フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

時は過ぎても

2006-10-15 16:50:50 | Weblog
プルーテルの49日が過ぎました。日常に追われて振り返る間もないのが普通の人の暮らしなのでしょうが、それにしても生きるのに忙しくて死んだ人のことにかまってやれないのが現実です。あの時は、ああしよう。こうしよう。と思うのですが、いざとなると生きてるほうの用事を優先してしまいます。考えてみれば、たいした用事でもないのに勿体つけてさも自分でなけりゃと思ってしまいます。おかしいですね代わりは何ぼでも居るのに。そうでなけりゃ地球なんてこんなに長く続いてはこないでしょう。秋風が気持ちよく吹く日曜日フェンネル氏は、庭のテラスのイスに座ってカフェオーレを飲みながらまだ少し残っている夏の雲に別れを告げました。今日のおやつはクグロフです。砂糖で煮た帽子をちょうどひっくり返したようなオーストリアかその辺りの素朴なお菓子ですよ。でもこれは、あることでとても有名なお菓子です。ご存知でしたか?そう、あのマリーアントワネットがこよなく愛したお菓子なのです。似合わないって?そうじゃないんだ、このお菓子をほうばって居るマリーの方が本当のマリーだと思います。事実マリーアントワネットは、ベルサイユ宮殿の森の向こうにある自分だけの小さな家で過ごすことが多かったのですから。人は、見かけでなく、どんな食べ物が好きかで判断した方がもっとその人がわかるのかもしれませんね。クグロフを食べながらはるかマリーを想い胸がキュンとするフェンネル氏でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする