その後、練習機でベルリンを脱出し、終戦まで飛行をつづけアメリカ軍の捕虜になるまでが語られていました。
フィクションであってもなさそうな奇想天外なスーパーアクションではありますが、これが事実なのだから、「きっかねぇおなごもいたもんだ」と方言で語るしかないのです。