田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『俺が犯人(ホシ)だ!』

2018-11-24 12:15:20 | 1950年代小型パンフレット

『俺が犯人(ホシ)だ!』(55)(1983.8.23.)

 刑務所から出所したロイ(ジャック・パランス)は、堅気になることを望むが、強盗の腕を買われ、シエラ山系にあるホテルの売り上げ金強盗計画に加わることになる…。ラオール・ウォルシュ監督の『ハイ・シエラ』(41)のリメイク作。監督はスチュアート・ヘイスラー。プログラムの表紙はシェリー・ウィンタース。



 東京12チャンネル「昼の映画劇場」で珍しい映画が放送された。製作は1955年。今からおよそ30年前の映画である。従って、ストーリー云々よりも、出てくる俳優(ジャック・パランス、シェリー・ウィンタース、リー・マービン、アール・ホリマン…)の若き日の姿の方に目が行ってしまった。

 ストーリーはハードボイルドタッチだが、犯罪の手口や、犯人(パランス)の人物描写を見ると、古くささを感じさせられるのは否めない。追われる身であるにもかかわらず、あまりにも犯人が堂々と、のんびりし過ぎていて、われわれがこの手の映画に求めるハラハラドキドキが薄いのである。

 まあ、30年という時の流れを思えば、最近のスピーディーな犯罪映画と同一線上で考えてしまう方がおかしいのかもしれないが…。

ジャック・パランスのプロフィール↓


シェリー・ウィンタースのプロフィール↓

パンフレット(56・外国映画社)の主な内容は
解説/この映画の監督スュチアート・ハイスラー/製作ウィリス・ゴールドベック/物語/この映画の原作・脚本W・R・バーネット/ハイスラー=パランス=ウィンタース(槇由起雄)/ジャック・パランス、シェリー・ウィンタース

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『勇者のみ』

2018-11-24 11:03:29 | 1950年代小型パンフレット

『勇者のみ』(51)(1992.1.9.)

 舞台は、南北戦争直後のニュー・メキシコ。卑怯者の烙印を押された騎兵隊の大尉(グレゴリー・ペック)が、インディアンとの戦いを通じて汚名を返上するまでを描く。



 図らずも、こうした旧作を見れば見るほど、もう真っ当な西部劇は作れない、という事実を思い知らされてしまう。例えば『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)を見た後でこの映画を見ると、ペック演じる主人公がインディアン相手に騎兵隊員としての尊厳を必死に守ろうと努力する姿を見せられても、素直にうなずけないし、ハッピーエンドにも空しさを感じてしまう。

 もちろん、それは時代差が生んだ感慨であり、そんなふうに昔の映画を見たら、面白くないのは分かっているのだが…。多くの西部劇が描いた、騎兵隊=正義、インディアン=悪という図式は、今見るとつらいものがある。



パンフレット(52・国際出版社)の主な内容
解説/梗概/出演者素描グレゴリイ・ペック、バーバラ・ベイトン、ロン・チャニイ・ジュニア、ウォード・ボンド/「欲望という名の電車」紹介 

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