『孤独な天使たち』(2013.4.4.)
ベルナルド・ベルトルッチ、10年ぶりの監督復帰作。両親が旅行に出掛けた1週間、地下室に潜んだ少年と異母姉の姿を描く。
ベルトルッチの映画にしては、随分とこじんまりとしていて驚いたが、地下室という閉ざされた空間での秘密の行為は『ラストタンゴ・イン・パリ』(72)を思い起こさせ、麻薬中毒の姉を見守る弟というのは、同じく麻薬中毒の息子を見守る母という『ルナ』(79)の逆パターンでもあり、実は彼がこだわり続けてきたエディプスコンプレックス的な母性について描いた作品だとも言えるのでは、と感じた。
何より地下室のセットがいい。劇中に流れるデビッド・ボウイの「スペイス・オディティ」のイタリア語バージョンも印象的だった。