田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』

2020-12-09 10:47:12 | BIG ISSUE ビッグイシュー

『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』(06)(2007.12.1.)

 

 『ビッグイシュー日本版84号』のオノ・ヨーコのインタビューに付随する、『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』の作品レビューを書いた。

 ニクソン政権が、ヒステリックにジョンを敵視した様子を描いたドキュメンタリーだが、ヨーコ絡みだから出来の方は推して知るべし。またもジョンの命日に当て込んだ商魂が感じられてあまりいい気持ちがしない。実はこのドキュメンタリーよりも、ジョンを射殺したマーク・チャップマンを描いた『チャプター27』(07)の方が見たかった。

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『イマジン』

2020-12-09 09:27:24 | ビートルズ

 今年は久しぶりにジョンの命日に関する報道が多く見られた。

『イマジン』(88)(1989.8.23.)

ジョン・レノンはフィルムドランカーだった…

 この映画、公開時には、見ようか見まいか随分迷った。それは、どうせまたヨーコが商魂を発揮した、ジョンを聖人化したものだろうという疑いと、自分自身の彼への思い入れの強さが相半ばしたからだが、結局見ずに終わった。ところが、ビデオの手軽さに負けて、とうとう見てしまったのである。

 見終わった今、改めて感じるのは、そのプライベートを記録した膨大なフィルムから、ジョンが相当なフィルムドランカー(記録魔)であったことと、彼が凡人とは全く違った感覚を持った、まさに紙一重という言葉が相応しい人だったということであった。

 その衝撃的な死を経て、残念なことにジョンは聖人化、神格化されてしまったのだが、ビートルズ時代も含めて、その音楽的な面はもちろん、たかが数年の間に劇的に変化した風貌と性格、カリスマ性、皮肉屋、性格破綻者、駄目男ぶりなどが、彼を多面的かつ魅力的な人間だと感じさせるのである。彼は決して単純な“愛と平和の人”ではないのだ。

 また、この映画は、去年テレビで見た「ジョン&ヨーコ・ラブ・ストーリー」と重なる部分が多かったため、新鮮味に欠けるところがあったのだが、一つだけ心に残るシーンがあった。

 それは、ジョンの豪邸に忍び込んだヒッピーとの会話だ。何とか歌詞の意味を探ろうと質問するこの男に対して、しどろもどろになるジョン。作ったものが独り歩きしてしまう天才の孤独が垣間見え、その後の「腹減ったろ、一緒に飯食おうか」というジョンの優しい一言が救いとなるのだが、この光景の裏返しが、彼の最後と重なるところもあり、感慨深いものがあった。

 そして、さまざまな紆余曲折を経て、「スターティング・オーバー=再出発」しようとした矢先の死が、ジョン・レノンの最後では、やはり悲しい。残された者のそんな思いが、この際ヨーコの商魂云々は抜きにして、こうした映画をいまさら作らせたのだと思いたい。

 「イマジン」「ハウ」「ジェラス・ガイ」…ジョンのバラードは痛く苦く心に響く。これは甘いバラード作りの名手であるポールとはまた違った資質であり、この2人が一緒に曲を作っていたのは、やはり奇跡だったとしか言い様がない気がした。

 昔、友人が「友だちにするならポールだけど、親友にするならジョンだ」と言っていたのを思い出した。

【今の一言】この映画には「リアル・ラヴ」のデモ音源が使われていたが、「ザ・ビートルズ・アンソロジー」プロジェクトの一環として、ポール、ジョージ、リンゴがこのデモテープに手を加え、「フリー・アズ・ア・バード」に続く“ビートルズの新曲”として1996年にリリース。ビートルズの最後のシングル作品となった。
https://www.youtube.com/watch?v=ax7krBKzmVI

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『ミッション:8ミニッツ』

2020-12-09 07:30:14 | ブラウン管の映画館

『ミッション:8ミニッツ』(11)(2011.8.18.スペースFS汐留)

 乗客全員が死亡したシカゴで起こった列車爆破事故。事件の解明と犯人捜しのため、政府は米軍のスティーブンス大尉(ジェイク・ギレンホール)に極秘ミッションを下す。

 原題の「ソース・コード」とはコンピュータ用のプログラムのこと。列車事故前の8分間の繰り返し、いくつも存在するパラレルワールドという作りは、ゲームのリセットや映画の「テイク~」を思わせる。

 こうした現象は、『恋はデジャ・ブ』(93)『ターン』(00)でも描かれたが、コンピュータープログラムで死者の記憶に入り込むというところが新機軸。列車内劇、群像劇としてはいささか弱いが、90分に凝縮したテンポの良さの方を買いたい。

 『フィールド・オブ・ドリームス』(89)を思わせる父子の和解のシーンもあるが、味わいとしてはロッド・サーリングの「トワイライトゾーン」の諸作に近いものがある。切なさを伴った傑作SFだ。

【今の一言】この映画は、2011年の私的ベストワンの映画だった。

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『プリティ・ウーマン』

2020-12-09 06:59:09 | ブラウン管の映画館

『プリティ・ウーマン』(90)

 

 名うての実業家エドワード(リチャード・ギア)は、ロサンゼルスで、娼婦のビビアン(ジュリア・ロバーツ)と出会い、パートナーとして1週間一緒に過ごす契約を交わす。ところが、ビジネスだけの関係のはずが、いつしか2人は恋に落ちる。ロバーツが、エレガントな淑女へと変身していくシンデレラストーリー。ロイ・オービソンの同名ヒット曲を主題歌にしたことも功を奏した。監督はゲーリー・マーシャル。

『THE BIG ISSUE 日本版89号』お風呂映画

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