『奥様は魔女』(42)(1997.2.1.)
子供の頃、大いに楽しませてもらったテレビシリーズの原点となった映画。おまけに監督は、当時ハリウッドに渡っていた“人間喜劇の名手”ルネ・クレール、と来れば、期待しない方がおかしい。
ところが、何かテンポがずれた感じがして、大満足とはいえない出来だった。釈然としないま、双葉十三郎さんの『ぼくの採点表』を読んでみると…。「画面になにか間があくのは、アメリカ映画の演技とクレールのフランス的感覚の間のひらきの結果だろうか」とあった。なるほど、これは最近の“売れればハリウッドへ”の各国の監督たちの映画にも通じるものがあるなあ。
ところで、主役のフレドリック・マーチは、これまではウィリアム・ワイラーの『我等の生涯の最良の年』(46)や『必死の逃亡者』(55)での父親役などで、硬いイメージがあったのだが、この映画の“ダーリン役”は、そうしたイメージを逆手に取って、妙なおかしさを生み出していた。変な話、クリストファー・ロイドに似ていなくもない。このあたりに、クレールの演出の妙が発揮されていたのか。
その半面、魔女役の“幻の女優”ベロニカ・レイクが、思っていたほど魅力的ではなかったのが残念。どちらかと言えば、憎まれ役を演じたスーザン・ヘイワードの方が我が好みだった。
【今の一言】2005年にノーラ・エフロン監督、ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル主演で『奥さまは魔女』が製作されたが、これはテレビシリーズを映画化したものだった。
フレドリック・マーチのプロフィール↓
スーザン・ヘイワードのプロフィール↓
子供の頃、大いに楽しませてもらったテレビシリーズの原点となった映画。おまけに監督は、当時ハリウッドに渡っていた“人間喜劇の名手”ルネ・クレール、と来れば、期待しない方がおかしい。
ところが、何かテンポがずれた感じがして、大満足とはいえない出来だった。釈然としないま、双葉十三郎さんの『ぼくの採点表』を読んでみると…。「画面になにか間があくのは、アメリカ映画の演技とクレールのフランス的感覚の間のひらきの結果だろうか」とあった。なるほど、これは最近の“売れればハリウッドへ”の各国の監督たちの映画にも通じるものがあるなあ。
ところで、主役のフレドリック・マーチは、これまではウィリアム・ワイラーの『我等の生涯の最良の年』(46)や『必死の逃亡者』(55)での父親役などで、硬いイメージがあったのだが、この映画の“ダーリン役”は、そうしたイメージを逆手に取って、妙なおかしさを生み出していた。変な話、クリストファー・ロイドに似ていなくもない。このあたりに、クレールの演出の妙が発揮されていたのか。
その半面、魔女役の“幻の女優”ベロニカ・レイクが、思っていたほど魅力的ではなかったのが残念。どちらかと言えば、憎まれ役を演じたスーザン・ヘイワードの方が我が好みだった。
【今の一言】2005年にノーラ・エフロン監督、ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル主演で『奥さまは魔女』が製作されたが、これはテレビシリーズを映画化したものだった。
フレドリック・マーチのプロフィール↓
スーザン・ヘイワードのプロフィール↓