『大いなる遺産』(46)(1987.10.11.)
17世紀初頭のロンドン。20歳になった孤児のヒップ(ジョン・ミルズ)は、ある人物から莫大な遺産を受け取るが…。チャールズ・ディケンズの名作を映画化。スペクタクル映画を撮る以前のデビッド・リーンが正攻法で描く。
この映画、ガイ・グリーンの奥行きのある撮影が素晴らしく、モノクロの絵画を見ているような気分になる。ただ、この手の成長映画の子役から大人の俳優への転換の難しさ、つまりイメージの引継ぎの難しさが、この映画にも如実に表れている。
何しろヒロイン・エステラの少女時代を演じたジーン・シモンズが、あまりにも光り輝いていて、後に大女優となる片鱗を垣間見せるから、引き継いだエステラ・ハビシャムがかわいそうな気さえするのだ。
それにしても、こうした昔のイギリス映画の特徴だった格調高い映像美は、このリーンやキャロル・リードたちの時代とともに消滅してしまったのだろうか。最近はイギリス映画なのかアメリカ映画なのか、区別がはっきりしないような気がする。その復活については、『炎のランナー』(81)や『グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説』(83)のヒュー・ハドソンあたりに期待したい。
【今の一言】その後、期待したヒュー・ハドソンは思いのほか伸びなかった。またこの映画は、1998年にアルフォンソ・キュアロン監督、イーサン・ホークのピップ、グウィネス・パルトローのエステラでリメークされた。
名画投球術 No.7. 「いろんな不倫が見てみたい」デビッド・リーン
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6656d135892f89a5ee867ce45b7c7437
ジーン・シモンズのプロフィール↓
17世紀初頭のロンドン。20歳になった孤児のヒップ(ジョン・ミルズ)は、ある人物から莫大な遺産を受け取るが…。チャールズ・ディケンズの名作を映画化。スペクタクル映画を撮る以前のデビッド・リーンが正攻法で描く。
この映画、ガイ・グリーンの奥行きのある撮影が素晴らしく、モノクロの絵画を見ているような気分になる。ただ、この手の成長映画の子役から大人の俳優への転換の難しさ、つまりイメージの引継ぎの難しさが、この映画にも如実に表れている。
何しろヒロイン・エステラの少女時代を演じたジーン・シモンズが、あまりにも光り輝いていて、後に大女優となる片鱗を垣間見せるから、引き継いだエステラ・ハビシャムがかわいそうな気さえするのだ。
それにしても、こうした昔のイギリス映画の特徴だった格調高い映像美は、このリーンやキャロル・リードたちの時代とともに消滅してしまったのだろうか。最近はイギリス映画なのかアメリカ映画なのか、区別がはっきりしないような気がする。その復活については、『炎のランナー』(81)や『グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説』(83)のヒュー・ハドソンあたりに期待したい。
【今の一言】その後、期待したヒュー・ハドソンは思いのほか伸びなかった。またこの映画は、1998年にアルフォンソ・キュアロン監督、イーサン・ホークのピップ、グウィネス・パルトローのエステラでリメークされた。
名画投球術 No.7. 「いろんな不倫が見てみたい」デビッド・リーン
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ジーン・シモンズのプロフィール↓