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就活に教科書は不要なのか?◆坂の上の雲◆井口省吾の信念から

2010-12-02 12:51:02 | 日記
こんにちは


就職活動には教科書的なマニュアルが通用しない


ということが、いろいろと言われています。
このことについて考えてみました。


今週は「坂の上の雲」をモチーフにしています。
からめていきますね



◆職を辞する覚悟で、教科書作りに反対した「坂の上の雲」の時代


文春文庫の単行本「坂の上の雲」のラスト8巻には
新聞連載当時の「あとがき」が載ってます。

長いですが、印象的な逸話を紹介しますね


※※※※※※

創造力の養成の場である陸軍大学校において、思考統一のための教科書を作れということそのことが、重大であった。

井口は、職を賭して反対した。


「教科書というものは、人間がつくるもので、ところがいったんこれが採用されれば一つの権威になり、そのあとの教官はこれに準拠してそれを踏襲するだけになります。

いま教科書がないために教官たちは頭脳の限りをつくして教えているわけであります。


すなわち教官の能力如何が学生に影響するために、勢い教官は懸命に研究せねばならぬということになり、このため学生も大いに啓発されてゆくというかたちをとっております。
まして戦術の分野にあっては教科書は不要であります。どころか、そのために弊害も多いと思います。


しかしそれでもなおこれを作れとおっしゃるのでありましたら、私は教頭をやめさせていただくほかはありません」

※※※※※※

司馬遼太郎「坂の上の雲」文春文庫(八)あとがき三より

参謀本部次長の寺内正毅が「教科書を作れ」と言ったことに
陸軍大学校教頭であった井口省吾が反論した部分です。



文中の「戦術」を「就活」と置き換えても
そのまま通用するような気がしますが、いかがでしょう




◆マニュアルが通用しない独創性・創造力


寺内正毅がいかに独創性が無かったか、ということを
司馬さんはこのエピソードで井口の反論から浮き彫りにしているようです。



企業が学生に求めている資質は大きく分けると


1.一般事務で作業をミスなく正確にこなせる人材
2.企画、開発で創造性、独創性を発揮できる人材

のどちらかです。


派遣業務の大半は1.の作業をカバーしていますから

企業が正社員を採用するときに何を求めるかといえば
やはり2.の創造性、独創性でありましょう。


その養成に「教科書はなさそう」ですね。

(リラックマ4クママンガより)


◆就職活動という限定作業での独創性とは「信念と個性」


坂の上の雲あとがきに登場した井口省吾は
(NHKドラマ「坂の上の雲」では堤大二郎が演技)

『教科書は不要である』

ということを信念として貫きました。
これは一つのヒントなのかもしれません。



強い信念があり、それを譲らずに
個性として表現できるかどうか。


創造性や独創性は社会人になってから鍛えられる部分もあるので
学生時代にベースを育てようとしたら、



井口省吾の態度に習えば
強い信念と個性をもつことではないか、と思います。



◆知力の限りの切磋琢磨で


教官と生徒が教科書のない現場で
知力の限りを尽くすという場は
本来のやるべき『大学教育』なのかもしれません。



来年度から大学で必修化されるというキャリア教育が
そういう場に育ちますよう。



キャリア教育の過渡期にある今の学生たちには

熱意のある身近な社会人が率先して感化して
信念と個性の大切さを伝えてあげなきゃ、と思います。


ではまた★