田中雄二の「映画の王様」

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生誕100年「映画俳優・三船敏郎 ~サムライと呼ばれた男の実像~」

2020-12-29 23:54:19 | ブラウン管の映画館



 NHK BSで放送されたドキュメンタリー。秘蔵資料と関係者の証言を基に、「世界のミフネ」はいかにして生まれたのか、その秘密に迫る。黒澤明との戦い、台本に書かれたメモに見る緻密な役作りの裏側、戦争と特攻の記憶などから、サムライと呼ばれた男の実像を解き明かす。

 日系3世のスティーブン・オカザキが監督したドキュメンタリー映画『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』(15)と重なるところもあったが、例えば、『用心棒』(61)の撮影秘話、『太平洋の地獄』(68)の撮影中に「海ゆかば」を涙ながらに歌ったこと、海外を拠点にする話を岡本喜八に相談し、ダメ出しをされたこと、『孫悟空』の映画化を熱望し、監督をスビルバーグに依頼していたことなど、新たに知らされたことも少なくなかった。

『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9cc0a6546d4f196d8c31456f707535f6

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『メン・イン・ブラック』シリーズ

2020-12-29 12:18:51 | ブラウン管の映画館

『メン・イン・ブラック』(97)

 

 地球に侵入して来た異星人の監視を行う秘密組織MIB(メン・イン・ブラック)エージェントのK(トミー・リー・ジョーンズ)とJ(ウィル・スミス)の活躍を描くコメディタッチのSFアクション映画。製作スティーブン・スピルバーグ。監督バリー・ソネンフェルド。

『文化の泉』「映画はこんな未来を創造する」から。


『メン・イン・ブラック2』(02)(2005.3.27.日曜洋画劇場)

 最近、こうしたテレビで見る“おバカ映画”の効用を改めて思い知らされている。さてこのシリーズの勝利の要因は、エイリアンたちの個性的な造型と、あくまで漫画チックに押し通す一種の潔さにある。

 それから『アダムス・ファミリー』シリーズほどバリー・ソネンフェルドの“オタク味”が鼻につかない程度に収まっているところも良し。今回はイヌのエージェント仲間が傑作だった。


「アカデミー・シネマフェスティバル~SFXで観るアカデミー賞の世界~IT'S ALIVE!」(2007.2.2.)

 

 

 丸の内の丸ビルで開催されたWOWOW主催の「アカデミー・シネマフェスティバル~SFXで観るアカデミー賞の世界~IT'S ALIVE!」のオープニングセレモニーに出席。収穫は特殊メークの第一人者リック・ベイカーの話が聞けたこと。彼が担当した『グレムリン』(84)『マイティ・ジョー』(98)『メン・イン・ブラック』(97)の前で一枚。

 副題の「IT'S ALIVE!」はフランケンシュタイン博士が、創造したモンスターに生命が宿った時に発した有名なセリフ。「自分たちが造ったキャラクターが動いた時の喜びははまさにそんな感じだ」とベイカー氏。彼らSFXの担い手も一種の創造主ということになるのか。


『メン・イン・ブラック3』(12)(2012.5.17.東宝東和試写室)

 かつてK(トミー・リー・ジョーンズ)が捕らえた極悪エイリアンが宇宙刑務所を脱獄して地球へ。彼を追ってKとJ(ウィル・スミス)は過去にタイムスリップする。

 着いたのは1969年。アポロ11号の月面着陸があり、万年Bクラスだったニューヨーク・メッツがワールドシリーズで優勝した年。相手のボルチモア・オリオールズの最後のバッターは、巨人でも活躍し、後にメッツの監督になるデーブ・ジョンソン! どちらのシーンもちゃんと映る。

 つまり、69年は、ベトナム戦争下で、束の間の希望や奇跡が見えた年ということ。日本で言えば、東京オリンピックの開催、東海道新幹線の開通があった64年のようなエポックな年であり、そこにタイムスリップするというのがミソなのだ。

