田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

熱海・伊豆山神社「草燃える」と『炎環』

2019-02-12 16:14:20 | 雄二旅日記


 熱海に一泊し、伊豆山神社を参拝。調子に乗って本宮まで行ったら、まるで登山だった。

 ここは、伊豆に流罪となった源氏の御曹司・頼朝と、地元の豪族、北条氏の娘・政子が逢瀬を重ねた場所として有名。1979年の大河ドラマ「草燃える」では、石坂浩二が頼朝、岩下志麻が政子を演じたが、裏の主役は松平健が重厚に演じた北条義時だったような気がする。

 その原作となった永井路子の『炎環』は、異なった人物の視点で同時代を描いた4編からなる連作小説。どれも読み応えがあるが、とりわけ、頼朝の異母弟・全成の目を通して語られる「悪禅師」、いつもは憎まれ役の梶原景時を気骨のある人物として描いた「黒雪賦」が出色。直木賞受賞も納得の出来だ。

熱海が出てくる映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7e51f84f28f222f3152849918a2262ed
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『失われたものゝ伝説』

2019-02-12 13:01:13 | 1950年代小型パンフレット

『失われたものゝ伝説』(57)(2009.7.22.)



 サハラ砂漠の奥地にあるとされる伝説の古代都市を求めて、宣教師(ロッサノ・ブラッツィ)と、彼に思いを寄せる女(ソフィア・ローレン)、そして道案内を引き受けた男(ジョン・ウェイン)が一緒に旅に出るが…。

 ウェインのバトジャックプロ製作。なぜかローレン、ブラッツィというイタリア勢が共演。砂漠を舞台にした冒険ロマン+三角関係劇なのだが、ヘンリー・ハサウェイ監督作にしてはいささかしまりがない。破れた服、肌に浮かぶ汗など、ローレンのエロチックさを強調する仕掛けが目を引く。

ジョン・ウェインのプロフィール↓


ソフィア・ローレンのプロフィール↓

パンフレット(57・外国映画出版社)の主な内容は
かいせつ/叩かれたものの歎き/シノプシス/スタアメモ(ソフィア・ローレン、ロッサノ・ブラツチ、ジョン・ウエイン)/スタッフのメモ(ヘンリー・ハサウエイ、ジャック・カーディフ、ベン・ヘクト)

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『拳銃無宿』

2019-02-12 08:14:29 | 1950年代小型パンフレット
『拳銃無宿』(47)(2009.12.21.)



 原題は「ANGEL AND THE BADMAN」。ジョン・ウェイン=デューク扮するお尋ね者が、知り合ったクエーカー教徒一家の娘(ゲイル・ラッセル)と恋仲になり、銃を捨てるというお話。デュークが銃を撃たない異色西部劇というよりも、自身が製作した映画なのに、老保安官を演じた大先輩のハリー・ケリーにカッコいい場面を譲っている点が興味深い。

 また、大林宣彦監督などが、デュークがラッセルに特別な思いを抱いていたという説を取っているが、そうした目で見ると、確かにこの映画のラッセルを見つめるまなざしや物腰は、ほかの女優に対した時とは明らかに違うようにも見える。

 とはいえ、この映画は、脚本家のジェームズ・エドワード・グラントが監督しているだけに、ストーリー展開がいいし、ジョン・フォードともつながりが深いアーチー・スタウトの撮影も見事。モニュメントバレーを背景にしたアクションシーン(特に馬)のスピード感には改めて目を見張らされた。

ジョン・ウェインのプロフィール↓


ゲイル・ラッセルのプロフィール↓

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