『デモリションマン』(93)(2006.8.14.)
冷凍にされていた凶悪犯(ウェズリー・スナイプス怪演)と刑事(シルベスター・スタローン)が、解凍された未来で死闘を繰り広げるSF作。タイトルは「破壊屋」の意。
まるでマンガの世界で実にバカバカしい。けれどもこの手の映画は現実味やメッセージ性が薄いものほど一時現実を忘れて楽しめるという効果があるし、未来世界とのカルチャー・ギャップの描写もなかなか面白かった。それと『マトリックス』(99)以前の、どこかぎこちないアクションが、今見ると逆に新鮮だったりもする。
で、スタローンは実はものすごい暑がりで、彼の映画のロケ現場はいつも冷房が効き過ぎてスタッフが音を上げているらしいから、この映画での氷漬けや「ここは寒いな」という決め台詞は意外と楽屋落ちだったりして。
さて、この時期のスタローンは『ロッキー』や『ランボー』から脱却するために不似合いなコメディー映画に出たりして結構あがいていたのだが、結局、今また『ロッキー』や『ランボー』に戻ってしまった。まるで“デモドリションマン”みたいで哀れな感じだ。