 脚本はジョエル・コーエン。高層ビルからの落下シーンもあり、自作『未来は今』(94)をほうふつとさせるところもある。

 見どころの一つは、Jが若き日のKと出会うところ。演じるジョシュ・ブローリンがいかにもジョーンズを若くしたかのような好演を見せる。逆にジョーンズは缶コーヒーのCMとイメージが重なる。KとJの“本当の出会い”が明かされ、ちょっとホロリとさせられる。

 それにしても、リック・ベイカーらが創造したエイリアンたちは相変わらずグロいが笑える。

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『ワイルド・ワイルド・ウエスト』

2020-12-29 12:14:12 | ブラウン管の映画館

『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(99)

 西部開拓時代。早撃ちのウエスト大尉(ウィル・スミス)と、発明と変装が得意なゴードン連邦保安官(ケビン・クライン)は、大統領からの命を受け、政府乗っ取りをたくらむ悪の天才科学者ラブレス(ケネス・ブラナー)の捜査に乗り出すが…。

 1960年代のTVシリーズ「0088/ワイルド・ウエスト」を映画化。『アダムス・ファミリー』『メン・イン・ブラック』シリーズのバリー・ソネンフェルドの監督作ということで、巨大なクモ型ロボットをはじめ、ユニークな発明品の数々が登場する、コミカルなSFウエスタン。

 撮影はミヒャエル・バルハウス、音楽はエルマー・バーンスタイン、特殊メイクはリック・ベイカーと、スタッフは一流どころなのだが、西部劇とSFとの相性が悪かったのか、おふざけが過ぎたのか、出来の悪い映画を選ぶゴールデンラズベリー賞では、最低作品賞、監督賞、スクリーンカップル賞、脚本賞、主題歌賞の5部門で受賞してしまった。

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【インタビュー】『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター監督 ダナ・マレープロデューサー

2020-12-29 07:05:08 | インタビュー

 ジャズ・ピアニストを夢見る中学教師のジョー・ガードナー(声・ジェイミー・フォックス)は、マンホールに落ちてソウル=魂の世界へ入り込む。ジョーは、地上へ戻る方法を探るため、人間になることを拒み続けるソウルの22番と共に冒険の旅に出る。ディズニー&ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』が、12月25日からディズニープラスで配信された。本作のピート・ドクター監督とプロデューサーのダナ・マレーに話を聞いた。

「普通の日々のちょっとした瞬間にも美しいものはたくさんあります」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1254227

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『ゴッドファーザーPARTⅡ』

2020-12-29 07:03:05 | ブラウン管の映画館

『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)(1980.11.12.日曜洋画劇場)

 コッポラは前作での思い残しを、この映画で描き切ったのではないだろうか。前作のマーロン・ブランドに代わって、今回はアル・パチーノが恐ろしいほどの貫禄を示す。また、ロバート・デ・ニーロがビトー・コルレオーネの若き日を演じる部分が何ともいい。

 マイケル(パチーノ)の今の姿を追いながら、若きビトーの姿をオーバーラップさせる手法は見事である。そこには、ビトーのシシリー島での悲劇に始まり、流れ着いた自由の国アメリカで、ファミリーを作らなければ生きていけなかった現実、それを継いだマイケルの父親以上の苦しみ、悩み、孤独が並行して描かれる。

 マイケルの周りからはあらゆる者が離れていく。長兄のソニー(ジェームズ・カーン)は殺され、次兄のフレド(ジョン・カザール)は裏切り、妻のケイ(ダイアン・キートン)も彼を見放す。そして理知的な義兄トム(ロバート・デュバル)には、ファミリーが昔のままでは成り立たないことが分かっている。

 その中から、改めて家族とは、血のつながりとは何かを問い掛けながら、アメリカの暗部をも浮かび上がらせる。だからこそ、ラストの父ビトーの誕生日を祝う家族の回想シーン、一転、現実のマイケルの孤独な姿が深い感慨をもたらすのだ。

 コッポラの演出、ゴードン・ウィリスの撮影、ニーノ・ロータの音楽が冴えを見せ、そこに俳優たちの好演が相まって、前作以上の映画になったと思う。

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