田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『罠』

2018-11-22 12:58:50 | 1950年代小型パンフレット

『罠』(49)(1989.12.17.)

 落ち目のボクサー(ロバート・ライアン)が、八百長を仕掛けられたことを知らぬまま、新たな生活を夢見てリングに上るが…。ロートルボクサーと妻(オードリー・トッター)の愛情を、映画内の時間と映写時間を一致させながら描いた。



 名優ロバート・ライアンがかつてはボクサーだった、という話は知っていたが、この映画はそうした彼の経歴を生かして、見事なボクシングシーンを見せてくれた。それも『ロッキー』シリーズのシルベスター・スタローンのような“作られた体”からではなく、生身の体から繰り出す鋭いパンチが、見る者を圧倒する力とリアリティを持って迫ってくるのである。

 同じ年に、やはりボクシングの八百長を描いたカーク・ダグラス主演の『チャンピオン』が作られたことも興味深いが、それは、ボクシングが持つ醜さや汚さといった側面が第二次大戦直後という時代背景とマッチしたからだろうし、その分、社会の暗部を描くには題材として都合がよかったからだろう。ボクシングというスポーツが、今の華やかさとは全く異なる形で捉えられていたのだ。

 この映画の監督のロバート・ワイズは、今ではアカデミー協会の会長に収まっているが、かつてはこの映画をはじめとする社会派もの、あるいはSF、ミュージカルと、ジャンルにとらわれず、幅広い映画を撮ったいわゆる“職人監督”の一人であったことを思い出した。

ロバート・ライアンのプロフィール↓


ロバート・ワイズのプロフィール↓

パンフレット(51・新世界出版社(NIKKATSU WEEKLY))の主な内容
解説/ストーリイ/アメリカの批評/監督ロバート・ワイズ

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『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』アリソン・スドル&ダン・フォグラー

2018-11-22 08:33:46 | 仕事いろいろ

 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、前作に続いて魔女のクイニーを演じたアリソン・スドルとその恋人のジェイコブを演じたダン・フォグラーにインタビュー取材。



 前作のニューヨークに続いて再現された、1920年代のパリのセットの豪華さに驚いたと口を揃える。今回は2人の関係にも新たな展開が見られる。

詳細は後ほど。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/bb14ffb0c53d2872ad66761d4bea7c87

前作『~魔法使いの旅』のインタビューは↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1079754

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『砦のガンベルト』ブルーレイ発売

2018-11-22 06:59:55 | 復刻シネマライブラリー

 「復刻シネマライブラリー」 リーフレットの解説を執筆したロッド・テイラー、アーネスト・ボーグナイン、ルチアナ・パルッツイ主演の西部劇が12月10日から発売に。

 マカロニウエスタンの影響を受けた“本家西部劇”。回想を取り入れたミステリー的な要素もある。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07KQ967K5

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