田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『わが谷は緑なりき』

2019-02-13 13:23:35 | 1950年代小型パンフレット

『わが谷は緑なりき』(41)(2007.1. 26.)



 ジョン・フォード監督の名作を再見。ウェールズの炭鉱町を舞台にした一種の家族劇だが、ボクサーくずれの男や悪役の教師など脇役の点描が見事。アーサー・C・ミラーのモノクロ撮影も素晴らしい。小津安二郎が「フォード映画の良さは、どこを切って(見て)もフォードの味がでているところ」みたいなことを言っていたようだが、まさに至言。

ウォルター・ピジョンのプロフィールは↓


モーリン・オハラのプロフィール↓


ロディ・マクドウォールのプロフィールは↓

パンフレット(50・アメリカ映画宣伝社(American Picture News)の主な内容
解説/物語/映画の原作リチャード・レェウリン/ウォルター・ピジョン、モオリン・オハラ、ロディ・マクドウォール/鑑賞講座「わが谷は緑なりき」が呼びかけるもの(上村弘之)

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『バンブルビー』

2019-02-13 09:24:36 | 新作映画を見てみた


 舞台は1987年。父の死によって心に傷を抱えた少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は、敵との闘いでボロボロになり、黄色いフォルクスワーゲンになった地球外生命体を発見する。

 この映画の主役は『トランスフォーマー』シリーズの人気キャラクター、バンブルビー。時をさかのぼり、シリーズの始まりの物語を描く。監督はマイケル・ベイからトラビス・ナイトに引き継がれた。

 地球に危機が迫っているはずなのに、全く緊張感のない展開は、能天気で無邪気だった80年代のSF映画を思い出させるし、チャーリーを中心としたコミカルな人物像は、ジョン・ヒューズの学園ものや家族ものをほうふつとさせる。要は、この映画はファンタジーの形を借りた一人の少女の成長物語なのである。

 この映画の製作者の一人でもあるスティーブン・スピルバーグは、80年代テイスト満載の『レディ・プレイヤー1』(18)の時に、「80年代はイノセントで楽観的な時代だった」と前置きした上で、製作の理由を「観客を空想と希望のある世界にいざないたかったから」と語っていたが、この映画もそうした思いを反映させているのだろう。そこに素直に乗れるか否かが、この映画の評価や好き嫌いの分かれ目になると思う。

 また、言葉を失ったバンブルビーが、カーラジオから流れる曲の詞で感情を表現するという設定だけに「ルール・ザ・ワールド」(ティアーズ・フォー・フィアーズ)「セイヴ・ア・プレイヤー」(デュラン・デュラン)「ハイアー・ラヴ」(スティーブ・ウインウッド)などなど、懐かしの80年代のヒット曲が目白押し。中でも「テイク・オン・ミー」(a-ha)は『レディ・プレイヤー1』や『デッドプール2』(18)でも効果的に使われていた“人気曲”だ。
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『傷だらけの栄光』

2019-02-13 06:14:36 | 1950年代小型パンフレット

『傷だらけの栄光』(56)(2008.12.3.)



 主人公は実在の世界ミドル級チャンピオン、ロッキー・グラジアノ。生身をぶつけて熱演する若き日のポール・ニューマン、監督ロバート・ワイズ、脚本アーネスト・レーマンの見事なストーリーテリング、ジョセフ・ルッテンバーグの鮮やかなモノクロ撮影…。職人たちが集まって作った佳作中の佳作。

 「SOMEBODY UP THERE LIKES ME」(上にいる誰か(神様)がオレのことを好きなんだ)という原題も、後のニューマンの人生を象徴するようないいタイトルだ。

ポール・ニューマンのプロフィール↓


ピア・アンジェリのプロフィール↓


ロバート・ワイズのプロフィール↓


こんな雑誌を作っていたのも今は幻…
 

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