今週は著名人の名前をタイトルに入れています。
2011年5月現在の日本の総理大臣も
最初のキャリアステップは新人議員から出発しました。
就活生、社会人1年生も総理に学ぼう。
面接や仕事での質問は
「よく考えてから行い、その場の状況を冷静に掴もう」
◆新人議員の勇み足
※※※※※※
昭和五十六年秋の臨時国会、衆院の行政改革特別委員会で当時一年生議員だった「社民連」の菅直人が質問に立った。
「田中角栄氏の出身県である新潟県は、他県と比べて補助金が飛び抜けて多い」
「これはどう見てもおかしいのではないかッ」
ところが、この委員会には田中派議員が多数出席していた。
猛烈なヤジを浴びせられたのである。
「新潟は広いんだ。もっと勉強して来いッ」
「雪をどうするのか!それが政治だッ」
菅はクチビルを噛んで質問席をあとにしたのだった。
※※※※※※
小林吉弥「高橋是清と田中角栄」知恵の森文庫2002年から
◆質問内容はシチュエーションを考えてから
一年生の菅直人議員は、一見「正しい質問」をしたのかと思われます。
ただし自分がヤジを飛ばされるアウェィの立場であることと
それを想定して
なお質問を続けるほどの度胸までは準備していませんでした。
ここに準備不足があった。
★★★
たとえば就活の面接で、こういう質問をするとしよう。
「御社の福利厚生は?」
「ワークライフバランスの取り組みは?」
質問内容は聞いて良い内容であるし
当然確認したい事項でしょう。
ただし面接はアウェイなのだ。目に見えぬヤジがくる。
そのヤジとは『想定不足・準備不足』のマイナス評価だ。
一年生議員へのヤジは
「雪をどうするのか!それが政治だッ」
(県民の生活が優先なのだ。それが政治だッ)
面接就活生へのヤジは
「仕事をどうするのか!それが会社だッ」
(仕事することが優先なのだ、それが会社だッ)
★★★
注)
田中角栄の金権政治の手法には賛否両論がありますので
その内容には立ち入りません。
ここではあくまで「面接での質問は事前準備が大切である」という
話の導入として菅直人議員の逸話を紹介したものであります。
田中派議員のヤジの中にある「(県民の)生活が優先なのだ」という
ニュアンスの言葉を、もし国民と言い換えてみるならば、そこにも
一片の政治的な真理はあるだろう、と理解することができます。
◆今日のポイント
採用担当者の〝見えないヤジ〟を想定しておこう。
会社は働くところなのだ。
福利厚生を気にしてどうするのかっ。
そこにも一片の会社の真理はあるだろう、と理解することができるよね。
質問には慎重に。
ではまた。