田中雄二の「映画の王様」

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「土曜プレミアム」『スカイスクレイパー』

2020-12-19 08:09:24 | ブラウン管の映画館

 今夜の「土曜プレミアム」(フジテレビ系)は、ドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画『スカイスクレイパー』(18)だ。

【ほぼ週刊映画コラム】
ジョンソンの存在を際立たせるためのアイデアの集積が見事な『スカイスクレイパー』
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1164521

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『どん底作家の人生に幸あれ!』

2020-12-19 07:28:47 | 新作映画を見てみた

ディケンズの世界を今風に映画化

 原題は「デビッド・カッパーフィールドの個人史」。チャールズ・ディケンズの『デビッド・カッパーフィールド(コパフィールド)』を、『スターリンの葬送狂騒曲』(17)のアーマンド・イアヌッチ監督(イタリア系のスコットランド人)が映画化。

 山あり谷ありの人生を送る孤児の物語という意味では、主人公のデビッドは、同じくディケンズの『大いなる遺産』のピップや『オリバー・ツイスト』のオリバーとも通じるキャラクターだ。

 ただ、デビッドが作家となり、自分を取り巻く変人たちを、空想と現実を交錯させながら描く、という点では、ディケンズの自伝的な要素が最も強いという。

 この映画がユニークなのは、デビットを演じるデーブ・パーテルはインド系、他にも黒人や中国系の俳優が重要な役を演じているところ。従って、風景や設定は19世紀のイギリスなのに、多国籍なイメージを抱かされる。

 そこに、今ディケンズの古典を映画化する意味を持たせようとしたのだろうが、残念ながら成功しているとは思えなかったし、随所に見られるブラックユーモアやオフビートな笑いもあまりピンとこなかった。こういう映画は、むしろ原作を知らずに見た方が楽しめるのかもしれない。

 その原作は過去に何度も映画化され、特に『孤児ダビド物語』(35)『さすらいの旅路』(69)が有名らしいが、どちらも未見。ディケンズの原作を真面目に映画化すると、重苦しくて暗くなるようなので、この映画は、そういう面も変えてみたかったのだろう。

 ユーライア・ヒープというロックバンドがいたが、その名はこの物語の登場人物から取られていたのだと今回知った。

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