田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』

2023-06-06 20:03:13 | 新作映画を見てみた

『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023.6.2.ソニー・ピクチャーズ試写室)

 ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレス(シャメイク・ムーア)を主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した『スパイダーマン スパイダーバース』(18)の続編。

 マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェン(ヘイリー・スタインフェルド)に導かれ、あるユニバースを訪れる。そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラ(オスカー・アイザック)やピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン)ら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。

 愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。

 前作を見ていないので、最初は何が何だか分からない状態に陥ったが、人物関係などは「多分こういうことなのだろう」という想像を交えながら、理解に努めた。その間、目まぐるしい展開とアクション、マルチバースによる雑多な登場人物の判別に悩まされながら、やっと追いついてきたと思ったら、また「続く」となった…。

 いやはや、マーベルやDC、そして先の『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』、そしてこの映画と、つながりのある作品を見ていることが前提なのだから、1本の独立した映画として見られないのでは困ってしまう。みんながみんな、全ての作品を見て、つながりを理解しているというわけでもあるまいに。

 だから、まるでサイレント期のシリアル(連続活劇)に戻ったかのような、この手の流行はあまり喜ばしくない気がするし、何でもありのマルチバースという発想は、作り手にとっては便利なのかもしれないが、見る方は混乱する。

 ただ、アメコミの再現という意味では、実写版を超えていると言っても過言ではない。そして、この後を引く終わり方を見せられると、何だかんだと文句を言いながら、結末を知りたくなるのだから、見事に術中にはまっている。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「午後のロードショー」『エネミー・オブ・アメリカ』

2023-06-06 07:00:10 | ブラウン管の映画館

『エネミー・オブ・アメリカ』(98)(2012.10.18.文教学院大学「映像で読み解く英米社会講座」) 

 政府が国民の生活を監視(盗撮、盗聴)し、管理するのは是か非か。本当のアメリカの敵=エネミーとは…。ウィル・スミスが事件に巻き込まれる弁護士を演じ、国家安全保障局(NSA)高官のジョン・ボイト一味と対決する。

 オープニングでいきなり大物俳優のジェイソン・ロバーズが殺され、しかもノンクレジットのカメオ出演だったことに驚いた。ボイト一味にはめられたスミスが一人で逃げ回るが、中盤で元NSAのジーン・ハックマンが登場し、バディムービーの様相を呈す。

 無意味なアクションに走り過ぎたところはあるが、それを立派にこなす老優ハックマンの姿に感動する。ハックマンをキャスティングしたのは、彼がプロの盗聴屋を演じたフランシス・フォード・コッポラの『カンバセーション…盗聴…』(74)(盗聴屋が盗聴される側になった皮肉と恐怖を描いて秀逸な映画)へのオマージュだったのだろうか。

 そう言えば、先頃、自ら命を絶ったこの映画の監督トニー・スコットとハックマンは『クリムゾン・タイド』(95)でもタッグを組んでいた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『嵐を呼ぶ男』

2023-06-06 06:38:39 | ブラウン管の映画館

『嵐を呼ぶ男』(57)

「俺らはドラマー やくざなドラマー」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/df9f1a198510d73a423f31153e2286b8

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする