40年くらい前に読んだ『現代思想』に書いてあったと思うのだけど、戦争は、人間が持つ未来を予測する力が起こすと説く理論があった。「あいつは俺を攻撃してくるのではないか?」「この国を滅ぼそうとするのではないか?」などと予測することにより、戦争が起こるというのです。
この視点で、ロシアのウクライナ侵攻のプーチンの気持ちを予測してみました。
侵略戦争を擁護する気はないので念のため断っておきます。
ロシアの主張としてはウクライナのNATO加盟阻止が一貫しています。おそらく平和的に外交をして阻止しようとしていたのでしょうが、うまくいかなかったようです。
もし、ウクライナがNATOに加盟するとどうなるかと言えば、ロシアの領土にNATO軍が食い込み、もし、NATOがロシアに攻めてくれば、簡単にコーカサス方面が孤立させられてしまいます。そうなるとロシアは中東と地中海への道を閉ざされることになります。
ウクライナのロシア領を挟んだ対岸にあるカザフスタンについて調べてみたら、一応、ロシアを最重要国というスタンスを取っているようですが、ロシア人はロシアへ移住する傾向にあるようだし、イスラム国家でもあり、援助国のベスト3がアメリカ、ドイツ、フランスとあっては、いざとなったらどちらに転がるか解りません。
プーチンとしては、ウクライナのNATO加盟は絶対に阻止したいと考えても不思議では無いです。
キエフ占領でウクライナの傀儡化が難しくなった今、東部を切り離すことに目標が変更されたのもこの事実を裏付けていると思います。
冷戦でソ連が崩壊した経験があるので戦わずして負けるより、簡単に降伏させられるとふんで賭けにでたのでしょう。
それだけ追い詰められていたとも言えますが、ロシアもNATOに加わるとか、EUに加わるとか平和的な解決方法は無かったのかな? とも思います。